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一章:不良アリスとみなしご兎
不良アリスとみなしご兎の幸せ 08*
しおりを挟む片方だけが刺激を与えられ、じんじんと疼いていた。
サーモンピンクだった其処は、赤く膨れ上がっている。
反対はサーモンピンクのままなのだから、いやらしさが際立っている。
上がる息の中で、俺は必死に声を押し殺す。
其れを解っていて翔は、わざと片方しか弄らないようだった。
「はっ、ぅ……っ……ァ、あっ」
ぐに、と歯の間で形を変えた乳首が、そのまま引っ張られる。
痛い。
痛かった。
だが、翔は目だけで笑うと、ぷっくりと赤く腫れた乳首を唇全体で包み込み吸い上げた。
舌先が絡んでくる。
痛みの後に与えられる快感は、何故だかとても強かった。
「ふっぅん、ヤ、ンぅ、っ……ハッ」
首を左右に振り耐えようとするも、触られている乳首だけではなく、腰もじーんと痺れ、頭は快楽を得ることに集中してしまっていた。
人間の悲しい性である。
生殖本能なのだろう。
ぼんやりとしてまともな考えが浮かばない。
もっと、と求めている。
脳が刺激を求めて暴れていた。
「しょっ、う! もっ、なあ」
そろそろと腕が伸び、翔の髪を掴んでいる。
俺は見下ろして懇願するように見詰めた。
翔は、れろんと突起を舐め上げ、ゆっくりと俺の目に視線を移す。
「なあに、カケル?」
静かな声に問い返され、カッと顔が熱くなった。
自分の状況が、恥ずかしいことのように感じられる。
「こっちも、して欲しいの?」
黙っている俺を無表情で見ている翔だが、瞳には熱が籠っている。
俺は一瞬躊躇するも、おもむろに首肯を返す。
翔の口角が、にいと上がる。
「いけない子だね、カケルは。男の子なのに、こんなに勃起させて、まるで女みたいに大きいじゃない。おねだりしちゃって、はしたない。期待して小さい方も勃ってるよ。どうしたのかな?」
「っ、ちが! しょうっ! お、れ」
責められている気がした。
俺は首をぶんぶんと横に振り、ぎゅっと翔の髪を掴んでいる手の力を強めた。
目尻からは訳の解らない涙が伝う。
「違うの? こっちだけで良い?」
含み笑いをしながら、翔の指先が膨れた乳首を、ぴんと弾いた。
そのまま摘まれて、ぎゅぅと上に引っ張られる。
普段ならば有り得ない程に其処は伸びていた。
「ひっあ、ぁ、あっ、ンァアアッ」
痛くて声を上げたのか、気持ち良くて喘いだのか、もう自分ですら解らなくなっていた。
引っ張られて更に敏感になっている突起に、翔の舌が絡み付く。
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