71 / 122
ダメだあああああ!!!!③
しおりを挟む衝動のままにしがみついたのは、まるで太い幹のような筋力逞しい体。
そして私の言葉に被さるように聞こえたのは明らかに男性の声。
―――――――だけどレナード様の声じゃない。
誰かがベッドに飛び乗ったようなスプリングの音がした後すぐに静寂が訪れた。
「…?」
一体何が起こったのか、そして一体何をしたのか、混乱しすぎてよくわからないまま屈強な体の後ろから顔を出した途端、目を見張った。
護衛さんがソフィー様にキス………というより覆いかぶさって唇を貪っていたのだ。
そう、貪っている、という表現が正しい。
眠っていて抵抗できないことをいいことに、少人数ながら衆人環視の中、しかもキスの相手の母親がいる前で、護衛さんがソフィー様にめちゃくちゃにキスをしまくっている。
「……」
もはや誰1人として動くことはできず、言葉を発することもなく、ただ茫然とそのキスに見入ってしまっていた。
「っ」
すると上掛けから出ていたソフィー様の手がピクリと動いた。
それを合図にキスは深いものとなったらしく、時折チュ、クチュッ、と唾液が交わる音がする。
「っ、ん……ンンッ!?」
あ、ソフィー様起きた。
「ちょっ、…ゥンンッ、フ……っ!?」
誰もが想像していた「目覚めのキス」とはあまりにかけ離れている。
だって護衛さんの下でソフィー様が割と本気で藻掻いているのだ。だがひ弱なお嬢様が細身とはいえ護衛さんに敵うはずもなく、むしろこの寝室にはキスの際に奏でられる水音とソフィー様の結構本気なくぐもった抵抗の声が響いている。
「ゃ、っん、……っや……ンッ、ぅ」
少々艶めかしいが本気の制止の言葉を発しているのだが、護衛さんはそれを容易く無視している。
ゴンゴンと小さな拳が護衛さんの背中を叩いているが、むしろそれに興奮したようにさらにキスが深くなったのが傍目からでもわかった。
「ゃ、っ、…ン、~~~~っ゛!」
本気でバタついているソフィー様を見て、ここでようやく事態を正確に把握し、危機感を覚えてしがみついていた体を押しのけようとした途端、――――ゴンッ、となんとも鈍い音がした。
それはシャーリー様の細い腕からは想像もできないほどに重々しい音、護衛さんの頭を殴った音だった。
「なげぇよ」
「……はい」
それまでの妖艶で洗練されたシャーリー様からは想像もつかないほどドスの効いた声に、思わず護衛さんが小さく返事をした。
そして護衛さんという重石が退いたからなのか、白い額に青筋を立てているソフィー様の細く小さな手が躊躇いもなく護衛さんの首を絞めた。
「おいこら、駄犬。何許可なくあたしの寝込みを襲ってんだ。やめろっつってんのにそれも聞かねぇで、脳みそ入ってんのか」
「わぁ…♡お嬢様起き抜けに激しい…♡」
「悦ぶな、ドМの駄犬が」
んんん???
1
お気に入りに追加
1,172
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
最愛の番~300年後の未来は一妻多夫の逆ハーレム!!? イケメン旦那様たちに溺愛されまくる~
ちえり
恋愛
幼い頃から可愛い幼馴染と比較されてきて、自分に自信がない高坂 栞(コウサカシオリ)17歳。
ある日、学校帰りに事故に巻き込まれ目が覚めると300年後の時が経ち、女性だけ死に至る病の流行や、年々女子の出生率の低下で女は2割ほどしか存在しない世界になっていた。
一妻多夫が認められ、女性はフェロモンだして男性を虜にするのだが、栞のフェロモンは世の男性を虜にできるほどの力を持つ『α+』(アルファプラス)に認定されてイケメン達が栞に番を結んでもらおうと近寄ってくる。
目が覚めたばかりなのに、旦那候補が5人もいて初めて会うのに溺愛されまくる。さらに、自分と番になりたい男性がまだまだいっぱいいるの!!?
「恋愛経験0の私にはイケメンに愛されるなんてハードすぎるよ~」
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【R18】人気AV嬢だった私は乙ゲーのヒロインに転生したので、攻略キャラを全員美味しくいただくことにしました♪
奏音 美都
恋愛
「レイラちゃん、おつかれさまぁ。今日もよかったよ」
「おつかれさまでーす。シャワー浴びますね」
AV女優の私は、仕事を終えてシャワーを浴びてたんだけど、石鹸に滑って転んで頭を打って失神し……なぜか、乙女ゲームの世界に転生してた。
そこで、可愛くて美味しそうなDKたちに出会うんだけど、この乙ゲーって全対象年齢なのよね。
でも、誘惑に抗えるわけないでしょっ!
全員美味しくいただいちゃいまーす。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる