Drug Crazy.

Neu(ノイ)

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一章:学園の闇

謎の同級生 03

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「あんたら、朝っぱらからようやるわ。悠理、雷紀が瀕死状態だから、離れな」
「あー、あやちゃん! おっかえり、あやちゃん、おかえりーっ!」

不意に、女性にしては低い、アルトの声が響いた。
悠理はその声を聞くやいなや、水紀を振り切り、あやと呼んだ女性に飛び付いた。


 其処には、少年と少女がいた。
少年は、優等生と呼ばれるに相応しい立ち居振舞いに容姿を持っている。
黒ぶち眼鏡は、優等生キャラと切っても切り離せない関係なのか、彼もまた、大きな目に黒く縁取られた眼鏡を着用している。
柔らかい雰囲気はそのままに、人の良さと頭の良さを演出していた。
彼は藤沢 勝(フジサワ マサル)、優等生キャラ兼お兄さんキャラを担当している。
時には父のようでもあるが、普段は兄のような存在で、まとめ役でもあった。


 そして、あやと呼ばれた少女は、お姉さんのような存在だ。
彼女は、意思の強そうな眼差しに肩まで伸ばしたショートな髪が相俟って、ボーイッシュな雰囲気を醸し出している。
名を鈴原 あや(スズハラ アヤ)と言う。
時に姉のように優しく、時に母のように厳しく、勝と共にまとめ役である。
そんな二人、勝とあやは、彼氏と彼女になって二年の間柄だ。
おとんとおかんのようなキャラが抜擢され、文化祭での劇では、子持ち夫婦を熱演した、高校生にして既に熟年夫婦のような落ち着き安定感を持つカップルなのだ。


 あやは悠理を受け止めるも、横に流すという大技を披露しながら、つかつかと顔を伏せる雷紀に近寄った。

「起きろ、雷紀。会議を始めるよ」
「会議って、仰々しいよ、あやちゃん」

にこにこと笑って事を見守っていた勝が、漸く口を開いた。
苦笑が滲んでいる。


 雷紀は顔を上げて四人を見回した。
中学から一緒の彼等は、仲が良い。
人間と群れたがらない雷紀に何かと絡んでくる、やっかいな集団だ。
嫌いではないが友人でもない。
それが雷紀の中での、彼等の立ち位置だった。

「遅れて来て偉そうだな。何だよ、話って」

ぶつぶつと文句を口に乗せつつも、雷紀は真剣な顔を向けた。

「水紀君には軽ーく話したと思うけど。今……と言うか、何年か前から、学校で噂が流れているのは、知っているかい?」

勝が口火を切る。
あやと水紀は知っているのか、首が縦に動いた。
悠理の首は横に振られる。
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