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「ねぇ、リュカ」

「ん?」



 激しいエッチを終えて、リュカに腕枕されながらお互い服を着ずにベッドで休みながら声をかけた。



「私とエッチして、満足できた……?」

「えっ?」



 驚いたのか、リュカの顔が一気に赤くなり、うさ耳がヘッドボードにつくほどピンと立った。



「な、何を……」

「だってほら、名器になる薬じゃなかったから……。さっきは興奮してるから名器だよ、なんて勢いで言ったけど実際リュカはどうだったのかなって思って」

「え、えっと……」

「私はね、なんかもうビックリするくらい気持ち良かったの」

「え」

「あ!気持ちいいだけじゃないんだよ! エッチ中のリュカの色気がすごくてかっこいいし、1つ1つの手つきに優しくて、好きが増えちゃったし、でもとにかくほんとに気持ち良かったの。……でも気持ちいいのは私だけで、名器じゃない私としたリュカはどうだったのかなって思って……」

「はあ~~~~」



 なんだかリュカがとんでもなく大きいため息を吐いている。

 だけど私をギュッと抱き寄せた。裸同士で触れ合うことはエッチ中でなくても気持ちよく、私もリュカの体に抱きついた。



「……あのさ、たぶんだけど、ラーラって名器だと思う」

「えっ!?」



 抱きつく力は弱めず、顔だけ見上げてリュカが少し恥ずかしそうな顔をしていた。好き。



「ほ、ほんとに!?」

「ラーラ以外に経験ないから確証はないけど、本来俺らうさぎ獣人ってあれくらいの回数じゃ満足できないし……」

「そうなんだ……」

「ラーラがとんでも発言したから俺も正直にいうけど、挿れた瞬間頭おかしくなるほど気持ち良すぎて出そうになったんだよね……まぁ結局ラーラに耳噛まれたせいでイッたけど」

「噛んでないよ!リュカの耳が可愛くてちょっと口に入れただけだよ。ッフフ、ごめんね?」

「まぁ、ラーラになら耳食べられても構わないけど」



 微笑みながらそう言ったリュカは、腕の中にいる私の頭を優しく撫でた。

 飽きることなくリュカへの愛しさに胸が苦しくなって、逞しい胸に顔を押し付けるように抱きついた。



「ねぇねぇ、私が名器ってことは私とリュカの相性最高ってことだよね?」

「俺は別にラーラが名器じゃなくてもいいけど……まぁ、正直言ってめちゃくちゃ嬉しいよ。すげぇ気持ち良かったし」

「~~~ッ、もう! エッチなうさぎ獣人さんめ! 大好き!」



 リュカの胸に埋めていた顔を上げ、少し照れているリュカの顔に一瞬見惚れた後、唇が触れ合うだけのキスをした。

 リュカの性欲のスイッチがキスだということは、この身を持って十二分にわかっている。



「っ!……こら、煽んないの」

「どうして?」

「どうしてって……今日はもう体つらいだろ」

「つらくなんかないよ。それに煽ってるんだよ?」

「――っ!」



 満月色の目を大きく見開きながら赤くなっている。それを見て嬉しくなり、リュカの体に抱きつきながら手探りでリュカの男根に触れてみると、先程と同じほどに起立している。



「ちょ、ラーラ……」

「リュカ、大好き」



 リュカのものならこんなところでさえ愛おしい。

 先程は触れられなかったから包むように撫で上げると、ピクってと動いたと同時にリュカの表情にも色が乗り始めた。

 



 リュカの唇にキスをする、――その手前。小さく、でもその長い耳にはしっかりと届くように囁いた。







「大好きなうさぎ獣人くん、名器な私はいかがですか?」








~fin~



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感想 2

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みんなの感想(2件)

ぱら
2024.02.24 ぱら

大変楽しく読ませて頂きました〜
⸜(*ˊᗜˋ*)⸝

ラーラさん煽り上手な名器だね!(。˃ ᵕ ˂ )ƅ

冬見 六花
2024.02.24 冬見 六花

ぱらさん

こちらもお読みくださってありがとうございます!
久々に病みゼロなお話を書いて楽しかったです(*'ω'*)!

ラーラちゃんの無自覚煽りにリュカくんはこれからも苦労することでしょうw

解除
兎月
2024.02.24 兎月

タイトルとタグにR-18表記があると安全かもしれません。

冬見 六花
2024.02.24 冬見 六花

兎月様

アドバイスありがとうございますm(_ _)m
R指定は行っておりましたが、タイトルに表記させていただきました。

解除

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