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第一章:ヒューマノイドと新入社員
入社式
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「ゆうらくちょー、ゆうらくちょう」
改札口からは、次々に人が出てくる。
生まれ育った田舎では、これだけの人が乗る電車はない。
両親の時代に比べれば、これでもだいぶ緩和されたそうだ。
扉が閉まらないほど人が乗っていた時もあるとか。
寮のある最寄り駅から30分。結局、横島は座れなかった。
電車は座れるものという認識があったが、さすが都会。
これから毎日、こんな電車に乗らなければいけないのかと思うと、今からゾッとしてくる。
30分立ちっぱなしで、早くも疲れの色が出ている。
「慣れる日がくるのかな、、、でもリモートもあるって言ってたな、、、」
有楽町駅から歩いてすぐ近くが会場だ。
会場は東京国際フォーラム。
入口まで来たところで、【ネクスト社入社式 会場はこちら→】という看板があった。
「、、、間違いないな」
看板の記載文字を確認しながら、矢印に従い会場に入っていく。
「事前に登録頂いたメールアドレスに送られている、QRコードを出してお並びください」
誘導係のペッパー君が呼びかける。
横島も受付列に並び、スマホでQRコードを表示して自分の番を待った。
「次の方ー。」
右手を挙げている受付女性と目が合った。
「はい」
「こちらにスマホをかざしてください」
「ピッ」
スマホを差し出し、コードを読み込ませる。
いかにも真面目そうな受付女性。首元までシャツのボタンを閉めている。
仕事もできそうな雰囲気である。
「本人確認ができました。」
「こちらが、本日の式次第と新入社員の方へのお知らせ、そして入社時にお配りしている貸与タブレットになります。使用に関する詳細説明はお知らせ9ページ記載のQRコードから動画を閲覧ください。」
「右手の通路奥が入社式会場になります。」
受付の女性は真顔で淡々と説明をする。
すると
「横島さん、ご入社おめでとうございます。」
淡々と説明していた女性が、突然表情を変え、笑顔を見せた。
真顔からの一瞬の笑顔に、少し驚きながら、
「あっ、はい、ありがとうございます。」
と答え資料を受け取った。
女性はすぐさま真顔に戻り
「次の方ー、、、」
と受付を続けた。
「なんか、表情の読めない人だなぁ、でも、、、キレイな人だな、、、
こないだ見てたドラマの主演していた、、、女優の、、、だれだったけ、、、」
「エマさーん、ちょっとこっち、いい?」
後ろで女性の声がしたので振り返った。
「ハイ、承知致しました」
先ほどの受付をしてくれた女性が、呼びかけに応え受付を離れ、声をかけた女性とともに横島の横を通っていった。
「エマさんっていうのか」
「やっぱあの女優似だなー、、、なんて言ったかな、、、」
あんな先輩が教育係だったら研修期間も楽しくすごせそうだな、、、そんなことを考えながら会場に向う横島だった。
改札口からは、次々に人が出てくる。
生まれ育った田舎では、これだけの人が乗る電車はない。
両親の時代に比べれば、これでもだいぶ緩和されたそうだ。
扉が閉まらないほど人が乗っていた時もあるとか。
寮のある最寄り駅から30分。結局、横島は座れなかった。
電車は座れるものという認識があったが、さすが都会。
これから毎日、こんな電車に乗らなければいけないのかと思うと、今からゾッとしてくる。
30分立ちっぱなしで、早くも疲れの色が出ている。
「慣れる日がくるのかな、、、でもリモートもあるって言ってたな、、、」
有楽町駅から歩いてすぐ近くが会場だ。
会場は東京国際フォーラム。
入口まで来たところで、【ネクスト社入社式 会場はこちら→】という看板があった。
「、、、間違いないな」
看板の記載文字を確認しながら、矢印に従い会場に入っていく。
「事前に登録頂いたメールアドレスに送られている、QRコードを出してお並びください」
誘導係のペッパー君が呼びかける。
横島も受付列に並び、スマホでQRコードを表示して自分の番を待った。
「次の方ー。」
右手を挙げている受付女性と目が合った。
「はい」
「こちらにスマホをかざしてください」
「ピッ」
スマホを差し出し、コードを読み込ませる。
いかにも真面目そうな受付女性。首元までシャツのボタンを閉めている。
仕事もできそうな雰囲気である。
「本人確認ができました。」
「こちらが、本日の式次第と新入社員の方へのお知らせ、そして入社時にお配りしている貸与タブレットになります。使用に関する詳細説明はお知らせ9ページ記載のQRコードから動画を閲覧ください。」
「右手の通路奥が入社式会場になります。」
受付の女性は真顔で淡々と説明をする。
すると
「横島さん、ご入社おめでとうございます。」
淡々と説明していた女性が、突然表情を変え、笑顔を見せた。
真顔からの一瞬の笑顔に、少し驚きながら、
「あっ、はい、ありがとうございます。」
と答え資料を受け取った。
女性はすぐさま真顔に戻り
「次の方ー、、、」
と受付を続けた。
「なんか、表情の読めない人だなぁ、でも、、、キレイな人だな、、、
こないだ見てたドラマの主演していた、、、女優の、、、だれだったけ、、、」
「エマさーん、ちょっとこっち、いい?」
後ろで女性の声がしたので振り返った。
「ハイ、承知致しました」
先ほどの受付をしてくれた女性が、呼びかけに応え受付を離れ、声をかけた女性とともに横島の横を通っていった。
「エマさんっていうのか」
「やっぱあの女優似だなー、、、なんて言ったかな、、、」
あんな先輩が教育係だったら研修期間も楽しくすごせそうだな、、、そんなことを考えながら会場に向う横島だった。
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