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一章:可愛いキノコ、愛しい殺人鬼
秘密の関係 96*
しおりを挟む「し、しば、さん。司破さん。司破さ、っ」
何度も司破の名を口に乗せ、明紫亜の腕が司破の首に回される。
「いれ、て……くださ、い」
今にも泣き出しそうに眉尻を下げ眉間に力を込めた顔で強請(ねだ)ると額が司破の肩口に埋もれた。
はふう、と深く息を吐き出しながらグリグリと頭を捩じ込むように押し付けている。
謎な行動ではあるが、落ち着くのか明紫亜の身体の震えは治まっていた。
「挿れるぞ」
アナルプラグを持つ片手を双丘の狭間に忍ばせ、入口を探る。
菊門を指先で辿ればヒクンと蠢く。
「メシア。俺のことだけ考えて」
耳元に囁きながら玩具の先端を押し当てた。
ひゅっ、と明紫亜の喉から苦し気な息が漏れる。
片手で彼の髪を撫でると「うぐぐぐぐ」と獣のように唸り始める。
「だ、だいじょぶ、です。司破さ、ん……好き、です。好きだよ。どうにもなんないぐらい、好きなの。愛してます」
好きだと連呼する彼の顔が肩から外れ、下から覗き込まれた。
目尻を赤く染めた潤んだ瞳に見詰められ息を止めてしまう。
乱暴にアナルブラグを突き入れてぐちゃぐちゃにしてしまいたい衝動をグッと堪えた。
「お前な。あんまり煽るな。理性が保たない」
「ぼっ、ぼく、煽ってなんか、ないです。好きって、言ってないと……こ、怖くて、っ」
ふんぐう、と鼻息を荒くする明紫亜の頭が左右に揺れる。
怖いと漏らす震える唇を塞いでいた。
薄っすらと開かれた狭間に舌先を潜り込ませれば、明紫亜の舌が伸びてくる。
互いに絡め合わせながら押し当てた玩具をグッと中に押し込んでいく。
ぐちゅ、と音を立て無機質な先端が呑み込まれた。
「あ、っ、はいっ、てく、る」
「もう少し挿れるぞ」
唇を離せば明紫亜の口からはうわ言のような呟きが溢れ落ちる。
入口で回転させつつ少しづつ奥に進ませる。
はあう、と息を吐き出す明紫亜の目蓋が綴じていくのを目にゆっくりと全てを埋め込んだ。
「全部、入ったぞ」
太い部分を呑み込むと後は吸い込まれるように埋まっていったプラグは、持手の輪っかだけが穴から飛び出ている。
「ひぁっ、ぁ、っ、やだっ、ソレ、っ、は、っっ、こわ、い」
輪に人差し指を掛け、ずるり、と抜け落ちるギリギリまで引き摺り出し、また奥まで押し込むと、明紫亜が必死な形相で首をイヤイヤさせ、顔を両手で覆い泣き出してしまった。
「悪い。もうしない。動かさないから怖くないだろ? 大丈夫だ」
「もっ、……抜いて、ほし」
ひぐ、と嗚咽混じりに訴えてくる明紫亜を宥める為に髪を撫でる。
手の隙間から涙目を覗かせる明紫亜に首を振った。
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