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36 安心ってなんだろう…
しおりを挟むピチャン、と雫が跳ねた音に目を覚ました。
「ン……」
気付けば見慣れた自分の家の湯船に浸かっていた。
「気付いたか?」
「あれ、私…」
なんでレナード様に抱きしめられながらお風呂に入っているのだろう。
とりあえず髪をかきあげているレナード様が大変エロくてとても見目麗しい。
「体は辛くないか?体は洗ったからゆっくり温まろうな?」
「え?も、もしかして私、気絶したんですか?」
「あぁ」
エッチのしすぎで気絶するなんて本当にあるんだ!
エロ小説みたい!!すごい!!
後ろから抱きしめているレナード様には感動してほくそ笑んでいる私の顔が見えないらしく、甘えてくるように更に抱きしめてきた。
「気持ち良すぎて加減がわからずアンナに無理をさせてしまったな。ごめんな?」
「いえ、そんな…」
「だが喘ぎ倒れたアンナも可愛かった…。俺に愛されすぎて倒れるだなんて……ッフフ、可愛い」
「…悪いと思ってます?」
「いや、正直そんなに思っていない。むしろ達成感すらある。仕事で昇級したときよりも誇らしい気分だ」
「…自分の仕事に誇りを持ってくださいよ」
悪態をついたが私は怒ってなどいない。
むしろ私の頭で頬を潰すように凭れてくるレナード様の重さに喜んでいるほどだ。
心を繋げて、体を晒して、繋がって、その幸福の余韻に酔いしれてしまい無意識にレナード様により一層体を預けた。
「―――ヒャッ!」
「ん?どうした?」
「ど、どうしたって…レナード様が急に胸を揉んできたから……」
急に胸を掬いあげられたかと思ったら、まるで捏ねるようにムニュ、ムニュ、と揉んできたかと思えば、楽器を弾いているかのように指を巧みにバラバラに動かして柔さと弾力を愉しむようにと多種多様だ。
そんなことを紳士然な顔でやってのけているのだ。
「アンナの趣味がエッチな小説を読むことだからな、俺はアンナの胸を揉むことを趣味としよう」
「私の趣味に紐づけないでくださいよ!そして胸から手が全然離れない!」
「趣味だからな。俺に胸を揉まれるのは嫌か?」
「い、いやとかじゃ…ないですけど…」
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楽しそうに笑う可愛い顔を見て思わずときめいてしまった。
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「あの、なんでお風呂に入ってるんですか?そのまま寝かせてくれてよかったのに…。大変だったでしょ?」
「いいや?アンナは軽いしまったく大変じゃなかった。むしろこれからもアンナの体はもちろん髪も俺が洗ってあげたい」
「それは私を甘やかしすぎです…」
本気でそれを喜々としてやってきそうで、そしてそれを当然のように受け入れる自分の未来が容易に見えてしまう。
そこまでいったらほんとにダメ人間になってしまいそうで怖い。
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