不眠騎士様、私の胸の中で(エッチな)悦い夢を【R18】

冬見 六花

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18 彼女は知らない ‐レナードside‐

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意図しているのかなんなのか、意外と大きい彼女の胸に俺の顔が埋まるように抱き寄せてきて、欲望のまま彼女をメチャクチャにしないよう必死に耐えた。

彼女から放たれる香りが自分の獣欲をさらに高めていく。
まずいと思っているのに離れられない。離れたくない。離したくない。
この香りを体中に染み渡るほど取り込みたい。
この柔らかさに潰されたい。

「あの…頭撫でたり、体触ってみても、いいですか…?」
「っ!」

もはや苦行かと思った。

耳元で囁かれたその可愛らしい声とその内容に身を硬くした。
断らねば…、これ以上触れられたら彼女をもっと欲しくなる…。そうわかっているのに彼女からの申し出を断るなど俺の本能が許さない。

どんなに無謀な願いでも叶えたい。
―――それが俺の幸福だ。


彼女はまるで俺の体を堪能するかのように撫でていく。
そのせいで絶え間なく沸々と湧き上がる思いを抑えたいのに抑えきれない。かき抱きたいのを必死に我慢するようにひざの上に置く拳に更に力をこめると急に彼女が俺を撫でることをやめ、両手を上げた。

「どうした…?何故急に止めたんだ…?」
「え、あ、レナード様の体に力が入ってるように思ったからやっぱり嫌なのかなって思って…」
「嫌じゃない。ほんとのほんとに嫌なんかじゃないよ。……ただ、俺も要望を言ってもいいだろうか?」

与えられた暴力的ともいえる甘美さを急に取り上げられたからか、抑えようと思っていたのに理性が効かず欲望が追い縋るようにまろび出る。

「俺も、あなたを抱きしめても、いいだろうか…?」

彼女を抱きしめたら最後、彼女を失った後の自分はその熱に一生身を焦がされる。
わかってる。
それをわかっているのに今、目の前の彼女をこの手で抱きしめたい。


たった一瞬の甘美を味わうことで、一生苦しんだとしても、――――抗えない。



彼女がまるで熱を持ったような瞳で俺を見つめながらか細い声で了承した。その瞬間、奪うように彼女を抱きしめその胸に顔を再び埋める。
細い腰を強く抱き、抵抗などしていない彼女を離すものかと強く強く腕に閉じ込めた途端、得も言われぬ心地となった。



これだ。
ずっと求めていた。
心の底から、本能から、
彼女をずっと、生まれたその瞬間から、俺は求めていた。

自分の体の奥底から、そんな叫びが聞こえるようだった。



「……っ、こんなにも……なの、かっ……」



こんなにもリィタというのは甘美なのか。
こんなにも自分を巣食うものなのか。
こんなにも心地いいものなのか。

………こんなにも、愛おしいものなのか。





言葉では言い表せないほど、こんなにも、俺は彼女が……





だからこそ、彼女を手放さないとならない。


父のようになりたくない。
母のようにしたくない。


抗ってみせる、このヤカグの血から。
それで自分が狂うとしても。



絶対に彼女を自分から逃してみせる。



だからほんの僅かのあいだだけ、自分を甘く苦しめる彼女のそばに……――――







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