性教育はコッソリと

一章：教育されてます！

作家様は大学生 24＊

神流の指がローターを置き去りにして抜けていく。
その手は羽李の腕を掴み、無理矢理に立たせる。
足がガクガクと震えている羽李のパンツとズボンを上げて、何事も無かったように未だにそそり立つ屹立をしまう。
当然だが、勃起したままチャックを締めるのは痛みを伴った。
眉を潜める羽李など無視し、神流は洗面台に置きっ放しにしていたローションをポケットにしまい、悠然と手を洗っている。

「神流。このまま、ムリ。俺、動けない」

そんな神流の背中を見詰めて涙目になっている羽李は、立っているのもやっとで、前屈みで壁に手を着いていた。
息は上がり、頬も紅潮している。
縋るようにして神流に訴えるも、神流は洗った手を拭きながら、羽李に宣った。

「大丈夫ですよ。淫乱な羽李さんのことですから、本当は嬉しいんでしょ？　こんなに大きくさせて、玩具がそんなに好きですか？」
「ぅあっ、ムリ……だってば！」

唐突に布を押し上げている部分を拳で擦られた。
愉し気に歪む神流の表情を見て、羽李の頬を涙が伝う。
それでも、快感を感じている己に嫌悪感が募った。

「ほら、行きましょう。掴まって良いですから」

神流に促され、彼の腕にしがみ着くようにしてどうにかトイレを後にするのだった。




　個室に戻ると、頼んでいたサラダと串ものが置かれていた。
もじもじと股間を手で隠して奥の席に座る。
体勢が変わる際に痛みが走ったが、どうすることも出来ずに顔を歪めた。


　神流は始終嬉しそうに笑顔だ。
羽李の向かいに座り、用意されていた取り皿を羽李の前に置いた。
食事どころではないが、許してくれる神流でもない。
この二日で神流の異常さは良く解った羽李である。
諦めなのか、息を整えるためか、深呼吸をすると、サラダを取り分け始めた。

「震えてますよ、羽李さん。僕がやりましょうか？」

体内に残る異物と股間を拘束されているせいで上手く体を動かせない羽李を見て、優しい言葉を掛ける神流だが、その実、この状況を愉しんでいた。
表情はほくそ笑んでいる。

「おまっ、愉しんでるだろ！？」

きっ、とつり目気味の双眸で睨み付ければ、神流の指は羽李の頬に伸びていく。

「ええ、とっても愉しいですよ？　だって、ずっと夢見ていた先輩が、こんなに近くにいて、可愛い姿を晒している。愉しくない筈がないでしょう？」

うっとりとした眼差しを向けながら、神流の指が羽李の頬を撫でさする。