滅びる異世界に転生したけど、幼女は楽しく旅をする!

白夢

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10 最終章

友情戦争

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 さすがはアリスメードさん。立派な宿だ。

 さすがに丸ごと貸切りってわけにはいかなかったみたいだけど、ギルドに匹敵するくらいに大きくて立派な建物。もちろん獣舎つき。

「迷いそう……」
「キー」

 夕食後の帰宅時間だったので、出入りする冒険者の人も多く、わたしはすっかりその迫力に気圧される。

「すげー人だな」
「うん……」
「オマエ、ここになんか用があるの?」
「うん、アリスメードさんたちに会いに……って、えぇ!? て、テウォン!?」

 当然のように、そこにはテウォンが突っ立っていた。
 絶対さっきまでいなかったはずなのに。


「な、ななななんでここに?」

 いつもいつの間にかついてきてるから、テウォンがいること自体はいつも通りだ。
 

 でも、今日は違う。
 
 わたしは気をつけていた。
 
 着いてくるかなーと、なんとなく思って、振り切れたらいいなーと、遠回りして、色々寄り道して、船とか使って、ここまで来たのだ。

 なのに、当然のようにいる。


「クドが教えてくれたからな」
「びっくりするじゃん! なんで黙ってついてくるの?」

「着いてきたわけじゃねーよ。オマエの目的地に、先に来ただけで。オレは待ってただけだよ」


 そういえば、未来視使いの異次元のストーカーだった。
 
 駄目だ、テウォンは絶対に振り切れない。
 わたしは諦め、キースを呼んで抱っこした。いい加減、覚悟を決めなきゃ。


「テウォンも来る?」
「来るって、どこに?」
「アリスメードさんのとこ。テウォンはわたしの友達だし、ここまで来ちゃったし」

「……」
「どうする? やめとく?」
「……行く」

 テウォンは、ニヤッと嬉しそうに笑ってそう言った。

 わたしも一人じゃ心細かったし、ちょうどいいや。


「あらまぁ、こんなところに可愛い子が2人でいたら、摘み出されちゃうわよ?」

 声をかけてくれたのは、シアトルさんだった。
 宿の中から出てきたところを見ると、迎えに来てくれたみたいだ。


「その子は? スズネのボーイフレンドかしら?」
「えと、フレンドではあるんですけど、友達です。わたしがお世話になってるとこの。テウォンです」
「スズネには可愛いお友達もいたのね、安心したわ」

 ……どういう意味だろう?
 わたしはシアトルさんの真意を少し考えてみたけど、結局よく分からなかった。


「一緒に来るのかしら?」
「あ、えーっと、もし良ければ」
「いいわよ。はぐれないようにね」

 あっさりと快諾してくれたシアトルさんに連れられて、わたしたちは大きな建物の中に入る。


 煌びやかなエントランスは広く、王都のギルドを思わせる。頭上にはシャンデリア。
 宿というより、もうホテルだ。凄すぎる。

「すごく大きいですね……」
「ええ、4階建てだそうよ。わたしたちは2階だけど」

 階段となると4階建ては大変そうだけど、2階ならすぐだ。テウォンと一緒に上る。


 すれ違う人たちも、巨大な武器を担いでたり、かっこいいローブで統一されてたり、一目見て強そうな人が多い。

「すごいですね……全部冒険者さんですか?」
「ほとんどはそうよ。研究者と騎士団も混ざってるけど。ハーイ、サンドラ」
「ハーイ。あら、その子達は?」
「知り合いの子よ。脅かさないで頂戴ね」
「シアトルの友達なら、誰も文句言わないわ」

 すれ違った冒険者の人に手を振りながら、シアトルは歩き続ける。

「今の人は?」
「昔の仲間よ。私、顔が広いの。見直したかしら?」

 見直したも何も、元からシアトルさんの顔は広い。
 テウォンは真面目に頷いてたけど。


「この部屋よ」

 シアトルさんが扉を開けると、やっぱり広い玄関が広がっていた。

 大理石のラグに、魔法陣のシャンデリア。
 宝石が埋め込まれた壁とか、あちこちにある鏡とか……鏡?

「あの、シアトルさん……どうして鏡に布がかかってるんですか?」
「ロイドが嫌がるのよ。あの子、今ちょっと神経質になってるから。寝室には入らないであげて頂戴」

 ロイドさん……順調に闇が増してるなぁ。大丈夫かなぁ。


「アリス、連れて来たわよ」

 リビングはさらに煌びやかだった。頭が痛くなりそうなくらい。
 
 ピカピカに磨かれた柱、床、壁、窓。
 カーテンの隙間から覗く、大きな大きな窓の外は庭になっているけど、地面は石だ。

 ソファとカーテンだけは革製だったけど、そのほかは全部、石か金属、または水晶でできている。
 何もかもがひやっとしていて冷たくて、キラキラだ。


 でも部屋には、アリスメードさんはいなかった。
 いたのはロイドさんだけだ。

「あらロイド、いたの? 調子がいいみたいね」

 調子がいいようには到底見えないロイドさんが、ダイニングテーブルに伏して呻いている。
 
 目の前にグラスがあるのを見ると、お酒を飲んでいたみたいだ。
 

「……あぁ……昨日よりはいい……」

 割と素敵な部類だったはずのクールな声も、今は酷い酒焼けのガラガラ声。

「……親戚のおじさんに似てる」
「いつもはああじゃないんだよ、すごくカッコいい人なの」

 わたしは、ボソッと呟くテウォンに言い訳する。

 ロイドさんは顔を上げないので、テウォンに気が付いてないらしい。
 

「次の攻略には行けそう?」
「あと……うぅ……そうだな、2日あれば……」
「あらそう、それは良かった。ところでアリスは?」
「カーテンを開けろ……俺は……寝るから……」

 ロイドさんは、静かに寝息を立て始めた。

 
「……どうしたんですか?」

「素朴な場所が好きでしょ、ロイドは。こういう場所は苦手なのよ。いつもは郊外の宿を取るんだけど、ここしかないって言われたのよね。獣舎にも入れないし、すっかり参っちゃってるのよ。これでも回復した方よ」

 と、ドライでクールなシアトルさんは、カーテンを開けた。もうちょっと心配してあげて。

 窓の外には、アリスメードさんたちがいる。
 アリスメードさんとフェンネルさん、レイスさんが喋っていて、スードルが後ろを向いて何かしている。


 フェンネルさんがすぐに気がつき、アリスメードさんを小突いて、スードルを呼んだ。
 
 スードルが走ってきて、シアトルさんより先に窓を開けた。


「スズネ、来てくれたんだね! ほら、お菓子があるよ。ガーデンで食べ……えっと、その子は?」

 スードルは、テウォンを見て首を傾げる。

「テウォンっていうの。わたしの友達」
「あ、もしかして、宿屋の子?」
「うん」

 スードルは、ニコニコ笑って、「よろしくね」と手を差し出す。
 

「……オマエの友達?」

 と、テウォンはわたしに聞く。
 
「うん、そうだよ。スードル」
「……ふぅん」

 テウォンは訝しげに手をとり、スードルと握手した。
 なんでそんな態度なんだろう……
 

「テウォンなの!?」

 そのとき、聞き覚えのある声が聞こえた。

 あれ、と思う間もなく飛び出してきたのは、クルルさんだ。

「クルルさん!」
「え、なんでクルルがいるんだよ」

 クルルさんは、小さな体に大きなノートを抱えて、自慢そうに胸を張った。
 
「クルルはお仕事で来てるの! クルルはこの街一番の鍛治職人、工房の再開が決まった今、引っ張りだこに決まってるの~!」

「工房、もう再開できるんですか?」
「もちろんなの! テウォンも忙しくなるの!」
「忙しくなるのはいいけどさ、ちゃんと給料払えよな」


 クルルさんもいるなんて、思わぬ嬉しいサプライズだ。

 石畳の床を踏むと、カンカンカンと音がする。
 
 アリスメードさんとフェンネルさんが、ガラスのテーブルの前についていて、レイスさんはわたしに手を振った。


「そういえば、スズネの剣も見てあげるの。工房に持ってくるの!」
「えっそんな、いいんですか? 忙しいのに……」
「スズネはククルの友達、もちろん優先してあげるの! 割増料金で!」
「わ、割増……あんまり高いのはダメですよ?」
「きししし! まいどあり、なの~!」

 ククルさんは、職人じゃなくて商売人なのかもしれない。
 

「それじゃ、ククルは失礼するの!」
「えっ、もう帰っちゃうんですか?」

「仕事がいっぱい残ってるの。今日お店でお預かりしたお客さんの大事な相棒は、きっちりお手入れして、ご注文通りの調整をするの。5日後にはお渡しできるの!」
「分かった」

 フェンネルさんは、満足そうに頷く。
 よく見ると、いつも肌身離さない剣を持っていない。クルルさんのこと、信用してるんだな。
 

「やっぱり、知り合いだったんだねー! スズネの知り合いなら、安心だよ! ねっ、フェンネル!」
「……うん。あの剣の刀鍛冶なら、信頼できる」

「きしし、ありがとなの! 嬉しいの!」

 クルルさんは本当に嬉しそうに、ぴょんぴょん跳ねた。
 見た目が3、4歳なので、すごく可愛い。


「……ちなみにシアトル、その男の子は?」
「スズネの彼氏よ。可愛い子だったから、連れて来ちゃったわ」
「彼氏!?」
「彼氏!?」
「チガウ!! トモダチ!!」

 シアトルさんの冗談に、なぜかアリスメードさんとスードルがびっくりした。
 そしてキースがムキになって否定した。……本当になんで?
 
 
「彼氏ってわけじゃないです、ただの友達です」

 わたしは肩を竦めてそう言った。
 なんでそんなにびっくりしてるんだろ……わたしに彼氏がいるのが、そんなに意外なんだろうか。
 
 別にいいんだけど、釈然としない。
 

「ただの友達じゃねーだろ。親友」

 と、当のテウォンはそう言って、さっそくお菓子に手を伸ばしている。


「スズネはまだ小さいんだから、好きな人とかはまだ早いんじゃないか?」
「あははは、アリスが焦ってる。お父さんみたい」

 違うと言っているのに、アリスメードさんが動揺している。
 レイスさんはケラケラ笑って楽しそうだ。
 

「親友なんだね、じゃ、僕の次の親友ってことだね」
「……は?」

 スードルの言葉に、何故かテウォンが明らかにイラッとして、食べかけのお菓子を置く。

「いや、オレは一番の親友だから」
「でも、僕の方が先に出会ってるよ」

 スードルも、穏やかにだけどしっかりと確実に言い返す。
 
 
 そんなことどうでもいいのに。
 わたしはスードルが焼いたスコーンに手を伸ばした。


「は? 出会ったタイミングとか関係ないだろ」
「関係あるに決まってるじゃん。長い間付き合ってる方が仲良しに決まってるでしょ?」

 スードル、レイスさんについては「順番は問題じゃないよ」とか言ってなかったかな。
 何を言い争ってるんだろう……どうでもいい。
 

「そもそも僕、冒険者だよ。君は宿屋の息子でしょ? 僕の方がスズネに相応しいよね?」
「息子じゃなくて、弟だよ。オレ、鉱夫もやったことあるし? 大体さぁ、オレの方がスズネと歳近いんだから、仲良いに決まってんだろ」

「僕、スズネとはもう何度も会ってるんだよ? コムギ村で2回、王都で1回……」
「はぁ? 回数で言ったら、オレは毎日一緒に晩飯食ってんだよ」

「それをカウントするなら、僕は一緒の宿で泊まってるよ。君はご飯食べてるだけだよね? 僕の方がじゃん」
「スズネは、オレの命を助けてくれたんだよ。オレの方が

「それ、一方的に助けられただけじゃん。僕はスズネに魔術を教えてあげたんだよ?」
「ふーん。オレはクルルのことを紹介したけど? スズネの今の強さは、オレのおかげなんだよ」

「へー、僕は魔道士でもあるし、魔力の勉強をしたんだ。スズネは魔法に熱心だし、話が合うよ。お互いを高め合える」

「まどーし? そんなことより、オレは幻獣飼ってるから、オレの方が話は合うんだけど」


 謎のマウントの取り合いが続いている。
 なんでそんなどうでもいいことを、言い争ってるんだろうな……

「ねー、2人とも親友でいいでしょー?」

 と、わたしは言う。
 
「は? オレの方が仲良いし」
「んーと、僕の方が仲良しって言ってるんだけどなー」

 ……駄目みたいだ。
 わたしは諦めて肩をすくめ、お菓子を食べる。おいしい。
 

「あはは、面白ーい! 頑張れスードル!」
「スードルは押せば折れるわよ、もう一押し」
「……何の話?」

 レイスさんとシアトルさんが面白がっていて、フェンネルさんはよく分かってないらしい。

 言うまでもなくわたしは興味がないので、またスコーンに手を伸ばす。


「キー……キ!」
「え、どしたの急に」

 キースは、何の前触れもなく人の姿になって、わたしのことを後ろから抱きしめた。
 抱っこならそのままの方が、便利なんだけどな……
 

「キースが、いちばん!」

 キースはよく通る甲高い声で自慢げに宣言し、わたしの頭に顎を乗せた。


「……」
「……」

 言い争っていた二人は沈黙し、キースを見た。
 わたしも振り返って上を見上げ、キースを見た。

 めちゃめちゃなドヤ顔だ。勝ち誇っている。アッパーを入れてやろうかな。


「……そうだな」
「……そうだね」

 パンチしたくてうずうずしていたわたしとは違い、テウォンとスードルは大人だった。

 二人は納得し、何故かお互いの健闘を讃えるように握手した。
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