第六監獄の看守長は、あんまり死なない天使らしい

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混乱を極める公国にて。

天界を追放され、魔界から爪弾きにされ、這這の体で辿り着いたこの場所で、不運にもマッドサイエンティストに拾われた俺は、実験体としては比較的幸運なことに、看守として楽しく過ごしている。


しかし愛すべき公国は、悲しきかな崩壊の最中。

数年前、人類の天敵としてこの国に突如ヴァンピールという存在が現れてからというもの、ただでさえ悲惨な世情はさらに悪化の一途を辿っていた。


しかし幽閉中の愛しい死刑囚594番と、可愛い部下達、ついでに育て親のイかれた官吏に、害が及ばなければそれでいい。

俺は、このままの日常に満足していた。



そんなある日、俺はマッドサイエンティストの官吏から、我が第六監獄において、とある子供を保護するように依頼された。

囚人番号427番として移送されてきた、傷だらけのその子供。

彼は史実上唯一無二の、人類に友好的な、理性を持つヴァンピールらしい。



もちろん官吏には従うが、あまり気が進まない。

なんというかぼんやりと、どうにも嫌な予感がする。


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※一部に残酷・暴力描写がありますので、苦手な方はご注意下さい。


お気に入りの死刑囚、官吏さんから預かったヴァンピール、育て親の官吏、友達の監獄医、様子がおかしい矯正長、可愛い部下の看守たちなど、ちょっと楽しくて、少しだけ狂った平穏な日常が終わりを告げるまでのお話です。

悲しい出来事も多いですが、きっと最後はみんな笑顔になれるはず。
楽しんでいただければ幸いです!
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