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一章:キチガイ×ヘンタイ
俺を変態だと吐かすお前の方がキチガイな件 09
しおりを挟む親指と人差し指に挟まれ、ふぐう、と声が漏れ出た。
雄仁の指に舌を嬲られ苦しい中でも、時折、肉を爪に擦られ、ぞくり、と淡い快感が脊髄を貫く。
細く美しい指を嬲りたかった筈が、逆にその指に嬲られている。
怒りは不思議と湧いてはこない。
雄仁の指になら、嬲るでも、嬲られるでも、どちらでも構わないと思えてしまう。
指に捕われて自由に動かせない舌先が痙攣するように、びくびく、と動く。
開けっ放しの口端から、たらたら、と零れ落ちる唾液を雄仁の舌が舐め取っていくのを享受した。
「しゃぶりたい?」
静かに問われ、どうにもならないぐらいに下半身に血が集まっていくのが解る。
性的に触られもしない内から感じていた。
羞恥を自覚するより前に正直な体躯は動いてしまう。
無言で頷く俺に薄く笑った雄仁の指が舌から離れ、目の前に突き付けられる。
「上手にしゃぶれたら、もっといいことしてやるよ」
雄仁の瞳にも欲情の色を見付け、知らず知らず俺は唾を飲み込んでいた。
男に支配されている事実を嫌悪としてではなく、身体の疼きとして捉えてしまう。
雄仁が女みたいに綺麗だからいけない、と八つ当たりのような、言い訳のような、そんな言葉を胸中で呟き、眼前の指に舌を這わせ口内に含んだ。
吸い付くと、くちゅり、と淫猥な音が響く。
皮膚とは違う硬質な爪の表面を舌先で撫でると、つるり、としていた。
ケアをしているのだろう雄仁の爪は、ひんやり、としていて、滑らかで、俺の興奮を最大限に高めていく。
今まで出来なかったことをしているのだという得も知れぬ高揚感がそのまま快感にとなってしまう。
「ムウ、指しゃぶってるだけなのに凄いことになってるわよ? このヘンタイ」
急に女口調に戻った雄仁に詰られ、熱い息と共に指から口を離した。
パンツ一枚で指をしゃぶり股間を滾らせている。
テントを張った布地は濡れて染みになっていた。
涙目で雄仁を仰ぎ見る。
異常だと解っていても、身体が火照ってどうにもならない。
「ゆ、う、っ、じん! お、れ」
太腿を擦り合わせモジモジとしてしまう自分を気持ち悪いと思うも止まらない。
どうしていいのか解らずに目の前の男に助けを求めたかった。
「どうして欲しいの?」
雄仁の細まった双眸が俺を捉えている。
唾液に濡れた指に唇を辿られ体躯が、ふるり、と震えた。
優しく問うてくる声は中性的ないつもの声色だった。
男なのか女なのか解らない雄仁になら許されるような気がした。
女性にして欲しいと思いながらも頼めなかったことも、雄仁ならば受け入れてくれると自分勝手な欲に支配される。
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