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拙い愛し方③
しおりを挟む逞しすぎる体に縋る自分の腕がひどく脆弱に感じる。だけどその男女の差が本能的に悦びを与えてくる。
「ンッ゛、ぅ……フ、っ……はぅ、ぁ…ッン」
「こぉら。声は我慢しちゃダメだろ?」
「さっ、き……がまん……しろっ……てぇ…!」
「声をおさえるアンナも可愛いが、やはり可愛い声を聞かせてくれ。ほら、アンナはココ、好きだろ」
「―――ヒャアッ……っ゛、ァア゛」
ナカに入った指が、自分でも知らない気持ちいいトコロをこすってくる。
その快感に陶然とする私を至近距離で嬉しそうに見つめ、顔のいたるところにキスが落ちてくる。
「レ、ナ……さまぁっ……」
「アンナのその苦しそうな顔、すごくそそられる。……苦しいか?」
逞しい腕が小器用に胸を優しく揉んでくる。
齎される快感が緩くとも、私の体が過敏に反応しレナード様の指を締め付けた。
「ヒア…!っんん、ぅ、……ッ、く、苦しっ……苦しぃ、よ……ンンゥッ!」
自分の柔らかい部分と敏感な部分を同時に揉み愛されながらのキスに容易に耽溺する。
苦しいと言ったのは嘘じゃない。
好きで苦しい。
快感で苦しい。
愛しくて苦しい。
気持ち良くて苦しい。
「俺も苦しいよ、アンナ」
静かに落とされた声に、レナード様のなにもかもが込められている。
「この苦しみを俺に与えてくれるアンナが、愛おしくてたまらない」
――――……言葉という快感の陶酔感は凄まじい。
言葉では伝わらない想いがある。
でも、言葉でしか伝えられない想いもある。
レナード様の言葉が欲しい。
レナード様の気持ちが欲しい。
レナード様の体温が欲しい。
レナード様の眼差しが欲しい。
「っぅ、…ンァ、はっ……ん………れなぁ、どっ…さまぁ……」
――――……レナード様の、全部が欲しい…
意図せず、でも確かに甘えながら伝えた私の声を、レナード様は妖艶極めた恍惚な表情で受け止めながら、ゆっくりと体を起こした。
荒い息を隠すことなく
熱い瞳を余すことなく
屈強な体を見せつけて
――――……私を見下ろしている。
「あげるよ。俺を、俺のこの体と、底のないこの思いを、アンナの骨の髄まで染み渡るほどに、全部あげる…」
情欲がありありと見える表情で私を見据えたまま、履いていたボトムスのポケットから何かを取り出して、口を使ってシールのようなものを剥がして腕に無造作に張った。そしてそのまま乱暴な手つきでボトムスを脱ぎ、私と同じ一糸纏わぬ姿となった。
その動きを蕩けた頭でボーっと見つめていた。
「本当は、もっとアンナをほぐしてからと、そう思っていたが他でもなくアンナが望むのなら俺はそれに従う術しか持ち合わせていない」
「レ、ナッ……レナァ、ドさまっ……」
「あぁ、もっと俺を望んで?俺で蕩けたその顔のまま、もっと俺が欲しいと言って?」
裸を晒すというのは、心を晒しているのだなと、漠然と感じた。
普段は言いにくいことも、服という枷を文字通り脱ぎ捨てることによって気持ちの吐露がしやすくなる。
「俺を脅してくれるほど、俺が欲しい?」
「ほ、ほし…、いぃ…」
「あぁ、もっと欲しがって?アンナ」
額がわずかに汗で濡れながら嗜虐的な笑みを落とす。
この人のこの姿が自分だけのものであることに、全身が悦び溢れているのがわかる。
「――――…っぅあ!」
濡れた秘裂に熱いものが当たった。
思わずその箇所を覗いてみると卑猥なその部分よりもレナード様の鍛えられた腹筋が見え、その凄艶さに慄いた。
そこに視線を囚われているとレナード様が愉しそうに私の頬を撫でて顔を上げさせた。
「まだ挿れないよ。当ててるだけ。…ほら、想像して?俺がアンナの薄い胎に挿ることを」
下腹まで筋立つ程にそそり立っているモノが濡れた秘裂をなぞり、膨れている花芯をゆっくりと擦りあげた。
「ヒゥう……ァっ、んん」
「アンナが俺の拙い愛し方でこんなに濡らして喘いでくれることが嬉しいよ」
「つ、拙く、ないぃ…!」
「なぁ、アンナ。ずっと俺の愛し方だけ知っていてくれ」
「ンアッ、……っァ、ふぁ」
互いの性器からクチクチ…と粘度ある水音がする。
頭のネジを緩める快感が容易く私を昂らせ、至近距離で汗を滲ませながら艶笑する男に囚われる。
秘裂を割って入るかと思ったら、スルンと躱され鈴口が花芯を擦る。――――それを繰り返され、クチュクチュと音が聞こえる。
何度も何度も翻弄される様をライムグリーンの瞳が愉悦に見つめてくる。
「レ、レナード……さまぁ……」
「俺が欲しくて……ココが、疼く?」
そう言って臍下を優しく撫でられる。
皮膚の上から子宮を撫でられるだけで疼きが加速し、なぞられているだけの秘裂からまたトロリと零れたような気がした。
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