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一章:援交とタローさん

性交はイコールで愛になるか 09

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堪らなくて訴えれば、我慢して、と耳元で囁かれた。
僕はコクコク頷いてお兄さんの腕の中で体を縮込ませていた。


 脇腹から太股にとスポンジは滑り、ふくらはぎまで両方洗われた。
お兄さんの腕が視界から消える。
不安に思うも、すぐに背中にスポンジの感触を感じ、ホッとした。
背中をまんべんなく擦ると、腕と脇に移り、お尻の双丘を撫でるようにして洗うと、足裏を擦られる。
最後に残ったのは、恥部だけで、其処は期待するように僅かに大きくなっていた。
何故だろうか、今まで何度も男と体を繋げてきたのに、見られるだけで酷く恥ずかしい。

「みっ見ないでよ」
「見なきゃ洗えないでしょ」

つい口を吐いていた台詞に、彼はくすくすと笑った。
スポンジを絞り泡を掌に纏わせて、僕のソレを両手で包み込む。
イヤらしくない触れ方で、彼は此処ではしたくないのだと察したが、僕は体が熱くなるのを止められずにいた。

「もっ、イイよ。洗うのおしまい!」

優しく擦られて芯を持ち始めてしまうのが嫌で、お兄さんを見上げて訴えた。
彼の目にも欲情の色はあったけれど、笑って頷いてくれた。

「そうだね。俺も我慢出来なくなりそうだから、続きはベッドでしようか」

お兄さんは手を離して、身体中の泡を洗い流してくれた。
僕も彼を洗おうと意気込んだのだが、頭を叩かれて先に上がっているように諭されてしまう。
僕は渋々と浴槽から出て、タオルに手を伸ばす。

「ベッドで待ってて。すぐ行くからさ」

水滴を拭っていると声が掛けられた。
僕は「うん」とだけ返し、タオルを籠に入れて、彼の用意してくれたTシャツに腕を通す。
ブカブカでワンピースのようになってしまったので、半ズボンにインして着た。
半ズボンとは言いつつも、子供の僕には大きくて、ふくらはぎの真ん中辺りまではあるようだった。
ウエスト部分がゴム仕様で助かったように思う。
出ている紐を、ぎゅっと引いて縛った。
何とも一昔前の格好な気がして嫌になったが、他にはないのだろうしと諦めてベッドに向かう。


 引き戸を引いてベッドに背中からダイブする。
大の字で天井を見詰めた。
お風呂の方から水が流れる音がする。
お兄さんのことを考えると、胸が苦しくなった。
ゴロン、と転がり俯けになると、片頬を枕にくっ付ける。
これからお兄さんの肌に触れて抱き合えるのだと考えたら、苦しいのに体は熱くなって、吐息が溢れた。
紛らわそうと足をバタバタさせる。
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