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 つらいって言わないで?②

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「…アンナ」
「レナ…さまっ、……っ、キス、して……?」
「あぁ、たくさんしような」

溢れ出てしまう涙を嬉しそうに優しく吸ってはソッと触れるだけのキスが幾度も幾度も落ちてくる。
汗で湿った褐色の肌にしがみつき、必死にそのキスを受け入れる私をレナード様は目を瞑らないまま唇で愉しんでいる。

ミチミチと自分を押し広げようとする熱杭を、さらにミチミチと締め付けてしまう。
するとレナード様が眉間に皺を寄せながら何かに堪えるようにグッと腕に力をこめ、逞しい腕の筋肉がグッと筋張った。


「レナァ……ド、さま……すきっ………ンンゥッ」


少し性急なキスが私の声も吐息も飲み下す。
互いに汗で僅かに湿っている肌を合わせ、唇と舌を合わせては絡め、吸ってはまた絡め、お互いしか知らない粘膜がこれ以上ないほど密着している。
大きな体が私を羽交い絞めするように覆い尽くしていることに女の本能が歓喜して、更なる締め付けと更なる潤滑液を際限なく生み出しているのがわかる。

そしてその潤滑液を頼りに最奥を突いたままレナード様が腰を艶めかしく動かしていく。

「――――…ヒャアアァッ!」

突き抜けるような快感が突如襲い、声を上げた。
頭がその快感を処理しきれず、ただ悶えているとレナード様が「あぁ、なんて可愛いんだ…」と恍惚に声を漏らしたのが僅かに聞こえた。


花芯だ。
そこを指で捏ねられているのだ。


ただでさえ体中が敏感なのに、今ソコを触れられたらいよいよおかしくなってしまう。
それを口にしたいのに、あまりに強烈な刺激すぎて意味のない言葉だって出てこず、筋張った腕を弱弱しく掴んで私を熱く見つめる好きな人に「ダメ」と強く思いながら目で縋った。

「……っ、は……っふ……ッ゛、っぅ……~~~~ッ」
「俺のものだ…。この熱も、この締め付けも、この匂いも、その声も、その眼差しも、アンナにだってあげられない…。全部、ひとつ残らずすべて、俺だけのものだ。……―――そうだろ?俺のアンナ…」


ドロついた執着心を孕む声さえ甘く感じる私のほうがおかしいのかもしれない。
自分の目が、自分の表情が与えられる強烈な快感と落とされた言葉に法悦し、蕩けていくのがわかる。そしてレナード様が私のその表情を見て更なるドロついた笑みを浮かべて悦んだ。


「…アンナ、腰が逃げてる。ダメだろ?」
「~~~ッ、ンぁ、ひっ……んん、ぅ、ハァ、……っあぁ」
「俺から逃げるなんて絶対にダメだ。……追いかけて、逃げられないように縛りつけて、閉じ込めて、さらに啼かして、壊したくなってしまうだろ…?」
「…っ、だ…だ、めぇ!……ッ゛……さわっ、ちゃぁあ…!」

逃げるように腰が揺れてしまう私を捕らえるように、そして宥めるように、レナード様の指が花芯をクニクニと優しく撫でてくる。

無意識に腰は逃げてしまうのに、無意識に膣が締まってしまう。
それをレナード様は悦んでいる。

「ッアアァ、待っ、ぁっ……ヒャグッ、ぅう~~~~」
「すごいな。俺のがアンナの新しい愛液でまた濡れたのがわかる」
「~~~っっ、……ぃ、言わなっ……でぇ……ッ、んんぅ、フ、ぁっ……」
「こんなにきついのに尚締め付けるとは。……滾るな」



愉悦。愉快。悦楽。法悦。
狂熱。粘着。耽溺。情炎。


今、私を占めているものはなんだろうか。
今、レナード様を占めているものなんだろうか。

愉しそうに私の敏感な部分を触るレナード様の、ねっとりとした瞳が嬉しくて眦から涙が落ちそうになった。
その涙は当然、レナード様の舌が艶冶に掬いとっていった。





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