あべらちお

Neu(ノイ)

文字の大きさ
上 下
22 / 242
一章:可愛いキノコ、愛しい殺人鬼

凹凸の巡り合わせ 07*

しおりを挟む


「僕は、普通に幸せも感じられるし、ちゃんと生きたいとも思うんですよ。でも、それと同じ分だけ、死にたくなるんですよねー。死にたくなって、でも、生きたくて、そういうところに、なんかずっと、小さい時からいるんです」

幸せなのにねー、と首を傾けて彼の瞳を覗き込むようにして見詰め返し、くたりとした笑みを向ける。
途端に腕を強く掴まれた。

「あら、先生。どうしました?」

腕を掴んだまま動かない司破に問い掛ける。
するり、と空いている方の手が、首筋に伸びてくる。
ネクタイを片手で緩めていく様を眺めて、器用だなあと他人事みたいに暢気に考えていた。
はらり、と床にネクタイが落とされ、シャツの釦を一つ二つと外されて初めて、あれ、と疑問が湧き、開かされたシャツの隙間から手が入り込んだ時には手遅れだった。

「ちょ、せんせっ、い!? 流石に、そこ、っ、ヤバ、いですよー」

噛み跡の残る箇所を指が辿る。
絆創膏を貼ってある其処は、それでも、触れられると酷く感じてしまうのだ。
慌てて身を捩るも、そのまま逆手に取られて背後から抱き竦められてしまう。
司破の足の間の僅かな隙間に座らされていた。

「笹垣先生、あの、ホント、ッ、やめ、っ、ぁ、ふ、っ、ん」

後ろを振り向き抗議の声を上げるも、絆創膏の上から噛まれてしまい、力が抜けていく。
彼に背中を預けて体を震わせる。

「痕、消えそうなんだろ? 新しくつけてやるよ」

べりっ、と絆創膏が剥がされて、デスクの上に転がっていくのが見えた。

「うれしっ、けど……学校、ですよ?」

快感に身を任せそうになり、ぶるぶると頭を振る。
髪の毛が揺れて、司破の鼻を擽った。

「あー、誰も来ねぇだろ。ホント邪魔なキノコだな。暴れるんじゃねぇよ」
「でも、さっき、あんま、来るなって、言ったじゃん。こういうの、困るんだよね?」

頷きそうになって、ダメだと反論を試みる。
ぶるんぶるん、抵抗するようにキノコも揺らせば、背後から大きな溜息が聞こえてきた。

「……解った、軽く痕つけるだけにするから、大人しくしてろ」

耳許で囁かれて、すぐに終わるならと大人しくしたのが間違いであった。

「ひっあ、っ、ちょっ、まっ、それ、っ、だ、め……っ、っ、っ!」

ぐちゃり、と熱い唇が押し当てられ、舌が薄く残る痕を舐め、そのまま、思いっ切り、噛まれる。
歯が食い込み、痛みが這い上がってくるのと同時に、血の匂いが鼻をついた。
二度三度と、ガリッ、ガリッ、とまるで食すように噛まれて、司破の腕の中でビクンビクンと体が跳ねた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

処理中です...