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好きだなんて言えない②
しおりを挟む先程のストロークある律動には一瞬の休憩が一定のリズムであったのに、常に最奥を穿たれるこの体勢に休憩などない。
だんだんとしがみつく力すらなくなってただた広く厚い肩に手を添えるだけとなっていくのに、爪先を丸め踵だけがシーツの上を滑る下肢の力は衰えることがない。
「~~~~っっ……アッ…っ゛、ぅあっ……ファ、……ンぁ」
「アンナ、舌だして?吸いたい…」
「ッン、ぅ。はあ、ぁぁ…」
理性が働いていたら躊躇するようなおねだりも、今は容易く受け入れてしまう。
舌を出したというよりただ口を開けただけだが、そんなことお構いなしに舌が絡まり、そして希望通りジュルルル、と卑猥な音を出しながら舌を吸われてく。
「…ッ、グ」
「―――~~~~ン゛ン゛ン゛ッッ!!」
私の舌を吸いながらレナード様の喉から苦しそうな声が聞こえたとき、ジュワジュワと臍下に熱が滲んだ。
激しくない激しい抽挿が止んだが舌の抽挿と舐め合いは止まることがなく、心地良い気怠さと終わることのない酩酊がさらに思考をぼやけさせていく。
「……ンッ……ふ、はぁ……」
長いキスが止んだ。
汗と艶で濡れたレナード様が微笑みながら見つめ、顔に貼りついていた髪を優しく払った。
すると、スル…と自分のナカに埋め込まれているものが抜けていく感覚を感じ取り、すぐさま「やっ…」と声が漏れた。
「体勢を変えるだけだ。抜かれたくない?」
「んっ……くっ、ついてたぃ…の…」
「すぐ挿れるから…安心して?」
「っぅん…」
「いい子。可愛い」
体を抱えられながら本当に抜去されすぐさま喪失感が襲った。
そんな私を器用にうつ伏せにしてからギュッと抱きしめてくれて背中とお尻に硬い体を感じた。それに幾度目かの安心感とトキメキを感じ、それが下腹部の疼きに直結する。
「ヒャアッ」
腰とお尻の中間を掴まれたと思った瞬間、尻を突き上げるような体勢とされてしまった。
こうした体位があることは知ってはいるが、実際に自分がするとなると滑稽でたまらなく恥ずかしい。
そして襲う、熱杭が入ってくる圧迫感。
「~~~~っ、…アアァァ、……ふ、クッ、ぅっ……」
「…っ゛、きつ」
逞しい腕がわきの下を通り、そのままガッチリと肩を掴まれた。
その力強さから逃げられるわけなどないのに、さらに私を逃がさぬように後ろから巨躯に覆われ少し苦しいほどの重さが襲ってきたと同時に、最奥を今度は違う角度で穿たれていることに子宮が咽び泣いている。
そしてまたも襲う確かな律動がパンッ、パンッと音をだしながら私の内部を満遍なく触れて、圧して、擦って、突いて、穿ってくる。
「っっ、ン゛~~~!……ッハア……っは、ぅあ……レッ…レナァ……っ、さ…まぁっ゛!」
肌膚の打ちつけあう音。
蜜口からでる淫猥な水音。
耳元で聞こえる雄々しく荒い息遣い。
そして遠くで聞こえる――――私の喘ぎ声。
いつもの寝室が、自分達の行う蜜事によって目に見えるものすべてが淫靡に見える。
その空気の支配している覇者が、恐ろしいほど、泣きそうなほど、狂おしいほど、自分を求めている。
「レナ、さまっ……ッア、ひぅ……レ、レナぁ……ぉ、さまぁ……」
「…っ、ん?どうした…?」
尻をあげる力すらなくベッドに体をすべて預けながらこれ以上ないほど甘え媚びている嬌声を自分が発した。そしてそれをさらに甘く煮詰めたような低声が耳元に落ちる。
齎される快楽で振り向くこともままならないことに気付き、横から私の顔を覗き込むライムグリーンの瞳が愛しくて、愛しすぎてジワリと涙が滲んだ。
「…アンナ?」
「な、名前……ぃ、いっ…ぱい……ょ、呼んでぇ…?いっ……いっぱ…ぃ、すき……て、言って……?」
「―――っ」
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