あべらちお

Neu(ノイ)

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一章:可愛いキノコ、愛しい殺人鬼

秘密の関係 88*

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感じ入ったところに、もう片手が伸びてきて乳首を弄られた。

「気持ちイイと怖くて、怖いけど気持ちイイんだろ? 気持ちイイから怖いのも我慢したい。逆に怖いのを誤魔化したくて快感に逃げたい。……お前はずっと同じところをぐるぐるしてるな。だから学習能力がないんだよ。メシア、物事の本質は目を逸らしているところにあるもんだ。セックスしたいなら恐怖に打ち勝て。自分自身と向き合えよ。答えは自分の中にしかないぞ」

抑揚なく告げる司破の手は止まらない。
快楽を明紫亜に与えているのに、彼の言葉に色気はなかった。
核心を突かれているのは解るし、ちゃんと考えなくてはいけないことなのは理解していて、それでもペニスを扱かれている上に、片側の乳頭を指先に捏ねられている状況では、そちらにばかり意識が向く。
頭の中が「気持ちイイ」で埋め尽くされていく。
その感覚が心地良くもあり、怖くもある。

「ふぁ、ゃっ、ん、ん、っ、んぁ、っ、あっぁあ、司破さ、っ」

ヒクヒクと口を蠢かす鈴口からは透明な雫が溢れ、刀身を濡らし、司破の手が動くのに合わせて、グチグチと淫猥な音を響かせている。
聞くに耐えなくて顔を両手で隠した。
恥ずかしさに悶え死にそうになる。

「変えられない過去に縋るぐらいなら、粉々に壊してやれよ。抗ってみせろ。良い子なんかやめちまえ。自分の未来はテメェで掴むもんだろ。覚悟が足りねぇんだよ、お前には」

大事なことを色事の最中に言う司破に段々と怒りが湧いてくる。
頭が働いている時ならば、その言葉を参考に答えを導けるのに、使い物にならない頭はイクことしか考えられないのだ。

「もっ、ぉ、っ、っっ、し、ばっ、さんの、……ンァ、ぁ、バカ、っ、はぅう、ん」

指の隙間から司破を睨み付けると鼻で嗤われる。
わざとこの瞬間を狙って大事なことを話しているのだろう。
元来、明紫亜に聞かせるつもりなどない台詞なのだと悟った。

「そんなんだから、杉木に付け込まれるんだよ。さっさと過去にケリつけて言ってやれ。俺に愛されて幸せだ、ってな。今はまだ待っててやるが、あんまり待たせんなよ?」

眉間に皺を寄せて怒った表情をみせているのに、司破の言葉は切ない響きを持って届く。
今日、杉木と何かあったのだろうか、と考えられたのは其処までだった。

「ひぅうっ、っ、やっ、舐め、っ、あっぁ、っ、あ、そん、な、っ、あぁ、っ」

ぬちゃり、と陰茎を湿った感触に覆われる。
司破の顔が明紫亜の股間に埋められていた。
舌が裏筋を下から上に舐め上げ、雁首を辿って敏感な亀頭を突付かれる。
ぐちゅり、と音を立てて咥え込まれた。
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