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一章:援交とタローさん
性交はイコールで愛になるか 22*
しおりを挟む奥深くを穿つ肉棒に激しく犯され、愛だの何だのと考える余裕などなかった。
ただ凶悪に快感に支配されて訳が解らなくなる。
こんな性交は、初めてだった。
あまりにも強い刺激に怖くなる。
枕に頭を押し付け、タローさんん、と叫んだ。
助けて欲しい。
この恐怖から抜け出したかった。
「かお、見えな、こわ、いよお」
甘えるみたいに訴え掛けた声は震えてしまう。
宥めるように背中を濡れた感触が辿る。
舌で舐められたところから、ぞくぞく、と這い上がってくる得体の知れない感覚に、セックスをしているのだと強く意識してしまう。
「キィ君は甘えん坊さんだね」
愉しそうに告げて、背中の皮膚を吸い上げられる。
顔を見てしたいと訴えたつもりだったのに、その願いは聞き入れられずに、後ろから焦らすようにゆっくりと腰を回された。
「ひんぅ、っ、ンァ、あ、っ、もっ、タロー、っっ、さ、んぅ、っ」
「んー? そんなに顔見たいの? でも此方の方が楽でしょ?」
背中の皮膚を舌でなぞるタローさんに枕に押し当てた顔を少し上げ、視線だけを投げる。
優しく頭を撫でながらも、緩慢な動きで、ずちゅん、と雄芯を押し込まれた。
「くるっ、しくても、いっ、い、から……顔、見た、いよ。……おねが、い」
込み上げてくる涙を我慢出来ない。
ボタボタと溢れて枕を濡らした。
背中にいたお兄さんの顔がすぐ目の前までやってきて、唇を塞がれる。
そのまま頬を指先に拭われていく。
「んっ、んん、っ、ん」
舌を絡め取られ、水音を立てて互いのベロを舐め合う。
その間にも、ゆっくりとした動きで奥を穿たれ、甘い快楽の波にさらわれそうになる。
「挿れたまま此方向ける?」
息が苦しくなった頃に唇を解放された。
頬を撫でて見詰めてくるタローさんに頷きだけで返事を返す。
恐る恐る秘処に埋めた男根が抜けないようにゆっくりと片足でお兄さんの身体を跨ぎ、仰向けに転がった。
ナカで肉壁を穿つ陰茎の向きが変わり、ごりゅ、と切っ先が襞を押す。
「あっ、あ、ぁ、ソコ、っ、だ、め」
途端に走り抜けた力の抜ける感覚が怖かった。
片腕で顔を覆い隠し首を左右に振る。
「ココ、キィ君のいいとこ? てか、顔隠したら此方向いた意味ないじゃん。ほら、快感に蕩けたイヤらしい顔、見せてよ」
「ひんんん、突いちゃ、っ、や、っぁ」
手首を掴まれ顔の横に縫い付けられた。
上から覗いてくるお兄さんは意地悪な顔で口端を上げている。
ゆっくりと腰を引かれ、先程の場所を強く打たれた。
あまりの気持ち良さに、心が一杯になってまた涙が溢れていく。
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