不眠騎士様、私の胸の中で(エッチな)悦い夢を【R18】

冬見 六花

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32 ちゃんと見て

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手をベッドに縫い付けられる。――――とはこれかと実感した。





「ッハ、んん……っ」

腕を通しただけとなった部屋着のシャツは胸を惜しげもなく見せるように広がり、その胸は厚い胸板によって押し潰されている。

程よく重くて、程よく苦しく、―――気持ちがいい。

唾液と舌が交わる音と、体がシーツの上で身動いで出る衣擦れの音が暗い寝室に微かに響く。




この部屋で、この暗さのなか、たくさんキスをされた。
そのキスだって嬉しかった。嬉しくて嬉しくて、切なかった。

でも今、嬉しさしかないキスをされている。

その多幸感が自分を縫い留める大きな手に伝わるように強く握った。


「レナッ……さ、まぁ…」
「アンナ、あーんってして?」
「な、んで…?」
「俺を舐めてくれるアンナの舌が見たい」
「…ん、ぁ」

一瞬わけがわからなくなったが溶けかけている頭は言われた通り口の中を見せてしまう。
おずおずと小さく開けると、恍惚とした笑みでソコを見つめてくる。

「あぁ……舌、薄くて、赤くて、濡れてて……可愛い」
へぁーぉレナードヒャはさま……ンンゥ!」

開けた口の中にまた舌が突っ込まれた。
熱くぬるつく舌が口内を蠢くことがこんなにも気持ちいいだなんて。“スズ先生”の作品にもキスの描写は数多あったけど、実際に体験すると全然違う。

「ッン、……んぅぅっ、ッ、フッ、ん」

いい子いい子と撫でるように上顎を舐められる。
舌同士が絡み合ってクチュクチュと音を出す。
舌を吸って扱かれてジュルジュルと音を出す。
銀糸が2つの舌を繋ぎ、切れないうちにまた絡む。

貪り、貪られるようなキスを止めたくなくて、止まらなくて、耽溺する。


「ハッ、ァ……っふぁ……」

軽く吸い上げるようなキスを最後に唇が離れた。
だが少しでも頭を起こせばまたすぐに触れ合える距離。視界には熱すぎる熱を映すライムグリーンの瞳。

長い時間したというのにもうキスがしたいと思ってしまう。

「目が欲しがってる…可愛い」
「くちの、なか……あつく、なるの…」
「口の中、熱くなるの、好き?」
「すき……、レナード様に、熱くしてもらうの……好き……」
「あぁぁぁ……」

レナード様が顔を手で隠しながら天を仰ぐのを、キスで惚けた表情のまま見つめた。
なんだか余裕のないレナード様が可愛い。

「アンナ、声を我慢しないと約束して?できる?」
「んっ……でき、る」
「いい子」

甘い声を甘い眼差しと共に浴びる。
声を我慢しなかったら、また褒めてくれるかな?褒めてほしいな。
もっと甘えさせてほしいな。…甘やかしてほしいな。

「ヒャァッ!」

レナード様の唇が耳に触れては舐め、首に触れては舐めていく。
我慢するなと言われたけれど、そもそも声を我慢すること自体できないほど齎されるものすべてが気持ちいい。

羞恥などとうに忘れ、あるのは際限ない渇望だけだ。




そうして首を舐めた唇が鎖骨へと移り、尖りきっている乳首へと向かう。

「――――…ヒウッ!」

乳輪どころか胸の柔肉ごと、レナード様の口内へと吸い込まれた。そして熱くぬるついている口内で蠢いている舌が敏感な乳首を舐めては吸い、転がしては舐め、吸っては転がしていく。

「ッア、……っぁ、アァ……っんゅ」

縫い付けられた手は解放され、太い指は外気に晒されているもう片方の突起を押し潰している。
触れられ、舐められているのは胸なのに子宮がキュンキュンと締め付けられる。

「レ、レナッ…ぁ、さまっ………ヒャ、ぁ」
「眠った俺はこんなことをアンナにしたか?」

固く尖った乳首を舌先で転がし遊びながら、上目遣いで聞いてきた。
その表情が、いや先程から全てが淫靡で妖艶だ。そう思ってまた子宮が跳ねたように締め付けられた。

「アンナ、胸を舐められたのは俺が初めて?」
「んっ、ン……っひゃ、ぁ」
「…教えて?」
「ン、っ……ちょ、ちょっ……と、だけぇ…」

ほんとはちょっとどころじゃない。ガッツリされていた。
だけどそれを正直に言ったらまたレナード様は自分に嫉妬してしまうだろう。

だけど私が吐いた少しの嘘を、レナード様は容易く見抜いたらしく乳首を舐めながら眇めた表情で私を見る。

「でもアンナ。胸を舐められた割には、あまりに反応が良すぎるな?」
「っ、ちがっ……」
「違う?じゃあこれは?」
「ヒャゥッ!」

尖り切った乳首を太い指先がカリカリと掻いていく。
決して強くないその感覚は背筋が震えるような快感を運んできて、意味もなくシーツを蹴ったが空しく衣擦れの音がしただけだった。

「ヒッ、ァ……っ、ぁあ!」
「これも俺にされたか?」
「さっ…れまし、たぁ……!…ッン、ァ、ごめんなさっ、……ッアァ、んぅう、……ぁ、ひっ」
「眠った俺に乳首をこんな敏感にされるほど開発されるだなんて……」
「だ、だって……レ、レナード様が……ッアァ……触って、くれるの、嬉しかったからぁ……!」

レナード様に毎夜触れられることは切なかったけど、嬉しかった。
だからあの行為を止めてほしいなんて思わなかった。
好きな人が、無意識でも、記憶がなくても、自分をまるで愛してくれているかのように触れてくれることが。



――――…だけどそれ愛されることが現実となった今、「泣きそうなほど」という表現では足りないほどに嬉しい。




「可愛いことを言ってくれても…………やはり嫉妬がおさまらないな」

そう言うと愉しそうに両胸をギュッと寄せ、両方の先端を一気に頬張ってきた。

「――――…ヒアアァ!」

食べられている。胸を一気に。
そう思った。




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