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ハートマークのダンベル③
しおりを挟む私もそこで思いとどまれればよかった。
ハッキリ「好き」だと気づいてしまってから、“リィタ”という存在を知った。
完全に手遅れだったのだ。
自分の気持ちが報われないというのは、友達の話や小説でたくさん触れてきたけれど、いざ自分が体験してみるとなかなかにつらい。
改めて自分の気持ちを振り返って自嘲の笑みを小さく浮かべた。
ソフィー様は少し目線を落としているからなのか、私の表情には気づかず静かに言葉を続けた。
「でも、せめてあの御方が夢に出てきてほしいと思っておまじないをしたこともあるんです…。って言っても結局夢は目が覚めたらほとんど忘れてしまうんですけどね」
おまじないか。かわいいな。
夢って聞くとどうしてもレナード様の赤ちゃんプレイ悪夢を思い出してしまうなぁ。
そういえば最近のレナード様は何の夢をみているんだろう。初めて一緒に寝た日の朝に「良い夢を見れた」って言っていたけど…。
「でも夢を見たっていうのは覚えてるんですよね?夢ではその人とどんなことをしてるんですか?あ、言いたくないなら言わなくていいですけど」
「言いたくないわけではないのですが、ちょっとお恥ずかしいことで……。ですがアンナさんは『ヌルムキ』仲間ですしお話しちゃいます」
対面で座っていたソフィー様がいそいそと私の隣に腰掛け、同じ部屋にいる侍女さんや護衛さんには聞かれないようになのか耳元で囁いた。
「わたし、実を言いますと筋骨ある男性を甘やかすのが夢なのです…」
「甘やかす?甘えたいのではなくて?」
ソフィー様の声量に従って私も声を落として言った。
「はい。もしかしてアンナさんは甘えたいタイプですか?」
「そうですね。逞しい方には甘えたいなって思っちゃいます……へへ」
「まぁ、お可愛らしいです。わたしも甘えたいという気持ちもあるのですが、やっぱり甘やかしたいという気持ちのほうが強くって。…それはもうドロッドロに♡」
「ドロッドロ……」
「えぇ。ドロッドロ……です♡」
ドロッドロ…。
ソフィー様のような儚げで可憐な美人にはあまり似つかわしくない言葉だが、似つかわしくないからこそなんだか私のほうがゾクゾクしてしまった。
美人おそろしい…。
「あの、甘やかすっていうのは具体的にどうするものなんですか?」
「――――まず、お相手におしゃぶりをつけてあげるのです」
「んんん?」
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