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一章:キチガイ×ヘンタイ
俺を変態だと吐かすお前の方がキチガイな件 06
しおりを挟む好きになれるのかどうかも解らないのに交流を持つのは中途半端に相手を期待させてしまう残酷な行為かもしれないと思った。
雄仁は、くすり、と笑い「馬鹿ね、ムウは」と口では馬鹿にしながらも、見詰めてくる目は優しい。
「それって、男女でも同じことでしょ? ムウは余計なことは気にしなくていいのよ。アタシがアナタと過ごしたいだけなの。友人程度の気楽な気持ちで構わないわ。アタシのことを知った上で友人止まりなら、それも仕方ないことでしょ。現に初恋の人には親友でいて貰いたいって振られてるし。アタシも納得して親友を続けてる。まあ、ずっと引き摺ってはいたけれど」
至近距離にあるスッピンでも美麗な顔が、髪を掻き上げながら遠ざかっていく。
眉尻を下げた悲し気な雄仁の表情に、彼がどれだけ初恋の人を大切にしているのかが伝わってきた。
好きだと言う気持ちが叶うことがないと解っているのにも関わらず、親しく傍にいることを望まれ、それを叶えると言うことが、雄仁にとっては生殺し状態だと恋愛事に疎い俺でも解る。
そして、それだけ彼が初恋の人を大事にしていると言うことも同時に胸に刻まれた。
雄仁がベッドから降りると、パンツ一枚の均衡の取れた裸体が現れた。
いつもは華麗なシャツに隠されている肉体は、俺が思うよりも男らしかった。
割れた腹筋は6つに分かれ筋に沿って陰影が出来ている。
まるで美術の課題で描かされた彫刻のようだ。
思わず見惚れていた俺に、雄仁は顔を近付け笑った。
さらり、と彼の顔に落ちる髪からは爽やかな香りがする。
地毛なのか、と呑気に納得していると頬を撫でられた。
「服、着ても良いかしら? 流石にこの姿で指を愛撫されたら、余計なことしてしまいそうだもの」
「へっ、へへへ、へっ、変な言い方すんなよ! 触って舐めてしゃぶるだけだろ」
困ったとばかりに眉尻を下げ肩を竦ませてみせる雄仁に頬をムニムニと突付かれ、声が変に裏返ってしまう。
一々言い方がイヤらしいと感じてしまう自分が嫌で、八つ当たりだとは解っていても、彼を睨み付けてしまった。
「……ムウ。世間では其れを愛撫と呼ぶのよ。勢い余ってアナタのジュニア君を触って舐めてしゃぶってもいいならこのままでも全然構いやしないけど」
睨まれているのにも関わらず、何故か雄仁は嬉しそうに口端を持ち上げて笑う。
そして、手をゆっくりと下に降ろしていく。
腹筋を指先で、つつつ、と撫でられ、擽ったさに身を捩らせる。
臍の辺りに到達した指で腹をトントンと叩かれ、彼の顔を見やると、雄仁は自身の唇を、ぺろり、と舐めた。
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