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 好きだなんて言えない④

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絶頂を迎えたいと思うと同時に、ソコに到達することが怖い。
イク少し前で止められてしまったことがもどかしいのに、少し安堵もしている。

――――……セックスの快感とは不思議だ。
気持ちいいのに怖い。怖いのに気持ちいい。
気持ち良くて気持ちいい。怖くて怖い。




「俺のこの想いを、“好き”という言葉に集約するにはあまりに悔しい…。そんな軽々しいものなんかじゃない。あぁ、言葉とはなんて劣弱だ…」


逞しい褐色の腕が恭しく私の膝を持ち上げた。
足が宙に浮いたことで自分の下半身がひどく震えていることに今更気づく。

でも、その震えが何故か嬉しい。

レナード様にたくさんたくさん愛された証だ。
――――…そう思ってまた子宮が泣いた。


「だからアンナ、俺は好きだなんてそんな恐ろしく軽い言葉は言えない」
「…ン、ぅ」

ゆるゆると、また律動が始まった。
激しさのないその動きは肌が打ちつけ合う音がしない代わりにニチャニチャと粘った水音の音がやけに大きく聞こえてくる。

「アンナ、俺の愛しいアンナ。俺の想いに敵わずともずっと俺を追いかけてきてくれ。俺はもっと深く、どこまでも深く、底のない深淵からアンナをずっと見つめてあげるから…」
「ッァアア、…んゅっ…ぅう……っん、ん、んぅう」
「俺のそばにずっといて、俺の熱で浮かされて、俺に囚われ続けてくれ。アンナが先に死んだらすぐに追いかけてあげる。だからアンナも俺を追いかけてくれ」
「ヒユッ、んっ、…あ、ひっ゛!」


目を開けているのに、視界が限りなくぼやける。

緩く、でも的確に奥を突かれながら浴びるレナードの低声と言葉が炙るように内側を熱くする。
胸を掻き立てるような思いになった途端、「なら掻いてあげる」と言わんばかりに胸の先端を捏ねられた。

「ッァ、ひあ……ッンア、ぁ、きもち、ぃのっ……ぁ、うぅ」


揉まれながら捏ねられ、突かれながら愛される。


「ココ、すっごく悦んでる…」
「ふぁ゛ッ゛!…ぁ、ひっ、ぅう」

レナード様が根本まで埋まっているところを外から指で軽く押してきて、内側と外側からの刺激され一気に力が入り一気に弛緩した。
そして弛緩した直後、チカチカと弾けるように視界が光った。

「ッハハ、今のでイッた?お腹押しただけなのに」
「ッヒ、ぁ……ぉ、なかっ……」
「お腹、よしよしされて、気持ちいい?」
「ぁっ、…ぅ、んん…き、もちぃ……」
「ナカも、気持ちいい?」
「き、もひぃぃ……ァ、ンッ」

緩く動き続けていた律動がだんだんと強くなる。
鈴口の痞えがナカのヒダを擦る感覚がよくわかり、止まることない快感がまた自分を覆っていく。

パチパチと弾けるような、でもゆっくりと落ちていくような感覚。


「ほぉら、アンナ。落ちかけてるでしょ?ちゃんと起きて、俺に愛されてくれ」
「んっ、ぁひっ…ぐゅ……イくか、らぁ…!ィッちゃ、ぁア!」
「あ~蕩けた顔、たまらない…可愛い…もっと蕩けさせてあげないと…」
「~~~ッッッ゛……ィッ、ぃく、イ゛ぐっ……ィッ゛ちゃう、からあぁぁっ…!…ぁあ゛っ!…ぅ、あっ…ンァ」

腰の動きが速まり、水音と肌の打ちつけ合う音が混ざり合い、パチュン、パチュンと音がする。


もう何度もイッてしまっている。
なのにイクのが止まらない。
イッて、イッて、イッて、もうイクしかできない。



「――――~~~~ッ゛ッ゛ッ゛!!」



弾ける。

弾け続けたものがさらに大きく弾ける。

これを快感と呼ぶのだろうか。
これを気持ちいいと呼ぶのだろうか。

あまりにも強烈な快感は私の思考を奪い、力を奪い、意識すらも奪っていく。





もうほとんど意識がないときに、耳元に甘く煮詰めた声が注がれた。





「―――…あぁ、まだまだまだまだ、愛し足りない」




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