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10 最終章
31階——竜
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「しっかりするのよロイド!」
「ど、どうしよう! あたし、やってみようか!?」
「やめてくれ……殺す気か……」
何やら周囲が騒がしい。
なんか、ロイドさんが倒れている。
「どうしたんですか!? う……」
わたしは足の痛みに、蹲った。
太ももの辺りに、鋭い傷痕がある。すごく痛い。
「……はぁ……スズネを、治療してやれ、スードル……」
ロイドさんは、死にかけてるような声をしていた。
周囲に人がいて、よく見えないけど、すごい量の血が見える。
「えっ、ろ、ロイドさんどうして……」
「スズネ、足を出して」
スードルがポーションをかけてくれると、たちまち傷が完治した。
痛みもすっかり引いてしまったので、たぶん強いのを使ってくれたのだと思う。
「ロイドさん、どうしたんですか!?」
「スズネ、来ちゃ駄目だ。見ない方がいい」
アリスメードさんが不吉なことを言う。
わたしは思わず足を止めた。
「エーテルを使うか? もしかしたら効くかもしれない」
「無駄なことを……どうせ、効かない。しばらくは……もつ、ハァ……薬を、薬草があれば……すぐに治る……」
「ロイドさん……?」
何が起こっているのか、わたしにはよく理解できなかった。
とにかく、何か想定外のことが起きて、それでロイドさんが大きな傷を負ったのだろうけど。
何故そうなったのかは、さっぱり分からない。
「大丈夫だよ、命に別状はないみたいだから。ただ、しばらく動けないかもしれないって」
「え……ど、どうして? わたし、よく分かんなくて……敵を見落としてたの?」
「えっと……」
「スードル」
ロイドさんが強い口調で、スードルを止める。
「今……俺のことは、いい……この階層を、抜けることを、考えろ。……いいな、アリス。俺はお前に……お前に言ってんだよアリス」
「……」
アリスメードさんは、わたしに背を向けて立っているので、その表情は分からない。
「アリス! 返事をしろ!」
「……分かってる」
何がどうなってこんな状況になっているのか、わたしには分からない。
ただ、ロイドさんの調子はすこぶる悪いらしい。
アリスメードさんはかなり動揺していた。
動揺していたけど、それを隠している感じだった。
「シアトル、俺はロイドの側にいる。安全な場所を探して、それから……合流する。それまでみんなに、指示をしてくれ」
「分かったわ。それでいいわね、ロイド」
「……あぁ、そうしてくれ」
本当にどうなってるんだろうか。
わたしもなんか足が痛いし、やっぱり魔物に襲われたんだと思うけど。
けれど詳しく聞こうとしたとき、セーフティールームが溶け始めた。
「オーケー、みんな、集中しましょう! フェンネル、前を頼むわよ! スズネは上空へ。様子を見ながら、加勢してほしいわ。レイス、アリスが来るまでは防御に徹して頂戴。テウォン、あなたはロイドと一緒に隠れてるのよ。決して出て来ないで。みんな、行くわよ!」
結局、ロイドさんの容体は教えてもらえなかった。
けど、チラッと横目で盗み見た限りでは、その肩が鋭く抉れていて、ボタボタと血が垂れていた。
「キー!」
ロイドさんはポーションが効かないのに、本当に大丈夫なのだろうかと不安になったけど、でもたぶん、わたしが心配しても仕方のないことなのだろう。
今わたしができることは、とにかく早くここの魔物を倒すことだ。
31階。ここが最後の階層のはず。
目に入ったのは空。高い。久しぶりの日光だ。
偽物だけど眩しくて、わたしは目を細める。
高いところに細い雲が浮かんでいるけれど、概ね快晴。晴れ渡っている。
しかし一方で冬の寒さを感じた。凍えるような風が吹いている。
地面は氷だった。
ところどころに海が見える。……いや、逆だ。
ここは流氷の上。
魔物は頭上にいる。
「リリリリリリ……」
ネコが喉を鳴らすような……いや、どちらかというとサイレンというか鈴の音に似た音が聞こえた。
それはわたしのよく知る竜に見えた。
大空を覆う、大きくて長い体を持つ、雲と同じ色の銀色の竜。
不思議と、こちらを襲って来るような様子はない。
わたしたちなど気にも留めないで、遥か上空をゆっくりと旋回している。
全身は、雪に被ったように白く、鱗は硬く蛇のように滑らかだ。
胸元に青く輝く宝石が埋まっていて、鈍く輝いていた。
その姿は、どこか優雅さすら感じるくらいに神々しい。
魔物というより幻獣に近く、精霊さんたちの住む里にいてもおかしくないような風貌だ。
「キー!」
キースは、竜に向かって飛び立った。
いくら幻獣っぽくても、アレを倒さなければ、わたしたちはここから出られない。
「キース、行くよ!」
気温が低いところにいる魔物だし、きっと炎に弱いはず。
と思ったわたしは、やりすぎないレベルで力を込め、剣に炎を纏わせて叩き斬った。
「わ、わわわー!」
しかし手応えが全然なくて、剣先がウロコで滑ったような感覚だけが手に残る。
竜はというと、わたしのことを認識したらしく、くるくる回って魔術を撃ち出してきた。
空中に現れた魔方陣から、無数の水晶が色んな方向から飛び出して来る。
「キー!!」
キースはそれを避けながら、急降下。
激しく揺れるもふもふの上で、背中にしがみつく。
「こっち、こっち来てー!」
レイスさんが呼んでいる。キースも気づいたみたいで、方向を変えた。
「僕が散らすよ! 真っ直ぐ飛んできて!」
「キー!」
レイスさんの近くにはスードルがいる。スードルに近づくにつれて、魔術の追撃は減っていく。
わたしが後ろを振り返ると、竜が後ろから追いかけて来ていた。
このままじゃ、突撃されてレイスさん諸共地面の流氷が粉々になってしまう。
何か考えがあるんだろうか?
「よーし、いくよスードル! ここも寒いし、きっと熱いのは苦手だよね!」
わたしと同じような思考回路で、レイスさんは魔術を展開し始める。
「スズネ、こっちに引きつけて! 気をつけてね!」
「キース、引き付けるんだって。分かった?」
「キー!」
スードルに言われるまま、わたしたちはレイスさんに向かって飛んでいく。
「レイスさん、準備できましたか!?」
「うん、行くよ! ネット・ノルエレメント・フレイム・オブディバス・プリステッド・バム!」
わたしの背後で、炎が蜘蛛の巣状に開き、一気に視界全体を覆った。
その熱は凄まじく、キースが悲鳴を上げるくらいだ。
一瞬後にそこへ竜が突っ込み、大急ぎで逃げ出したキースとわたしの背後で、大爆発する。
耳を裂くような音が響いた後、わたしは流氷の上へ投げ出された。
「キ!」
キースは小さくなり、着地の衝撃を減らす。
それをわたしが受け止め、転がってさらに衝撃を逃す。
「完璧だよ! ねっ、スードル!」
レイスさんは、見たことない魔術書みたいなものを片手に持っていた。
真っ赤な背表紙、黒いページ。
禍々しすぎてレイスさんには全然似合わない。
スードルのブレスレットもそうだけど、魔術のアイテムってこういう感じのものが多いのだろうか。
「油断しないのよ、レイス」
「はいはーい、分かってるよー!」
竜は炎に包まれたまま、流氷の上を滑り落ち、水の中に落ちていった。
「……」
「……」
しばらくの静寂が流れた。
しかし、竜は再び現れた。
その姿は、先ほどの優雅な姿から大きく変化していた。
水を跳ね飛ばしながら大きな流氷の上に現れた竜の体は、頑丈な四つ足と、大きな鉤爪を持っていた。
その首は太く、背中には翼がある。
わたしがゲームなんかでよく知るドラゴン、いわゆる青竜そのままの姿だったけど、その迫力はVRにすら全く引けを取らない。
キースだったら20匹まとめて丸呑みにできそうな大きな口、水晶に覆われた鋭い眼、鱗の一枚一枚が、わたしの肋骨くらいのサイズ。
胸元に輝く青い宝石が、鈍く不気味に輝いた。
思わずヒュウと息を呑んでしまいそうな、巨大な魔物だ。
「リリリリリリ…………」
その姿に似合わない、涼やかな鳴き声。
けれど確かな殺意を感じる。
ダンジョンにおける部外者を、確実に抹殺するための存在としての殺意を。
「本番はここから、ってことかしら?」
「そうみたいですね」
「キー!」
「威嚇はいいから」
「えへへ、そうこなくっちゃねー!」
「僕は、これで終わりが良かったですけど……」
「シアトル! 俺も加わる!」
アリスメードさんは、相変わらず上空を飛んでいる。
ロイドさんとテウォンは、安全なところに避難させたみたいだ。
「ここは足場が悪い、氷でできてる。少し衝撃を与えると亀裂が入った」
「下は水かしら?」
「そうみたいだ。さっき触ってみたけど、ものすごく冷えてる」
流氷が浮いているだけあって、水は冷たいらしい。
やっぱりこのドラゴンさんは、氷属性なのかな……
「リリリリリ!」
警戒音みたいな音がした。
ドラゴンは大きく口を開けている。
「避けろ!」
言われるまでもなく、わたしはキースに飛び乗ってその場を離れる。
そしてさっきまでいた流氷の上は、一瞬で青い炎に包まれた。
「ど、どうしよう! あたし、やってみようか!?」
「やめてくれ……殺す気か……」
何やら周囲が騒がしい。
なんか、ロイドさんが倒れている。
「どうしたんですか!? う……」
わたしは足の痛みに、蹲った。
太ももの辺りに、鋭い傷痕がある。すごく痛い。
「……はぁ……スズネを、治療してやれ、スードル……」
ロイドさんは、死にかけてるような声をしていた。
周囲に人がいて、よく見えないけど、すごい量の血が見える。
「えっ、ろ、ロイドさんどうして……」
「スズネ、足を出して」
スードルがポーションをかけてくれると、たちまち傷が完治した。
痛みもすっかり引いてしまったので、たぶん強いのを使ってくれたのだと思う。
「ロイドさん、どうしたんですか!?」
「スズネ、来ちゃ駄目だ。見ない方がいい」
アリスメードさんが不吉なことを言う。
わたしは思わず足を止めた。
「エーテルを使うか? もしかしたら効くかもしれない」
「無駄なことを……どうせ、効かない。しばらくは……もつ、ハァ……薬を、薬草があれば……すぐに治る……」
「ロイドさん……?」
何が起こっているのか、わたしにはよく理解できなかった。
とにかく、何か想定外のことが起きて、それでロイドさんが大きな傷を負ったのだろうけど。
何故そうなったのかは、さっぱり分からない。
「大丈夫だよ、命に別状はないみたいだから。ただ、しばらく動けないかもしれないって」
「え……ど、どうして? わたし、よく分かんなくて……敵を見落としてたの?」
「えっと……」
「スードル」
ロイドさんが強い口調で、スードルを止める。
「今……俺のことは、いい……この階層を、抜けることを、考えろ。……いいな、アリス。俺はお前に……お前に言ってんだよアリス」
「……」
アリスメードさんは、わたしに背を向けて立っているので、その表情は分からない。
「アリス! 返事をしろ!」
「……分かってる」
何がどうなってこんな状況になっているのか、わたしには分からない。
ただ、ロイドさんの調子はすこぶる悪いらしい。
アリスメードさんはかなり動揺していた。
動揺していたけど、それを隠している感じだった。
「シアトル、俺はロイドの側にいる。安全な場所を探して、それから……合流する。それまでみんなに、指示をしてくれ」
「分かったわ。それでいいわね、ロイド」
「……あぁ、そうしてくれ」
本当にどうなってるんだろうか。
わたしもなんか足が痛いし、やっぱり魔物に襲われたんだと思うけど。
けれど詳しく聞こうとしたとき、セーフティールームが溶け始めた。
「オーケー、みんな、集中しましょう! フェンネル、前を頼むわよ! スズネは上空へ。様子を見ながら、加勢してほしいわ。レイス、アリスが来るまでは防御に徹して頂戴。テウォン、あなたはロイドと一緒に隠れてるのよ。決して出て来ないで。みんな、行くわよ!」
結局、ロイドさんの容体は教えてもらえなかった。
けど、チラッと横目で盗み見た限りでは、その肩が鋭く抉れていて、ボタボタと血が垂れていた。
「キー!」
ロイドさんはポーションが効かないのに、本当に大丈夫なのだろうかと不安になったけど、でもたぶん、わたしが心配しても仕方のないことなのだろう。
今わたしができることは、とにかく早くここの魔物を倒すことだ。
31階。ここが最後の階層のはず。
目に入ったのは空。高い。久しぶりの日光だ。
偽物だけど眩しくて、わたしは目を細める。
高いところに細い雲が浮かんでいるけれど、概ね快晴。晴れ渡っている。
しかし一方で冬の寒さを感じた。凍えるような風が吹いている。
地面は氷だった。
ところどころに海が見える。……いや、逆だ。
ここは流氷の上。
魔物は頭上にいる。
「リリリリリリ……」
ネコが喉を鳴らすような……いや、どちらかというとサイレンというか鈴の音に似た音が聞こえた。
それはわたしのよく知る竜に見えた。
大空を覆う、大きくて長い体を持つ、雲と同じ色の銀色の竜。
不思議と、こちらを襲って来るような様子はない。
わたしたちなど気にも留めないで、遥か上空をゆっくりと旋回している。
全身は、雪に被ったように白く、鱗は硬く蛇のように滑らかだ。
胸元に青く輝く宝石が埋まっていて、鈍く輝いていた。
その姿は、どこか優雅さすら感じるくらいに神々しい。
魔物というより幻獣に近く、精霊さんたちの住む里にいてもおかしくないような風貌だ。
「キー!」
キースは、竜に向かって飛び立った。
いくら幻獣っぽくても、アレを倒さなければ、わたしたちはここから出られない。
「キース、行くよ!」
気温が低いところにいる魔物だし、きっと炎に弱いはず。
と思ったわたしは、やりすぎないレベルで力を込め、剣に炎を纏わせて叩き斬った。
「わ、わわわー!」
しかし手応えが全然なくて、剣先がウロコで滑ったような感覚だけが手に残る。
竜はというと、わたしのことを認識したらしく、くるくる回って魔術を撃ち出してきた。
空中に現れた魔方陣から、無数の水晶が色んな方向から飛び出して来る。
「キー!!」
キースはそれを避けながら、急降下。
激しく揺れるもふもふの上で、背中にしがみつく。
「こっち、こっち来てー!」
レイスさんが呼んでいる。キースも気づいたみたいで、方向を変えた。
「僕が散らすよ! 真っ直ぐ飛んできて!」
「キー!」
レイスさんの近くにはスードルがいる。スードルに近づくにつれて、魔術の追撃は減っていく。
わたしが後ろを振り返ると、竜が後ろから追いかけて来ていた。
このままじゃ、突撃されてレイスさん諸共地面の流氷が粉々になってしまう。
何か考えがあるんだろうか?
「よーし、いくよスードル! ここも寒いし、きっと熱いのは苦手だよね!」
わたしと同じような思考回路で、レイスさんは魔術を展開し始める。
「スズネ、こっちに引きつけて! 気をつけてね!」
「キース、引き付けるんだって。分かった?」
「キー!」
スードルに言われるまま、わたしたちはレイスさんに向かって飛んでいく。
「レイスさん、準備できましたか!?」
「うん、行くよ! ネット・ノルエレメント・フレイム・オブディバス・プリステッド・バム!」
わたしの背後で、炎が蜘蛛の巣状に開き、一気に視界全体を覆った。
その熱は凄まじく、キースが悲鳴を上げるくらいだ。
一瞬後にそこへ竜が突っ込み、大急ぎで逃げ出したキースとわたしの背後で、大爆発する。
耳を裂くような音が響いた後、わたしは流氷の上へ投げ出された。
「キ!」
キースは小さくなり、着地の衝撃を減らす。
それをわたしが受け止め、転がってさらに衝撃を逃す。
「完璧だよ! ねっ、スードル!」
レイスさんは、見たことない魔術書みたいなものを片手に持っていた。
真っ赤な背表紙、黒いページ。
禍々しすぎてレイスさんには全然似合わない。
スードルのブレスレットもそうだけど、魔術のアイテムってこういう感じのものが多いのだろうか。
「油断しないのよ、レイス」
「はいはーい、分かってるよー!」
竜は炎に包まれたまま、流氷の上を滑り落ち、水の中に落ちていった。
「……」
「……」
しばらくの静寂が流れた。
しかし、竜は再び現れた。
その姿は、先ほどの優雅な姿から大きく変化していた。
水を跳ね飛ばしながら大きな流氷の上に現れた竜の体は、頑丈な四つ足と、大きな鉤爪を持っていた。
その首は太く、背中には翼がある。
わたしがゲームなんかでよく知るドラゴン、いわゆる青竜そのままの姿だったけど、その迫力はVRにすら全く引けを取らない。
キースだったら20匹まとめて丸呑みにできそうな大きな口、水晶に覆われた鋭い眼、鱗の一枚一枚が、わたしの肋骨くらいのサイズ。
胸元に輝く青い宝石が、鈍く不気味に輝いた。
思わずヒュウと息を呑んでしまいそうな、巨大な魔物だ。
「リリリリリリ…………」
その姿に似合わない、涼やかな鳴き声。
けれど確かな殺意を感じる。
ダンジョンにおける部外者を、確実に抹殺するための存在としての殺意を。
「本番はここから、ってことかしら?」
「そうみたいですね」
「キー!」
「威嚇はいいから」
「えへへ、そうこなくっちゃねー!」
「僕は、これで終わりが良かったですけど……」
「シアトル! 俺も加わる!」
アリスメードさんは、相変わらず上空を飛んでいる。
ロイドさんとテウォンは、安全なところに避難させたみたいだ。
「ここは足場が悪い、氷でできてる。少し衝撃を与えると亀裂が入った」
「下は水かしら?」
「そうみたいだ。さっき触ってみたけど、ものすごく冷えてる」
流氷が浮いているだけあって、水は冷たいらしい。
やっぱりこのドラゴンさんは、氷属性なのかな……
「リリリリリ!」
警戒音みたいな音がした。
ドラゴンは大きく口を開けている。
「避けろ!」
言われるまでもなく、わたしはキースに飛び乗ってその場を離れる。
そしてさっきまでいた流氷の上は、一瞬で青い炎に包まれた。
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