あべらちお

Neu(ノイ)

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一章:可愛いキノコ、愛しい殺人鬼

秘密の関係 83*

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むくむく、と湧き上がってくる恐怖が明紫亜の体躯を震わせていく。


 明紫亜の発した懇願に何の返答も返さず、司破は上目で明紫亜を見詰めていた。
そのまま司破の歯が強く乳頭に食い込み、痛みを感じたところに吸い上げられ、ジンジンとした痛みの中に、きゅうう、と切なくなる気持ち良さを感じた。
指が撫でている方も爪で転がされ、痛みしか感じない筈なのに、ムズムズと尖りが疼いてしまう。
もっと其処に刺激が欲しくなる。


 無言で胸を嬲る司破の片手が明紫亜の股間を撫でる。
制服の上から屹立を指先で辿られる感覚に「ひゃ、ぁ、あ」と甘い声が飛び出した。
柔く勃ち上がり首を擡げてズボンの前を押し上げている。
親指の腹が亀頭部分をゆっくりと撫でていく。
思わず息を詰めて司破の肩口にグリグリと額を押し付けた。

「どうする、メシア? 脱がないと汚れるぞ?」

ぐりぐり、と敏感な先端を抉るように擦られ、快感が体中を巡って堪らなくなる。
意地悪く問い掛けてくる司破の首へと腕を回しながら肩に歯を立て、熱い息を吐き出した。

「ぅん、ん、っ、脱が、せ、て? 司破、さ、っ、きも、っ、ち、いっ、い」

鼓動が五月蝿く跳ねている。
司破にしがみつく腕に知らず知らず力が籠った。


 ただ彼の愛を享受したいと思うのに、異常の介在しない愛が恐ろしくて明紫亜の心を締め上げる。
司破の与えてくれる愛は、きっとどんな形でも明紫亜を幸せにしてしまう。
正常も異常も関係なく幸せになってしまう。
それならば、恐れるだけ無駄なのだ。
抵抗したところで、明紫亜に勝ち目はない。
司破の存在を感じるだけで幸せになってしまうのだから、逃れようもない。
諦めて彼に溺れてしまおう、と心の何処かで覚悟が決まった。


 司破の手がベルトのバックルを片手で外す音が響いてくる。
そっ、と目蓋を閉ざすと耳元で「メシア」と名前を呼ばれた。
何処となく切なく聞こえた低い声は、それ以上何かを言うでもなく、ただ「メシア」と繰り返し囁いている。
手早くベルトが引き抜かれ、前合わせの釦が外され、ジッパーが下ろされた。

「腰上げて」

耳朶に舌の感触を感じる。
吐息が掛かって擽ったい。
その中にも、ぞわぞわと体を走る違和感に体躯が震えた。
それでも足を踏ん張り腰を僅かに上げる。
制服のズボンが足から抜けて、用済みとなったそれが床に落ちていくのを目で追っていた。

「司破、さ、ん。ぼ、く……」

これからどうなるのか、不安で心細くなる。
必死で司破の肩口に額を擦り付けた。
縋りたいと思うし、縋ってはいけないとも思う。
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