13 / 13
一章:キチガイ×ヘンタイ
俺を変態だと吐かすお前の方がキチガイな件 12
しおりを挟む「俺は、本気で睦呀のこと愛してるから。だから、ムウに触れたいし舐めたいし、イヤらしいこともしたい。今は好きじゃなくてもいいよ。ムウの性癖を満たしてあげる。……なあ、俺のこと、嫌いにならないで。ムウの傍にいることを、許して欲しい」
感情を押し殺しても殺しきれない切ないモノを感じて、俺は雄仁の背に腕を回していた。
首筋に額を押し当てると、ぐっ、と力強く抱かれる。
「俺は別に、お前が男でも女でもどうでもいいし、同性愛者でも気にならない。受け入れるとかそういうのは抜きにしてだけど。傍にいたけりゃいればいい。面倒なことは嫌いなんだよ。アレコレ考えるより、自分のしたいことしてる方が楽だろ。俺は、雄仁のこと尊敬してるし、キチガイでマジすげぇって思ってる。仕事一緒にしてて楽しいし、離れたいとは思わない。解ったらさっさと続き、しろよ」
とくとく、と重なった体から雄仁の鼓動が響いている。
心地の良い心音だった。
押し当てた顔を離し、艶やかな瞳を見上げた。
「ムウの褒めポイント、いつも思うけどホント謎よね。可愛い」
ふわり、と綻んだ綺麗な顔が降りてくる。
可愛い要素など自分では何処にも見当たらないが、この男のスイッチを押してしまったようで、額に眉間に眦に鼻に頬に、と顔中に口付けてくる。
あまりにも優しく触れてくるので、抵抗する気も失せ、されるがままにしていると、熱い眼差しを向けられていることに気付いた。
潤んで欲をみせる眼に見詰められ、何処か胸の奥がざわめく。
その感情に名前はなかったが、酷く息苦しく胸が詰まる。
「な、なんだ、よ」
「好きだ。好き。好きだよ」
思わず上擦った声を上げれば、切羽詰まった「好き」が降ってきた。
小さく体を震わせている雄仁は、あまりにも痛ましくて俺はどうしていいのか解らなくなる。
そろり、と伸ばした片手で手入れの行き届いた綺麗な髪を撫でていく。
「もっ、わかったから。それ以上、言わなくていい。嫌いにならないし、俺はお前の傍にいる。大丈夫、だろ?」
こつん、と額を押し付けて笑った。
きっと不安が募ってしまったのだと俺は解釈し、もう一度離れたりしないと告げていく。
「俺、何を奪われても仕方無いって諦めてきたんだ。妹と幼馴染さえいてくれたら、俺の人生、他には何も要らなかった。でも、奪われるの解ってんのに、睦呀のことが欲しくて堪らない。巻き込んで、ごめんな」
全く話の見えない内容に口を開くも、そっ、と押し付けられた唇に言葉は出ていかない。
くちゅり、と水音を立てて舌が入り込んでくる。
舌と舌が触れ合うと下半身に快感が走った。
0
お気に入りに追加
17
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。




久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる