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 好きだなんて言えない③

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愛してほしい、という欲望の底無しさが恐ろしい。


レナード様の気持ちを疑うことなど露ほどもしていない。
彼は本当に私をドロドロに愛してくれて、窒息するほど甘やかしてくれている。――――わかってる。


――――……それなのに、私は浅ましく貪欲にまだまだまだまだ彼が欲しい。




「俺の愛するアンナ」




それはまるで愛撫のような声。
私はどうにもこの声に弱く、名前を呼ばれると何故だか涙が溢れてしまう。
だけど何度でも呼ばれたい。呼んでほしい。

「アンナ」
「レナード…さま……」

後ろから硬い筋肉に覆われた体に羽交い絞めされるこの快感を、なんと表現すればいい。
逞しい腕に囚われている快感を、なんと表現すればいい。
この幸福の快感を、―――…なんと表現すればいい。



「―――ヒグュッ…!」



うつ伏せしたままレナード様に押し潰され、ナカへの一撃が甘く強烈でまたも聞こえる肌膚が打ちつけ合う音と共に、グチュ、グチュッと音がする。

「アァッ、っひ、ぃ、…っあ、ぁっ゛……ッ゛……ングッ」
「俺の想いは好きなんて可愛いものじゃない」
「ンンッ゛、…っぅあ……っ、ヒ、ぁう」
「愛してるなんてお綺麗なものでもない」

最奥をドチュ、ドチュッと突かれ、頭の中なのか視界なのかに靄がかかっていくなかで言葉を紡がれる。

「っひあぁ゛……イ゛ッ……っは、ぁあ…」
「俺の、アンナを想うこれは“深淵”だ」
「~~~ッッ゛…ハッ、ぁあ……っぅ、ん゛ン」
「ドロついていて、濁っていて、淀んでいて、底がない…」
「ッ……レッ、なぁ……っ、ひゃま、ァ゛……っひ、ぐぅ」

私のナカも、心も、何もかもを荒々しくかき混ぜる律動とは真逆に、耳元で囁かれる言葉は荒い息を吐きながらもどこか冷厳。その対比がまた私の心をかき混ぜ、溶かし、蕩けさす。

「アンナの気持ちを軽んじているわけじゃないが、アンナがどんなに俺のことを好いてくれたとしても、決して俺には敵わない…」
「ンンッ、ぅ、あ゛……ま、待っ……ッィ、イ゛…ちゃ、ぁあ……―――キャアァッ!?」


突如として体が浮き上がり、訳が分かっていない状態でされるがままに体をクルリと反転された。

つい今しがたまで、私のナカを遠慮なくかき混ぜ、耳元で仄暗く囁いていた愛しい人が、褐色筋肉の谷間から流れる汗をそのままに髪をかきあげながら自分を見下ろしていた。


静かに、でも熱く、ライムグリーンの瞳が動く。


涙と汗で汚れ、いつまでも息が整わず口をだらしなく開けた私の顔を見る。
いつまでも先端が尖った、私の大きな胸を見る。
その内側に何度も熱を注がれている私の腹を見る。
―――そして最後、ムワッとした熱源を放つ2人を繋ぐ場所を見る。

根元までずっぽりと埋まったソコに視線を当てられると、ただそれだけで腰が動き、膣壁が蠢いた。
絶頂に片脚を突っ込んだ状態だったのに、急にその動きを止められ、代わりに熱すぎる視線を浴びている。




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