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一章:可愛いキノコ、愛しい殺人鬼
凹凸の巡り合わせ 32*
しおりを挟む「ひ、っ、っ、ぁ、あ、それ、したらっ」
目の前がチカチカした。
欲望を擦る動きも速くなっている。
亀頭が擦れ合って、また強く首に歯が食い込み、体がびくんびくんと痙攣して足を突っぱねた。
首が反り返って顎が上を向く。
ひぅぅ、と唇を噛み締めて、吐精する衝撃に耐えた。
ぴゅくぴゅく、と白濁を垂れ流す亀頭に司破の陰茎が押し付けられて、彼も明紫亜の腹に精を吐き出した。
枕元のティッシュ箱に腕を伸ばし、ティッシュを数枚取った司破に汚れた股間を拭われていく。
パンツとズボンも元通りにして貰い、こそばゆくて明紫亜ははにかんだ。
上体を起こして、自分の体を綺麗にしている司破を凝視すれば、明紫亜の口がおずおずと開いていく。
「今日のは、擬似プレイ、じゃ、ない、ですよね? あの、僕、こういうの、も、嫌じゃ、ないです」
ベッドから立ち上がりベルトを締める司破の瞳が明紫亜に向いた。
ふっ、と笑う顔は、矢張りいつもより優しくて、明紫亜は俯いてしまう。
「そう。また、するか?」
ぼふん、と司破の手が頭を撫でていく。
コクコクと必死で頷くと、ははっ、と笑う声が聞こえてきた。
「ケツも触るぞ?」
意地悪く言われた言葉に俯いたままで、「はい」と頷けば、また髪をくしゃくしゃにされる。
「ああくそ、キノコの癖に」
いつもの悪態と共に頭を抱き込まれていた。
司破の厚い胸板に額をあてて、甘えるようにぐりぐりと頭を押し付ける。
「スマホ、貸して」
体を離されて、見上げた司破は、もういつもの無表情に戻っていた。
はーい、と返事をして立ち上がる。
窓際の学習机の上に無造作に置かれたスマホを手に取り、司破に差し出した。
彼は受け取ったスマホで何やら操作をしている。
「ねえ、司破さん。LINEやってます?」
「やらねぇよ」
それを視界に尋ねれば、想像通りの返事が返ってきた。
「あの、僕、使っているの、格安SIMで、かけ放題とかなくて、メールも一通3円掛かるんです。出来れば、出来たらでいいんです。LINEなら電話もメールも無料だし、もしも、司破さんがやってくれたら、僕、助かるなあ、って。ダメ、ですか?」
すっ、と差し出されたスマホを受け取り、唇に機械を宛てがうと、上目で司破を窺い、首を傾ける。
暫しの沈黙が流れ、失敗したかなあ、と明紫亜が諦め掛けた時だった。
盛大な溜息と共に、司破のスマホがポケットから取り出され、明紫亜の前にやってくる。
「解らねぇから勝手に入れて設定しとけ」
おおおおお、と感動にぱちくりと瞬きを繰り返した。
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