10 / 18
番外編 BLゲームの主人公事情(1)
しおりを挟む
(主人公もとい王道転校生|アンティside)
「ここが、君が明日から通うクレーター学園だよ」
そう、最近知り合ったおじさんが言う。
「ふーん」
「私はここで学園長をやっているから、困ったことがあったらすぐ連絡するんだよ」
「わかった」
事前にいろんな貴族が通っていると聞いていたけれど、豪華な建築物に負けないぐらい緑の草木が生い茂っている。
その自然の豊さは、いまは無き実家を思い出した。
「前にも説明したけど警備は厳重だけど、その代わり特殊なこともあるから気をつけて欲しい」
「はぁ。忘れてないけど、こんな変装する必要ある?」
おじさんに会うなり渡された、もじゃもじゃとした黒髪カツラと分厚いビン底のようなメガネ。
「念には念をだよ。君のことはイオから頼まれたからね」
「その名前、出さないでもらえます?」
オレが実家を無くし、この学園に通うことになった理由。
頭では理解できているけれど、憎んでいないと言えば嘘になる。モヤモヤと胸の中でわだかっている気持ちが消えない。
「君の事情を知っているのに軽率だったね。すまない」
子供の八つ当たりなのに、頭を下げたおじさん。
本来頭を下げるべき相手はここにいない。
「……べつに。おじさんはオレたちに巻き込まれているだけってわかってる。オレの言い方、悪くてごめんなさい」
自分の心に素直に。悪いことをしたと気づいたなら、謝るのよ。
母が繰り返した言葉。
「君は良い子だね」
そう言っておじさんはオレの頭をくしゃりと撫でた。
村では兄貴分としてオレにとって母以外に撫でられたことは少なく、胸がこそばゆくなった。
「そ、そんなことないし!」
「そうかい」
「ほっほら。早く部屋に案内してくれよ」
「そうだったね」
前を歩くおじさんの背中を見ながら、思い出すのはこの学園に転入した経緯だ。
オレは隣国との境にある、小さな村で育った。
小さい頃から父親はおらず、母とオレ、2人で暮らしていた。
母は地方の地方、辺境とも言える田舎に住んでいる人間にしては教養があった。文字書きなどはもちろん、知識も豊富で、よく村の人が相談にきていた。
「どこか貴族のお嬢様なんじゃないか?」
なんて、娯楽が少ない村では時々ささやかれるようなこともあった。
母は「本当に貴族のお嬢様だったらココにはいないわよ」と静かに笑っていた。
裕福とは決して言えないけれど、慎ましくも幸せな日々。
それは母が流行り病で倒れたことによって、崩れはじめた。診療所もない、地方の村。医者に診てもらうのも時間もお金も必要だった。それに2人の人間が慎ましく生きるぐらいの収入しかないのに、治療費を出すことは難しかった。母は「アンティ、気にしないで。わたしは幸せだったわ」と笑った。
それからひと月もせずに、母は亡くなった。オレは残された家で暮らし続けた。母のおかげで自活できる知識はあったし、村の人も助けてくれた。
このまま村で母との思い出とともに穏やかに過ごすのだと思っていた。
「やっと見つけた!」
突然やってきた男は言った。
「なんですか?」
「アンティだね。君のお父さんだよ!」
田舎に不釣り合いな馬車と護衛の数。すぐさま、どこかの貴族だと思った。
そして自分と同じ、金色に輝く髪を持った男。
母はよくある茶色の髪だったから、自分の髪色は父親の遺伝なんだろうとぼんやりと思っていた。でも、それだけでは信じられる内容ではなかった。
「人違いじゃありません?」
「そんなことない! あぁ、そうだ。これを見たら信じてもらえると思う」
護衛の一人と思われる人物から手のひらサイズの紙を受け取った男は、オレにその紙を見せる。
「これは…」
差し出された紙、それは写真だった。
そこには、メイド服を着た母が、男に引き寄せられるように立っていた。
「私たちは若かったし、その当時から私は権力がなくて……」
そう語る男の口から出された言葉は信じがたいことばかりだった。
男は隣国の王族関係者であったが、血筋の関係で権力は低く、貴族のような暮らしをしていた。そんな中、メイドとして働いていた母と恋に落ちたと言う。主人とメイド、許されない恋。だけど、お互いに想いを止めることができず、愛瀬を重ねた。しかし、ある日突然、母が姿を消した。
「私は結婚を考えていたんだ。だから何も言わず消えた彼女に最初は怒りを感じたよ。でも、いざ調べてみたら理由があった。私は嫌われていなかったんだと嬉しかったよ」
どこか浮世離れなズレた発言。母が死んでしまった後にならなんとでも言えることを連ねる男に嫌悪感ばかり生まれる。
「ーーそれで、いま、王家は少々揉めていてね。権力もなにもない貴族風情の私も巻き込まれてしまった。困ったもんだよ。だから君たちを保護、いや君を保護したいと思うんだ。僕のせいで死んでしまっては彼女にも申しわけ立たないから」
そう軽妙語った男は、にこりと笑う。
オレは拒むことは許されず、そのまま家から連れさられるように保護された。
「君の存在に気づいている者は少ないが、私が最も信頼できる友人に君を託すことにした。君のためだよ」
そうして引き合わされた、学園長という肩書きを持つおじさん。
父親と名乗る男のおかげで貴族という存在に嫌気が差していたが、おじさんは子供相手でも終始、懇切丁寧に語りかけてくれた。ちょっとは貴族という生き物を見直しかけたが、入学先の特殊な状況を説明されて、やっぱり理解できないと思った。
「どうしても警備のこともあって、閉鎖的だからね」
男同士の恋愛が当たり前であること、顔の良し悪しが成績のように評価されてしまうこと。
それと貴族と平民の格差。
「赤ん坊の頃から根付いてしまった考えを変えるのは難しいことだけど、すこしでも変えられたらとも思っているんだ」
オレのことは絶対、あの男に押し付けられたのだろうと思っていたが、その穏やかな中にある強さはとても惹かれるものがあった。
「…わかったよ。おじさんの学校が安全なんだろ? 行くよ」
「そうかい。ありがとう」
「なんで、おじさんが礼を言うんだよ?」
「ふふっそうだね。君は良い子だ」
◆
学園長室で様々な注意事項を受けて、一応、おじさんに渡された変装アイテムを身につける。
どんな貴族が来ようともオレは負けない。
そう気合いを入れて、指定された寮のドアノブをひねる。
「わっ! びっくりした!!」
その声で、そう言えば2人部屋だと言われていたと思い出す。
でもオレの視線は、それよりも何よりも、目の前の人物に釘付けだった。
「あ! もしかして、君が王道てnゴホンげへん、えっと今日から同室になる転校生だね! 僕はオーアマナだよ」
そう言って翡翠のような瞳を輝かせた彼は、首を傾げ月に照らされたような白銀の髪がさらりとなびかせた。
その姿はいままで出会った中で、とてつもなく綺麗で、絵画から抜け出したようで、呼吸をすることさえ忘れそうになった。
「オレ…は…アンティ・ガーデン」
「うんっ! 知ってた! あ、違う違う。聞いてたよ!?」
瞳をキラキラと輝かせながら、口を開いたり、閉じたり。その顔立ちからすれば、冷たい印象を与えかねないのに、ふにゃふにゃとよく動く表情によって温かさを生み出していた。
「ねぇ……アマナって呼んでいい?」
”自分の心に素直に”
「うぇ!? え、べ、べつに良いけど…」
「やった! ありがとう!」
憂鬱だと思っていた学園生活が、楽しみに変わった瞬間だった。
「・・・さすが主人公。距離感の詰め方、えぐい」
「ここが、君が明日から通うクレーター学園だよ」
そう、最近知り合ったおじさんが言う。
「ふーん」
「私はここで学園長をやっているから、困ったことがあったらすぐ連絡するんだよ」
「わかった」
事前にいろんな貴族が通っていると聞いていたけれど、豪華な建築物に負けないぐらい緑の草木が生い茂っている。
その自然の豊さは、いまは無き実家を思い出した。
「前にも説明したけど警備は厳重だけど、その代わり特殊なこともあるから気をつけて欲しい」
「はぁ。忘れてないけど、こんな変装する必要ある?」
おじさんに会うなり渡された、もじゃもじゃとした黒髪カツラと分厚いビン底のようなメガネ。
「念には念をだよ。君のことはイオから頼まれたからね」
「その名前、出さないでもらえます?」
オレが実家を無くし、この学園に通うことになった理由。
頭では理解できているけれど、憎んでいないと言えば嘘になる。モヤモヤと胸の中でわだかっている気持ちが消えない。
「君の事情を知っているのに軽率だったね。すまない」
子供の八つ当たりなのに、頭を下げたおじさん。
本来頭を下げるべき相手はここにいない。
「……べつに。おじさんはオレたちに巻き込まれているだけってわかってる。オレの言い方、悪くてごめんなさい」
自分の心に素直に。悪いことをしたと気づいたなら、謝るのよ。
母が繰り返した言葉。
「君は良い子だね」
そう言っておじさんはオレの頭をくしゃりと撫でた。
村では兄貴分としてオレにとって母以外に撫でられたことは少なく、胸がこそばゆくなった。
「そ、そんなことないし!」
「そうかい」
「ほっほら。早く部屋に案内してくれよ」
「そうだったね」
前を歩くおじさんの背中を見ながら、思い出すのはこの学園に転入した経緯だ。
オレは隣国との境にある、小さな村で育った。
小さい頃から父親はおらず、母とオレ、2人で暮らしていた。
母は地方の地方、辺境とも言える田舎に住んでいる人間にしては教養があった。文字書きなどはもちろん、知識も豊富で、よく村の人が相談にきていた。
「どこか貴族のお嬢様なんじゃないか?」
なんて、娯楽が少ない村では時々ささやかれるようなこともあった。
母は「本当に貴族のお嬢様だったらココにはいないわよ」と静かに笑っていた。
裕福とは決して言えないけれど、慎ましくも幸せな日々。
それは母が流行り病で倒れたことによって、崩れはじめた。診療所もない、地方の村。医者に診てもらうのも時間もお金も必要だった。それに2人の人間が慎ましく生きるぐらいの収入しかないのに、治療費を出すことは難しかった。母は「アンティ、気にしないで。わたしは幸せだったわ」と笑った。
それからひと月もせずに、母は亡くなった。オレは残された家で暮らし続けた。母のおかげで自活できる知識はあったし、村の人も助けてくれた。
このまま村で母との思い出とともに穏やかに過ごすのだと思っていた。
「やっと見つけた!」
突然やってきた男は言った。
「なんですか?」
「アンティだね。君のお父さんだよ!」
田舎に不釣り合いな馬車と護衛の数。すぐさま、どこかの貴族だと思った。
そして自分と同じ、金色に輝く髪を持った男。
母はよくある茶色の髪だったから、自分の髪色は父親の遺伝なんだろうとぼんやりと思っていた。でも、それだけでは信じられる内容ではなかった。
「人違いじゃありません?」
「そんなことない! あぁ、そうだ。これを見たら信じてもらえると思う」
護衛の一人と思われる人物から手のひらサイズの紙を受け取った男は、オレにその紙を見せる。
「これは…」
差し出された紙、それは写真だった。
そこには、メイド服を着た母が、男に引き寄せられるように立っていた。
「私たちは若かったし、その当時から私は権力がなくて……」
そう語る男の口から出された言葉は信じがたいことばかりだった。
男は隣国の王族関係者であったが、血筋の関係で権力は低く、貴族のような暮らしをしていた。そんな中、メイドとして働いていた母と恋に落ちたと言う。主人とメイド、許されない恋。だけど、お互いに想いを止めることができず、愛瀬を重ねた。しかし、ある日突然、母が姿を消した。
「私は結婚を考えていたんだ。だから何も言わず消えた彼女に最初は怒りを感じたよ。でも、いざ調べてみたら理由があった。私は嫌われていなかったんだと嬉しかったよ」
どこか浮世離れなズレた発言。母が死んでしまった後にならなんとでも言えることを連ねる男に嫌悪感ばかり生まれる。
「ーーそれで、いま、王家は少々揉めていてね。権力もなにもない貴族風情の私も巻き込まれてしまった。困ったもんだよ。だから君たちを保護、いや君を保護したいと思うんだ。僕のせいで死んでしまっては彼女にも申しわけ立たないから」
そう軽妙語った男は、にこりと笑う。
オレは拒むことは許されず、そのまま家から連れさられるように保護された。
「君の存在に気づいている者は少ないが、私が最も信頼できる友人に君を託すことにした。君のためだよ」
そうして引き合わされた、学園長という肩書きを持つおじさん。
父親と名乗る男のおかげで貴族という存在に嫌気が差していたが、おじさんは子供相手でも終始、懇切丁寧に語りかけてくれた。ちょっとは貴族という生き物を見直しかけたが、入学先の特殊な状況を説明されて、やっぱり理解できないと思った。
「どうしても警備のこともあって、閉鎖的だからね」
男同士の恋愛が当たり前であること、顔の良し悪しが成績のように評価されてしまうこと。
それと貴族と平民の格差。
「赤ん坊の頃から根付いてしまった考えを変えるのは難しいことだけど、すこしでも変えられたらとも思っているんだ」
オレのことは絶対、あの男に押し付けられたのだろうと思っていたが、その穏やかな中にある強さはとても惹かれるものがあった。
「…わかったよ。おじさんの学校が安全なんだろ? 行くよ」
「そうかい。ありがとう」
「なんで、おじさんが礼を言うんだよ?」
「ふふっそうだね。君は良い子だ」
◆
学園長室で様々な注意事項を受けて、一応、おじさんに渡された変装アイテムを身につける。
どんな貴族が来ようともオレは負けない。
そう気合いを入れて、指定された寮のドアノブをひねる。
「わっ! びっくりした!!」
その声で、そう言えば2人部屋だと言われていたと思い出す。
でもオレの視線は、それよりも何よりも、目の前の人物に釘付けだった。
「あ! もしかして、君が王道てnゴホンげへん、えっと今日から同室になる転校生だね! 僕はオーアマナだよ」
そう言って翡翠のような瞳を輝かせた彼は、首を傾げ月に照らされたような白銀の髪がさらりとなびかせた。
その姿はいままで出会った中で、とてつもなく綺麗で、絵画から抜け出したようで、呼吸をすることさえ忘れそうになった。
「オレ…は…アンティ・ガーデン」
「うんっ! 知ってた! あ、違う違う。聞いてたよ!?」
瞳をキラキラと輝かせながら、口を開いたり、閉じたり。その顔立ちからすれば、冷たい印象を与えかねないのに、ふにゃふにゃとよく動く表情によって温かさを生み出していた。
「ねぇ……アマナって呼んでいい?」
”自分の心に素直に”
「うぇ!? え、べ、べつに良いけど…」
「やった! ありがとう!」
憂鬱だと思っていた学園生活が、楽しみに変わった瞬間だった。
「・・・さすが主人公。距離感の詰め方、えぐい」
0
お気に入りに追加
69
あなたにおすすめの小説
元魔王様は今世こそ平凡スローライフを開拓したい、、、のですが、元勇者(今世王子)が離れません!!!〜ベタつき具合はスライム並みです〜
しおりんごん
BL
いきなりだけど、『魔王』って聞いて思い浮かぶイメージはどんなのがある?
残虐?恐ろしい?人間をいたぶる?やばい奴?怖い?
うんうん、、、大体はそんな感じだよね
え?魔王、、、受け?勇者攻め?、、、何を言ってる?
と、とりあえず、、、なんかこわーい存在ってのはある程度の共有認識なんだと思う
、、、けどさ
俺はそんなことなかったから!!!!!!!!!!
確かに前任魔王(父)は道すがら人街を潰してきたり、秘境のドラゴンいたぶって舎弟にしたり、でっかい森を人間たちへの嫌がらせで更地にしたりしてたけど!
俺は争い事とか、痛いこととか、辛いこととか、魚を食べることとか、、、
全然好まないし、人間ともラブアンドピースで生きて行きたかったわけ!!!
と、まぁ過去形だから、もう俺の魔王としての生涯は終わったんだけど
だけども気が付けばなんと二度目の人生スタートしちゃってて!!
俺は念願の人として生まれることができたのなら、人が溢れる街から遠くの田舎町で牛に囲まれて、自給自足のスローライフで一生をゆっくり終えたいわけさ!
だから俺の理想のスローライフを開拓するため、、、とにかく活動開始だ〜!!
って、、、うん?前世帰り?魔導学校?元勇者の第二王子?!?!
あ、あの頭のネジが二桁は外れてる、イカれ勇者の生まれ変わり?!
おい!そんなの聞いてなっ、、、「あー、、、みぃつけた、キィちゃん♡」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!!!!!!」
俺の念願の人生、、、どうやら波乱確定らしいです
前世から激重感情持ちの前世勇者、今世第二王子の攻め×前世から念願の自由な人生を獲得するも、今世でも攻めに振り回され、逃げられない元魔王受け(チートではある)
乙女ゲームのモブに転生したようですが、何故かBLの世界になってます~逆ハーなんて狙ってないのに攻略対象達が僕を溺愛してきます
syouki
BL
学校の階段から落ちていく瞬間、走馬灯のように僕の知らない記憶が流れ込んできた。そして、ここが乙女ゲーム「ハイスクールメモリー~あなたと過ごすスクールライフ」通称「ハイメモ」の世界だということに気が付いた。前世の僕は、色々なゲームの攻略を紹介する会社に勤めていてこの「ハイメモ」を攻略中だったが、帰宅途中で事故に遇い、はやりの異世界転生をしてしまったようだ。と言っても、僕は攻略対象でもなければ、対象者とは何の接点も無い一般人。いわゆるモブキャラだ。なので、ヒロインと攻略対象の恋愛を見届けようとしていたのだが、何故か攻略対象が僕に絡んでくる。待って!ここって乙女ゲームの世界ですよね???
※設定はゆるゆるです。
※主人公は流されやすいです。
※R15は念のため
※不定期更新です。
※BL小説大賞エントリーしてます。よろしくお願いしますm(_ _)m
こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件
神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。
僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。
だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。
子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。
ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。
指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。
あれから10年近く。
ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。
だけど想いを隠すのは苦しくて――。
こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。
なのにどうして――。
『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』
えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)
突然異世界転移させられたと思ったら騎士に拾われて執事にされて愛されています
ブラフ
BL
学校からの帰宅中、突然マンホールが光って知らない場所にいた神田伊織は森の中を彷徨っていた
魔獣に襲われ通りかかった騎士に助けてもらったところ、なぜだか騎士にいたく気に入られて屋敷に連れて帰られて執事となった。
そこまではよかったがなぜだか騎士に別の意味で気に入られていたのだった。
だがその騎士にも秘密があった―――。
その秘密を知り、伊織はどう決断していくのか。
過食症の僕なんかが異世界に行ったって……
おがこは
BL
過食症の受け「春」は自身の醜さに苦しんでいた。そこに強い光が差し込み異世界に…?!
ではなく、神様の私欲の巻き添えをくらい、雑に異世界に飛ばされてしまった。まあそこでなんやかんやあって攻め「ギル」に出会う。ギルは街1番の鍛冶屋、真面目で筋肉ムキムキ。
凸凹な2人がお互いを意識し、尊敬し、愛し合う物語。
【完結】イケメン騎士が僕に救いを求めてきたので呪いをかけてあげました
及川奈津生
BL
気づいたら十四世紀のフランスに居た。百年戦争の真っ只中、どうやら僕は密偵と疑われているらしい。そんなわけない!と誤解をとこうと思ったら、僕を尋問する騎士が現代にいるはずの恋人にそっくりだった。全3話。
※pome村さんがXで投稿された「#イラストを投げたら文字書きさんが引用rtでssを勝手に添えてくれる」向けに書いたものです。元イラストを表紙に設定しています。投稿元はこちら→https://x.com/pomemura_/status/1792159557269303476?t=pgeU3dApwW0DEeHzsGiHRg&s=19
運命を変えるために良い子を目指したら、ハイスペ従者に溺愛されました
十夜 篁
BL
初めて会った家族や使用人に『バケモノ』として扱われ、傷ついたユーリ(5歳)は、階段から落ちたことがきっかけで神様に出会った。
そして、神様から教えてもらった未来はとんでもないものだった…。
「えぇ!僕、16歳で死んじゃうの!?
しかも、死ぬまでずっと1人ぼっちだなんて…」
ユーリは神様からもらったチートスキルを活かして未来を変えることを決意!
「いい子になってみんなに愛してもらえるように頑張ります!」
まずユーリは、1番近くにいてくれる従者のアルバートと仲良くなろうとするが…?
「ユーリ様を害する者は、すべて私が排除しましょう」
「うぇ!?は、排除はしなくていいよ!!」
健気に頑張るご主人様に、ハイスペ従者の溺愛が急成長中!?
そんなユーリの周りにはいつの間にか人が集まり…。
《これは、1人ぼっちになった少年が、温かい居場所を見つけ、運命を変えるまでの物語》
名前のない脇役で異世界召喚~頼む、脇役の僕を巻き込まないでくれ~
沖田さくら
BL
仕事帰り、ラノベでよく見る異世界召喚に遭遇。
巻き込まれない様、召喚される予定?らしき青年とそんな青年の救出を試みる高校生を傍観していた八乙女昌斗だが。
予想だにしない事態が起きてしまう
巻き込まれ召喚に巻き込まれ、ラノベでも登場しないポジションで異世界転移。
”召喚された美青年リーマン”
”人助けをしようとして召喚に巻き込まれた高校生”
じゃあ、何もせず巻き込まれた僕は”なに”?
名前のない脇役にも居場所はあるのか。
捻くれ主人公が異世界転移をきっかけに様々な”経験”と”感情”を知っていく物語。
「頼むから脇役の僕を巻き込まないでくれ!」
ーーーーーー・ーーーーーー
小説家になろう!でも更新中!
早めにお話を読みたい方は、是非其方に見に来て下さい!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる