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87 決戦の日――赤竜、再び……いや『再び』されても困るんですががががが
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「……ふ、ふふふふふふふふ!!! ―――見つけましたよ……!! 本当の、ドラゴン!!!」
「え……?」
私・八重垣紫苑は、困惑の声を上げる。
対立する事になったクラスメート達……その最後の一人である阿久夜澪さんを心ならずも追い詰めていた……そんな時だった。
阿久夜さんは突然笑い出したかと思うと俯き加減だった顔を上げた。
その顔は――ひょええええ!?
何と言いますか、その、凄絶としか言いようのない笑みが浮かんでいるんですががががが。
「わたくしの全身全霊を懸けて――――来なさい、いえ、来い! ドラゴン!!」
そう叫んだ直後、何かが――見えない何かが阿久夜さんから解き放たれた。
それは私達この世界出身でない人間だけが感知できるものだったようで、
私達は何とも言えない感覚を受けて、思わず同時に顔を顰めてたんだけど
ターグさんをはじめとする党団『酔い明けの日々』の皆さんはなんともなく、
私達の様子に戸惑っておりました。
いや、そんな事よりもドラゴンはもう倒したはずなんだけど――私でだけでなく誰もがそう思っていた。
今、この瞬間までは。
「ちょ、だれか抑えるの手伝ってくれー!?」
いきなりそう叫んだのは結界の中にいた夜汰継くん。
彼が懸命に抑え込もうとしていたその何かとは……。
「――し、神域結晶球!?」
驚いて、思わず声に出して叫みましたとも。
ドラゴンを倒した後、その内部から回収していた結界領域の要にして国宝級に重要な物。
それがまるで意思を持っているかのように赤黒い光を放ちながら飛び立とうとしている……ようだった。
夜汰くんはそれをなんとか抑えようとしていたけれど……。
「うわぁっ!?」
想像以上の力だったのか、手伝って抑え込もうしていた周囲の人さえ弾き飛ばして、結界の外へと飛び出した。
直後、神域結晶球が星のように、太陽のように強い光を一瞬放つ。
「なんだ――?! 一体何が起こってる……?」
光が収まっていく中、珍しく困惑を露にする堅砂一くんに、いつの間にか私達から距離を取っていた阿久夜さんは口が裂けんばかりの笑みを浮かべる。
「分かるはず、ないじゃないですか――このわたくしの怒りも衝動も、唯一無二の私だけのモノなんですから――!!」
その叫びめいた言葉と共に、少し離れた所から大きな音が響いた。
そちらに何があったのか、阿久夜さんの言葉もあって私にはすぐに思い浮かんだ。
「ま、まま、まさか、ドラゴンの遺体……!?」
その想像が正しかった事はすぐに分かった。
何故なら音のした方向からドラゴンの身体――その肉片が繋ぎ合わさりながらこちらへと飛翔してきたからだ。
そしてその行先は……神域結晶球。
神域結晶球は赤黒い光を放っていたが、その奥で更に鼓動するように赤い光が瞬いていた。
それが瞬く度に肉片が次々と繋ぎ合わさっていく……少しずつ元の姿に、ドラゴンの形に戻ろうとしていた。
そして、いつしかその中心には心臓であるかのように神域結晶球が脈打ちながら据えられていく……!
「ど、どうなってんだよ!? あのドラゴンはさっき倒したはずじゃ――!」
大きく動揺しながらの守尋くんのもっともな疑問……それについて私は、これまでの様々な情報を組み合わせる事で答を見つける事に成功していた。
「……う、うん、多分一人分は倒した――でも、もう一人があのドラゴンの中にいたんだよ……!!」
「そういう、ことか……!」
私のその言葉だけで堅砂くんは全てを理解したようだった。
「あれは、まだ倒してないもう一人か……!!」
そう。
あのドラゴンは、元々赤竜王・エグザ様の転生先だった都合で、赤竜さんとエグザ様の二人がいた。
阿久夜さんの【かの豊穣神のように】は死者を操る――死んだドラゴンは二人だったゆえに、もう一人分操る余地があったのだ。
「つまりさっき倒したのはそのどちらかだけで、もう一人を阿久夜さんが改めて操ろうしてるってことか……!」
二人の存在については皆に話していたので守尋くんも状況をすぐさま理解したようだ。
「じゃあなんで神域結晶球まで動いてるのよ……?!」
結界を維持したままの伊馬廣音さんが叫ぶ。
それに答えたのは、結界の中でずっと状況を見守っていたレートヴァ教・聖導師長ラルエルことラルだった。
「おそらく阿久夜様の『贈り物』で操ろうとしているもう一人と、神域結晶球が強く結びついていたからです」
ラルの表情は酷く苦しげであり鋭くもあり――怒りと悲しみが入り混じっていた。
「この結界領域を維持する為の赤竜王様と神域結晶球の結びつきが、よもやこのような形で悪用されるとは――!」
「というかずるくない?! 融合してたんなら一人分でしょ?!」
伊馬さんの怒りの籠った叫びはごもっともだ。
だけど、そうなっていない事情を私は知っている。
「そ、その時はまだ融合が完全じゃなかった……だから二人分なんだよ……ズルいとは私もすごく思うけど、うん」
それでも本来ならば発動はしなかったはずだ。
こうなっているのは、おそらく阿久夜さんの強烈な呼びかけ――それが起きるはずのないものを起こしてしまったから、なんじゃないかと思う。
先程の阿久夜さんの鬼気迫る様子は、そうなっても不思議ではない――そう納得出来るだけの気迫があったしね。
「――と、というか、ズルいのはそれだけじゃないみたいなんですけどぉ……!?」
「ああ、身体が全く動かない――おそらく先程の強い光の所為だろう」
おそらく一くんの言葉どおりだと思う。
さっきから私は全力で融合妨害か阿久夜さんの拘束かを行おうとしているんだけど、まるで動けなかった。
どういう訳か、いつぞやのゴブリン戦で使用した魔力による強引な身体駆動もままならない。
「【ステータス】ではどうなってる?」
「反転結界による一時的な麻痺効果って表示されてる……! そして解除まで後30秒……!!」
「なるほど――アイツの復活までの時間って訳か」
一《はじめ》くんの言葉に、皆が頭上で復元していくドラゴンへと視線を送る。
うぐぐ、口惜しいんだけど、今の私達にはそれしか出来る事がないなぁ……!
「ふふふふ――! いい顔ですよ、貴方達!!
さっきまでの調子は何処へ行ったんですか? あはははは!」
そんな私達を嘲笑う阿久夜さん――そのテンションは、先程までの追い詰められていた状況からの反動なんだろうか?
表情や感情が強過ぎるような気がして――なんというか、見ていて心配になる。
「あ、阿久夜さん、えーと、その……なんと言ったらいいか……だ、大丈夫なの……?!
お、お酒でも飲んだの?」
「――この期に及んで何を頓珍漢な事を……! 貴方がすべきなのは自分達の心配でしょうに――!!」
そんな言葉と共に凄い怖い表情で睨まれる私。
いや、飲んでないのは分かってたんだけど、そうでもないと説明が難しいテンションだったんですYO!?
でも、同時に……それだけ鬼気迫る様子がどこか辛そうにも見えてしまうのだ。
……そう、あの夜の、私を殺しかけた赤竜さんのように。
もしかしたら『贈り物』を掛けた影響で、阿久夜さんもドラゴン側の影響を受けている……?
その疑問を声に出そうとした瞬間だった――麻痺効果が解除されたのは。
「氷結弾連……!」
すぐさま一くんが魔術を阿久夜さんへと解き放つ。
私や守尋くん、津朝くんも彼女を拘束すべく動こうとするが――出来なかった。
放った魔術は呆気なく、何の効果も生み出す事なく砕け散る。
そして動き出そうとした私達は、目の前の威容に、威厳に、圧倒的存在感に足を踏み出せなかった。
そこには、最早腐ってすらいない、《《完全な形の赤竜》》が降り立っていた。
「――」
喉がひりつくような、乾くような、悲鳴すら上げられない感覚。
それが全身を覆っているかのような存在だ。
うわぁ……うわぁ……これ絶対ヤバい。
私の視界に展開された屍赤竜のステータス、そのレベルは――――300。
私が知る最高レベルの存在、スカード師匠すら大きく上回る、規格外の存在でございました……いや、これどうしましょう――?
「え……?」
私・八重垣紫苑は、困惑の声を上げる。
対立する事になったクラスメート達……その最後の一人である阿久夜澪さんを心ならずも追い詰めていた……そんな時だった。
阿久夜さんは突然笑い出したかと思うと俯き加減だった顔を上げた。
その顔は――ひょええええ!?
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そう叫んだ直後、何かが――見えない何かが阿久夜さんから解き放たれた。
それは私達この世界出身でない人間だけが感知できるものだったようで、
私達は何とも言えない感覚を受けて、思わず同時に顔を顰めてたんだけど
ターグさんをはじめとする党団『酔い明けの日々』の皆さんはなんともなく、
私達の様子に戸惑っておりました。
いや、そんな事よりもドラゴンはもう倒したはずなんだけど――私でだけでなく誰もがそう思っていた。
今、この瞬間までは。
「ちょ、だれか抑えるの手伝ってくれー!?」
いきなりそう叫んだのは結界の中にいた夜汰継くん。
彼が懸命に抑え込もうとしていたその何かとは……。
「――し、神域結晶球!?」
驚いて、思わず声に出して叫みましたとも。
ドラゴンを倒した後、その内部から回収していた結界領域の要にして国宝級に重要な物。
それがまるで意思を持っているかのように赤黒い光を放ちながら飛び立とうとしている……ようだった。
夜汰くんはそれをなんとか抑えようとしていたけれど……。
「うわぁっ!?」
想像以上の力だったのか、手伝って抑え込もうしていた周囲の人さえ弾き飛ばして、結界の外へと飛び出した。
直後、神域結晶球が星のように、太陽のように強い光を一瞬放つ。
「なんだ――?! 一体何が起こってる……?」
光が収まっていく中、珍しく困惑を露にする堅砂一くんに、いつの間にか私達から距離を取っていた阿久夜さんは口が裂けんばかりの笑みを浮かべる。
「分かるはず、ないじゃないですか――このわたくしの怒りも衝動も、唯一無二の私だけのモノなんですから――!!」
その叫びめいた言葉と共に、少し離れた所から大きな音が響いた。
そちらに何があったのか、阿久夜さんの言葉もあって私にはすぐに思い浮かんだ。
「ま、まま、まさか、ドラゴンの遺体……!?」
その想像が正しかった事はすぐに分かった。
何故なら音のした方向からドラゴンの身体――その肉片が繋ぎ合わさりながらこちらへと飛翔してきたからだ。
そしてその行先は……神域結晶球。
神域結晶球は赤黒い光を放っていたが、その奥で更に鼓動するように赤い光が瞬いていた。
それが瞬く度に肉片が次々と繋ぎ合わさっていく……少しずつ元の姿に、ドラゴンの形に戻ろうとしていた。
そして、いつしかその中心には心臓であるかのように神域結晶球が脈打ちながら据えられていく……!
「ど、どうなってんだよ!? あのドラゴンはさっき倒したはずじゃ――!」
大きく動揺しながらの守尋くんのもっともな疑問……それについて私は、これまでの様々な情報を組み合わせる事で答を見つける事に成功していた。
「……う、うん、多分一人分は倒した――でも、もう一人があのドラゴンの中にいたんだよ……!!」
「そういう、ことか……!」
私のその言葉だけで堅砂くんは全てを理解したようだった。
「あれは、まだ倒してないもう一人か……!!」
そう。
あのドラゴンは、元々赤竜王・エグザ様の転生先だった都合で、赤竜さんとエグザ様の二人がいた。
阿久夜さんの【かの豊穣神のように】は死者を操る――死んだドラゴンは二人だったゆえに、もう一人分操る余地があったのだ。
「つまりさっき倒したのはそのどちらかだけで、もう一人を阿久夜さんが改めて操ろうしてるってことか……!」
二人の存在については皆に話していたので守尋くんも状況をすぐさま理解したようだ。
「じゃあなんで神域結晶球まで動いてるのよ……?!」
結界を維持したままの伊馬廣音さんが叫ぶ。
それに答えたのは、結界の中でずっと状況を見守っていたレートヴァ教・聖導師長ラルエルことラルだった。
「おそらく阿久夜様の『贈り物』で操ろうとしているもう一人と、神域結晶球が強く結びついていたからです」
ラルの表情は酷く苦しげであり鋭くもあり――怒りと悲しみが入り混じっていた。
「この結界領域を維持する為の赤竜王様と神域結晶球の結びつきが、よもやこのような形で悪用されるとは――!」
「というかずるくない?! 融合してたんなら一人分でしょ?!」
伊馬さんの怒りの籠った叫びはごもっともだ。
だけど、そうなっていない事情を私は知っている。
「そ、その時はまだ融合が完全じゃなかった……だから二人分なんだよ……ズルいとは私もすごく思うけど、うん」
それでも本来ならば発動はしなかったはずだ。
こうなっているのは、おそらく阿久夜さんの強烈な呼びかけ――それが起きるはずのないものを起こしてしまったから、なんじゃないかと思う。
先程の阿久夜さんの鬼気迫る様子は、そうなっても不思議ではない――そう納得出来るだけの気迫があったしね。
「――と、というか、ズルいのはそれだけじゃないみたいなんですけどぉ……!?」
「ああ、身体が全く動かない――おそらく先程の強い光の所為だろう」
おそらく一くんの言葉どおりだと思う。
さっきから私は全力で融合妨害か阿久夜さんの拘束かを行おうとしているんだけど、まるで動けなかった。
どういう訳か、いつぞやのゴブリン戦で使用した魔力による強引な身体駆動もままならない。
「【ステータス】ではどうなってる?」
「反転結界による一時的な麻痺効果って表示されてる……! そして解除まで後30秒……!!」
「なるほど――アイツの復活までの時間って訳か」
一《はじめ》くんの言葉に、皆が頭上で復元していくドラゴンへと視線を送る。
うぐぐ、口惜しいんだけど、今の私達にはそれしか出来る事がないなぁ……!
「ふふふふ――! いい顔ですよ、貴方達!!
さっきまでの調子は何処へ行ったんですか? あはははは!」
そんな私達を嘲笑う阿久夜さん――そのテンションは、先程までの追い詰められていた状況からの反動なんだろうか?
表情や感情が強過ぎるような気がして――なんというか、見ていて心配になる。
「あ、阿久夜さん、えーと、その……なんと言ったらいいか……だ、大丈夫なの……?!
お、お酒でも飲んだの?」
「――この期に及んで何を頓珍漢な事を……! 貴方がすべきなのは自分達の心配でしょうに――!!」
そんな言葉と共に凄い怖い表情で睨まれる私。
いや、飲んでないのは分かってたんだけど、そうでもないと説明が難しいテンションだったんですYO!?
でも、同時に……それだけ鬼気迫る様子がどこか辛そうにも見えてしまうのだ。
……そう、あの夜の、私を殺しかけた赤竜さんのように。
もしかしたら『贈り物』を掛けた影響で、阿久夜さんもドラゴン側の影響を受けている……?
その疑問を声に出そうとした瞬間だった――麻痺効果が解除されたのは。
「氷結弾連……!」
すぐさま一くんが魔術を阿久夜さんへと解き放つ。
私や守尋くん、津朝くんも彼女を拘束すべく動こうとするが――出来なかった。
放った魔術は呆気なく、何の効果も生み出す事なく砕け散る。
そして動き出そうとした私達は、目の前の威容に、威厳に、圧倒的存在感に足を踏み出せなかった。
そこには、最早腐ってすらいない、《《完全な形の赤竜》》が降り立っていた。
「――」
喉がひりつくような、乾くような、悲鳴すら上げられない感覚。
それが全身を覆っているかのような存在だ。
うわぁ……うわぁ……これ絶対ヤバい。
私の視界に展開された屍赤竜のステータス、そのレベルは――――300。
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