悪戯してもイイよね?

Neu(ノイ)

文字の大きさ
上 下
7 / 10
悪戯してもイイよね?

悪戯してもイイよね? 06

しおりを挟む


参の人生を狂わせてしまった報いを一生掛けて彼に返していかなくてはならない。
共依存のような関係だと互いに解っていながら離れられないのだから、もう開き直るしかない。
参が深黒と共にあるのに性行為が必要だと言うのなら、それすらも受け入れようと覚悟は既に決めている。

「サン君になら、何をされてもいいんだ。だって僕は、君がいなくちゃ生きていけないんだもの。ごめんね、サン君。僕は君の人生を全部奪ってしまう。だから、僕の全てを好きにして欲しいんだ」

小さく「本当に君は、莫迦だな」と呟いた参に強く抱き締められていた。
額に頬に口付けを受け、擽ったさに身を捩るのを封じ込まれ、額に彼の額が当てられる。
至近距離で見詰め合い、自然と重なった唇の温もりが心地良かった。


* * * * * *


 身体を這い回る掌に、男に嬲られた嫌な記憶が過ぎらない、と言えば嘘になる。
幾度となく望まない性行為を強要され、男の欲の捌け口にされてきた。
頭を過ぎる記憶が辛い。
それであれ、彼にならば何をされても構わないのだ。

「……っ、っ、っっ、っ」

両手で口を覆い隠し声を殺す。
身体は快楽の拾い方を知っている。
それを目の前の男に知られてしまうのは、とても恥ずかしかった。
今更なのは解ってはいても、羞恥には勝てない。
声を抑えても体躯は素直にビクついて感じていることを伝えているのだから、無意味ではあるのだが、深黒には其処まで考える余裕がなかった。

「クロ君。あんまり可愛いことをすると、酷くしてしまうかもしれないよ?」

乳首の先を擽られ、焦れったさに身を揺らす。
吐息が尖りに掛かる距離で喋られ、深黒は堪らずに参の髪を掴んだ。

「ひ、ひどいのは、……やだ」

涙目を向けると参の動きが止まり、ぎゅうぎゅう、と体躯を抱き締められる。
胸元に顔を埋めた参の表情は窺い知れないが、吐き出される吐息は熱い。

「酷くされたくないなら可愛いことを言うのはやめたまえよ。言っておくけどね、ボクは聖人でも紳士でも超人でもないんだ。普通に欲情を抱く男に過ぎないんだよ。……好きな人を乱したいと思ってしまうのは、仕方無いだろ?」

目線だけが上向き欲情した瞳で凝視される。
背筋が粟立ったのは、恐怖なのか、期待なのか。
そんなことは些細な事だと深黒は思った。
求められることを嬉しいと感じている。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

隠れSubは大好きなDomに跪きたい

みー
BL
⚠️Dom/Subユニバース 一部オリジナル表現があります。 ハイランクDom×ハイランクSub

双葉病院小児病棟

moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。 病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。 この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。 すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。 メンタル面のケアも大事になってくる。 当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。 親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。 【集中して治療をして早く治す】 それがこの病院のモットーです。 ※この物語はフィクションです。 実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

処理中です...