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一章:可愛いキノコ、愛しい殺人鬼
秘密の関係 95*
しおりを挟む強引に事を進めておきながら、何だかんだ最終的には明紫亜の意思をこうして尊重してくれることに、胸が熱く滾る。
愛されているのだと認識して泣きたくなった。
この愛を受け入れる資格が自分にあるのかとネガティブになる一方で、手放すことなど出来ないと解っている。
「ぼ、く。……試して、みます。し、司破さん、だから。だ、だい、大丈夫。無理だったら、本気で抵抗します」
深呼吸を数回繰り返し、ぎゅう、と目蓋を閉ざして頷いた。
「そうしてくれ。殴るなり蹴るなり噛み付くなりしろよ? 気持ち良いことしかしないから大丈夫だ。力抜いて、俺のことだけ考えてろ」
ゆっくりと指を引き抜かれ、後孔が物足りないと言うようにひくついてしまう。
コクコクと上下させた首を横に倒し、うっすらと目を開け司破に視線だけを向けた。
司破の掌に乗るのは、一番小さなサイズの黒いアナルプラグだ。
先は細く、進むにつれて太くなり、一番太い箇所を過ぎるとまた細くなっていく。
形状はメーカーやシリーズによりバリエーションがあるが、此処にあるのはスタンダードなものだった。
浣腸や腸内洗浄の際に液体が漏れないように穴を塞ぐ用途で用いられることが多いが、アナルを拡張するのにも使われている。
明紫亜の後孔にローションを多めに垂らし、穴に馴染ませてから指を二本挿入させ、ナカに液体を含ませた。
慣らした其処はすんなりと呑み込んでいく。
息の荒くなる明紫亜の両目は固く綴じられている。
指を三本に増やし出し入れを繰り返すと、しとどに濡れた猥路の強張りが柔くなり、明紫亜の首が左右に揺れた。
はふ、と吐き出される吐息が煽情的に耳へ届く。
「メシア。深呼吸してて。大丈夫だから」
指を引き抜くと、ぬぽん、と菊門が音を立てひくついた。
司破の優しい口調に明紫亜の綴じられている目蓋が僅かに持ち上がり「司破さん」と名前を呼び、また眼を閉ざしてしまう。
司破の掌の上に乗った小指程の長さのアナルプラグにトロトロとローションを垂らし塗り込んでいくと、ぐちぐち、と卑猥な音が響いた。
切っ先を後孔に宛行(あてが)うと明紫亜の太腿が震え出す。
力が入っているのか上手く挿入っていかない。
キツく眼を閉ざしている明紫亜に苦笑を溢し、彼の震える太腿を指で辿りながら言葉を掛ける。
「メシア。目ぇ開けてちゃんと俺を見ろ。ほら、お前を触ってるのが誰なのか言って」
足の付け根の際どい部分を指先でなぞる度に明紫亜の体躯が跳ねる。
薄っすらと開かれた瞳を確認し、上体を伸ばすと明紫亜の額にコツリと額を合わせ至近距離で見詰めた。
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