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一章:不良アリスとみなしご兎
不良アリスとみなしご兎の幸せ 09*
しおりを挟む「ンアァ、ッ、しょっ、お! きも、ちっ……いっぃ! 反対も、シテっ、くれ」
俺は堪らずに口走っていた。
言った後に、言葉の恥ずかしさに気付き、両手で顔を覆う。
「カケル。隠さないで? 大丈夫だから。恥ずかしくないから。僕も、おんなじだよ。ね?」
その手を握られ、ゆっくりと剥がされる。
顔の横に縫い付けられた。
翔の顔がすぐ目の前にある。
優しい眼差しを向けられていた。
俺の足に翔の股間が押し付けられ、ゆるゆると前後に動かされた。
硬い屹立を感じた。
翔も興奮しているのだ。
ごくり、と唾を呑み込む。
俺は翔を見詰め返す。
翔の頬が弛み、ふわりとした微笑みを湛えている。
「す、きだ。好きだ、翔。お、れ……お前のこと好きだ。抱かれてもイイって、思うぐらい」
「うん。ありがと。僕も好きだよ。愛してるんだ、カケル」
目元を染めて想いを伝え、翔のいきり立つ一物に手を伸ばす。
片手でジッパーを下ろした。
手を滑り込ませ、パンツの上から握り込んだ。
翔の口から、んっ、と声が漏れる。
俺は気を良くして上下に扱いていく。
「カケル。上手だね」
俺の手を掴んでいた手が、片方外されて、俺の下半身まで降りてきた。
お返しとばかりに俺のジッパーは下ろされ、パンツの中にまで手が忍び込んでくる。
「ちょっ、ずりいぞ!」
「カケルも直に触ればいいじゃない。僕はいつでも歓迎だよ」
くすり、と笑われ、俺の闘争心に火が付いた。
ズボンのボタンを外し、弛んだ腰の部分から手を侵入させる。
「後悔すんなよ」
侵入した手に、熱を持った硬いものが触れた。
翔の屹立だ。
睨んでやるも、翔はふわりとした微笑みを返してきた。
「しないよ、後悔だなんて。嬉しくて一生忘れられないかも」
ぎゅう、と握り上下に扱く。
時折、亀頭を親指で擦る。
先端からは透明な液が零れ出し、指を濡らした。
「んっ、カケル。上手だね」
双眸を眇めたかと思えば、翔は握っていた俺の陰茎を上下に扱きながら、顔をまた胸の尖りに近付け、赤く膨れた乳首とは反対の、淡いピンク色をした乳首に舌を這わせる。
「ンンッ!? ちょ、しょう!」
「なあに、カケル? こっちもシテ、って。カケルが言ったんだよ?」
蘇る胸からの淡い快感と、ダイレクトに伝わる性器からの快感に、俺の体が跳ねる。
翔に視線をやれば、彼は可愛らしく小首を傾げて宣った。
満面の笑顔で、俺に見せ付けるようにして、乳首を舌で押しやられる。
ぐに、と形を変える乳首が、俺の目にいやらしくも映し出され、体が熱くなった。
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