CHILDREN CRIME

Neu(ノイ)

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一章:出逢イハ突然ニ

新学期 06

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想像しただけで頭が痛くなった気がした。

「防ぎようがないけど。気を付けるよ。ひたすら謝ってみる」

こくん、と首肯してみせる。
神妙な表情で顔を見合わせた。

「おい、そこ! 喋ってんじゃねぇぞ」

不意に降ってきた安津の怒号。
蜜柑の体が勢い良く前を向いた。
安津の方は見ないで小さく頭を下げる。
それで彼は満足したらしく、朝の会は滞りなく進んでいった。




 それから、時間が過ぎ去り、放課後。
特別日課のため、放課後と言っても、11時半頃である。
言われた通りに職員室に向かう。
三棟ある内の一番綺麗な校舎に職員室はある。
六年生の教室と職員室、校長室等がある棟だ。
知有の教室も同じ棟なので、校舎の移動はなくて済む。
去年の五年生の時は、一番古い校舎で、職員室からも最も遠かった。
体育館や理科室等と五年生の教室がある棟で、煩いし臭うし古いし、で人気は低い。
兎に角、面倒だった。
しかし、場所が変わるだけで便利に感じるのだから、人間も小さなことで幸せを感じられるのであろう。
階段を降りながらそんなことを思った。
すぐ目に入る靴箱を追い越せば、もう職員室である。
ガラガラ、と扉を開ける。

「失礼しまーす」

入り口で軽く礼をして中に足を進める。
進級したので去年とは違う配置になっているようだ。
安津のデスクも今までの場所には無かった。
視線を滑らせて、整理整頓のされた馬鹿綺麗なデスクを探す。
見た目に似合わず、彼は綺麗好きである。
神経質ではないが、拘りがあるらしい。
とにもかくにも、教師の中でも一番デスクが綺麗なのだ。


 職員室には入り口が二つある。
廊下側の左右の端に一つずつ設置されている。
靴箱から遠い方の入り口側、外に繋がる方の窓に近いところに安津のデスクはあった。
一番端っこだ。
安津は、自分のデスクの前の列にある、六年生担当の学年主任のデスクで話し合いの最中のようだ。
デスクが二つ向かい合わせになっている列を幾つか越えて、安津のところまで歩く。

「おう、宇津井か。すんません、ちょっと話があるんで。知有、こっち来て」

知有の姿が目に入ったのか、安津の顔に笑顔が浮かぶ。
彼は学年主任に頭を下げると自分のデスクに歩み寄り、知有を手招く。
呼称が学校用からプライベートな呼び方に変わったのが気になった。

「なあに、安ちゃん? わざわざ呼び出して」

安津が名前で呼んできたので、知有もプライベートでの彼の呼称で話す。
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