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一章:傲慢王子は呪われ奴隷を飼う
奴隷と水浴び 18*
しおりを挟むただ絶頂を目指して脳髄はドロドロに蕩けてしまっていた。
「っ、ん……一緒に、出すぞ」
ぐりっ、と先端を親指に押され、メシアは全身をビクつかせ、シヴァの腹と性器に気を放ってしまう。
と同時に自分の腹部と陰茎に、どろり、とした熱い液体が降り掛かるのを感じた。
眉間に皺を寄せて体躯を震わせる青年もまた吐精したのだと認識し、メシアは我にと返る。
「あ、ぁ、あ、っ、っ! 綺麗にしないと、早く」
真っ青になる顔は呆然とシヴァを見上げ、ワナワナと震える唇がうわ言のように呟いた。
どんっ、と青年の胸板を押し遣り上体を起こし、シヴァの腕を掴んで立ち上がり、泉の中にと先導していく。
水に体躯を沈めると、ざばり、と水面が揺れる。
メシアに引かれるがままにシヴァも後に続いた。
「お前、まだ感染ると思ってんのか。何ともないだろ? ちゃんと見ろ」
腕を引っ張り全身を水中に浸からせようとするメシアを逆に腕の中へと抱き込みキノコのような髪を撫で付ける。
途端に暴れ出すメシアを力で捩じ伏せ両頬を手で挟み込み額同士をぶつけた。
「そっ、そんなの、っ、わか、んない、だろっ! 王子が、っ、呪われたら……嫌だ! 僕のせいで、っ、誰かが死ぬのは……もう、嫌だよ」
ひぐっ、としゃくりあげながら涙目でシヴァを睨み付け拳で彼の胸を何度も叩く。
頬に触れるシヴァの手が温かい。
他人の温もりなど求めたりしないと心に誓ったと言うのに、シヴァの温かさが胸に染みていく。
堪えようとしても耐え切れなかった涙が溢れ青年の手を濡らす。
ひううぅう、と噛み締めても飛び出す嗚咽が憎らしい。
泣き顔など見られたくないのに、固定されていて顔を背けることも出来なかった。
「お前のせいじゃあ、ないだろ。例え呪いのせいで人が死んだとしても、悪いのは呪った人間だ。メシアが責任を感じることではない」
強い力に抱き竦められ耳元であやすように喋るシヴァにしがみついてしまう。
敬愛する叔母にも同じことを言われた。
その言葉にメシアがどれだけ救われたか解らない。
「ごめ、なさい。すこ、っ、し、だけ、っ! ちょ、っ、と、だけだから、……許して、っ!」
他人に縋るのは駄目だとか。
他人に甘えてはいけないだとか。
そんな自責の念より強く湧き上がった、触れたい、触れて欲しい、という欲求がメシアの身体を動かしていた。
震える腕がシヴァの背中に回り、額をスリスリと彼の胸に擦り寄せている様は、まるでネコのようだ。
罪悪感に苛まれながらも、心が満たされていく感覚が心地良い。
「メシア。明日も此処にいるか?」
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