親友ラバー

Neu(ノイ)

文字の大きさ
上 下
15 / 49
一章:親友の異変

自室集合 05

しおりを挟む


「そうだな、そうだった! カイっちを楽しませる任務だった! カイっちは何が好き?」

ぽん、と掌を打つと、健は和志の肩越しに誡羽をジッと見詰めてくるのだった。
困るのは誡羽である。

「え、いや、別に。特にこれといってない、けど」
「んん? そっかー。いつもは佐倉の兄ちゃんと何してるの?」

一度は納得する健だったが、食い下がってきた。
誡羽は記憶を探る。
目を上にやり考えた。

「話したりするぐらいかな。後は勉強を教えて貰ったり? 僕、あまり勉強出来ないし」
「おお、カイっちは真面目っ子だなあ! 俺なんか、宿題も良く忘れるのに」

健はゲームの配線をテレビから外しながら、感心感心と頷いていた。

「健は少し見習った方が良いよ。誡羽君もなんか言ってやって」

そんな健を見て、和志は肩をすくませる。
正直言うと、保護者に見えた。
和志とは部活が一緒だが、やはり彼は面倒見が良い男のようだった。

「そうだね、勉強はした方が良いかな。今度一緒に勉強する?」
「カイっちまでそんなこと言わないでよ! 勉強すると、頭痛くなって熱出るしっ」

うぅ、と唸る健は、やはり犬に見える。
小型犬だ。

「確かに、健は良く知恵熱出すからな。難しいね」

和志が腕を組んで考え込んでいる。
知恵熱とは、また厄介である。

「知恵熱って、小さい子がなるんじゃ?」

誡羽が首を傾げれば、何故か誇らし気に健が頷いた。

「俺ね、昔から難しいこととか考えると熱が出るんだ。テストの時とか大変なんだよね」

うんうん、と首を何度も縦に振る健。

「だから、勉強も出来ないんだ! それでOK!」

にっ、と口端を上げて続けて宣う健に、和志は額を片手で押さえた。
保護者が大変なのは、どこも同じようだ。

「健。光輝に教えて貰えば大丈夫なんじゃないかな?」

思い付いたように告げられた和志の言葉に、健の表情が一変した。
ぴくり、と強張っている。

「いや、その。それは。勘弁して欲しい、デス」

そして、最終的には、しゅんと肩を落としてしまう。
あんなにも慕っている光輝に勉強を見て貰いたくないとは、不思議なこともあるもんだと思う。
和志は何故だか嬉しそうに目を細めている。

「光輝は何だかんだで厳しいからね。僕が教えてあげるよ」
「うう、勉強は嫌だけど。佐倉の兄ちゃんより和志の方がまだマシ! 容赦ないんだよ」

光輝と勉強をしたことがあるのだろう。
健は思い出すだけでも頭が痛くなると頭を抱えている。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...