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10 最終章
湖上のギルド
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鉱山は様変わりしていた。
アリスメードさんたちがいくらAランクの冒険者パーティだといっても、どうしようもないくらいに様変わりしていた。
「……ねえキース、ここって……湖じゃなかったよね?」
ちょうどクレーターみたいに凹んでいた街のほとんどは半分ほど水没していた。
ギルド本部も半分以上が水没し、往来する人々はボートの上。
魔獣がたくさん出て来たとかならまだ、どうにかしようもあっただろうけど、巻き込まれたらアリスメードさんたちも無事では済まなかっただろう。
わたしは、街の入り口から出ている定期船に乗り、ギルドに向かった。
「お嬢ちゃん、この街は初めてかい?」
「違います。ダンジョンがどうとかって、大変だって聞いて……わたし、友達が心配で来たんです。宿をしてたんですけど、きっと……どこかに避難したのかな」
「宿屋の子か、そうだなぁ。俺たちも大変だったが、宿屋なんてもっと大変だったろうな」
陽気な船乗りのおじさんは、どうやらもともと鉱夫をしていたらしい。
しかし街と同時に坑道もほとんどが水没し、無事な部分はダンジョンへと変貌し、彼らは職を失ってしまった。
「だが、こうして船渡しの仕事は残ってる。この水のせいで俺らは鉱山を奪われたが、新しい仕事をもらったってわけだ。ま、鉱夫ほど稼げるわけじゃねーが、鉱夫ほどキツい仕事でもない。こっちの方が安心だって、俺の娘は喜んでるくらいだよ」
「生活の拠点はどこなんですか? お家も沈んじゃってそうですけど……」
「高原の方に移った奴もいるが、街の周りに避難所がある。多分、嬢ちゃんの友達もそこにいるんじゃねーかな。ギルドが作った簡易キャンプがあって、場所によってはすっかり元の街みたいになってるらしい」
「そのキャンプはどこに?」
「ギルドの方で聞いてみてくれよ。街の周囲の、できるだけ平らなところを縫うように作ったから、色んなところにあるんだ」
水は不思議と透き通っていて、生活そのままに沈んでしまった街が見える。
まるで水中都市だ。
もし人魚さんなんかがこの世界にいたのなら、こういう街に住んでたりするんだろうか。
街を間近から見下ろすことなんて滅多にないので、不謹慎かもしれないけど、その光景には惹きつけられるような魅力があった。
「こんにちはー……」
やっつけというか突貫というか、とにかくそういう雑さがところどころに見受けられるエントランスを抜けて、わたしはカウンターに辿り着く。
何故かあんまり人がいない。ダンジョン近くのギルドだから、たくさん人がいると思ってたんだけど。
受付をやっていたのは、いつか、わたしにスポナーの説明とかをしてくれたお兄さんだ。
向こうはわたしのこと、覚えてないだろうけど……
「お、もしかして、嬢ちゃん、スズネじゃないか?」
「え、わたし、そうです……けど」
「嬢ちゃん、立派になったなぁ、見違えたよ。覚えてるか? この前、ここに来てくれたときに案内したんだけど」
お兄さんの方も、わたしのことを覚えていてくれたようだ。
ちょっと嬉しい。
「わたしのこと、覚えててくれたんですね」
「幻獣連れた女の子なんて、そんな珍しいもの、なかなか忘れないだろ」
そういえばわたしには、この白いもふもふがいたんだった。これは確かに目立つか。
「キー?」
「わたし、クルルさんっていうドワーフさんを探してるんです。知りませんか? 工房をしてたと思うんですけど」
「工房がどの辺りにあったか分かるか? 避難所は、もともと住んでた場所で分けられてるんだよ」
ちょっと記憶が曖昧だったけど、大体の場所は覚えていた。
わたしはお兄さんにキャンプの場所とか船の乗り場を教えてもらって、お礼を言う。
「あ、ちょっと待ってくれ。嬢ちゃん、ここのダンジョンの攻略には行かないのか?」
「わたし、ダンジョンの経験がないんです。だから一人では行かないかなって。……そういえば、アリスメードさんってここにいますか? もし、アリスメードさんに誘われたら、行こうと思うんですけど」
「アリスメード……って、Aランクパーティのワンダーランドか? そういえば、最近子供と仲良くなったとか、言ってたような。嬢ちゃんのことだったのか。帰還の予定、調べてみるよ」
「お願いします」
お兄さんは一旦裏に引っ込んで、それから何か書いてある紙束みたいなのを持って戻って来た。
「10日間の調査の予定だそうだ。ついこの間行ったらしくて、帰還は8日後」
「分かりました。ありがとうございます」
やっぱりアリスメードさんたちも、ダンジョンの攻略をしていたらしい。
どのくらい大きいか分からないけど、やっぱり一筋縄ではいかないんだろうか。
「……ところで、また話は変わるんですけど」
「なんだ、まだあるのか?」
「ここ、すごく人が少ないですけど……どうしてですか? ダンジョンもできたし、冒険者の人がいっぱいいるのかと思ってました」
「ああ、キャンプの方に、ダンジョン前支部が別にあるからな。ダンジョンの関係はそっちで請け負ってるんだ。船とか、街のこととか、そういう生活のことは今まで通りこっちでやってるんだけどな。ほら、あんまりたくさん入ったら、こっちのギルドじゃ沈みそうだろ?」
「あ、あー、確かに……そうかも、ですね」
そんな笑っていいのか分からないような冗談を聞き流しながら、わたしはふと依頼がたくさん貼ってある掲示板に目をやった。
いつも通りというか、そこにはたくさんの依頼があった。
いつも通りというか、いつも以上に。
「依頼もたくさんあるんですね。これ全部、ダンジョン以外の依頼なんですか?」
「そうだよ。なかなか片付かないんだ。難易度は高くないはずなんだけどな、冒険者が来ないから」
「どんな依頼ですか?」
「あぁ……何かを探してほしいって依頼がほとんどだよ。大切な思い出の品、形見を探してくれって依頼や、遺体を探してほしいってのもある」
「……遺体……」
「みんながみんな、避難が間に合ったわけじゃないからな。怪我人や病人の中には、動けないまま逃げ場を失ったって人も多い。何しろ水中だ。呼吸ができる冒険者は少ないし、今は海の方で魔獣が異常発生してて、騎士団も忙しい。守れなかった命より、守れる命が優先なんだ……仕方ないことだけどな」
突然街全体が沈んだわけだし、そりゃあ、犠牲者は多かったはずだ。
その日から長い時間が経ったはずなのに、まだ遺体が……
「……あの、わたし、依頼受けますよ。潜るのは得意なんです。久しぶりだけど」
「キー……?」
「受けてくれるのか? そりゃ、依頼者も喜ぶよ」
「キー、キーキー……」
「もちろんです」
キースはちょっと嫌そうだった。けど、わたしはその抗議を無視することにした。
アリスメードさんたちがいくらAランクの冒険者パーティだといっても、どうしようもないくらいに様変わりしていた。
「……ねえキース、ここって……湖じゃなかったよね?」
ちょうどクレーターみたいに凹んでいた街のほとんどは半分ほど水没していた。
ギルド本部も半分以上が水没し、往来する人々はボートの上。
魔獣がたくさん出て来たとかならまだ、どうにかしようもあっただろうけど、巻き込まれたらアリスメードさんたちも無事では済まなかっただろう。
わたしは、街の入り口から出ている定期船に乗り、ギルドに向かった。
「お嬢ちゃん、この街は初めてかい?」
「違います。ダンジョンがどうとかって、大変だって聞いて……わたし、友達が心配で来たんです。宿をしてたんですけど、きっと……どこかに避難したのかな」
「宿屋の子か、そうだなぁ。俺たちも大変だったが、宿屋なんてもっと大変だったろうな」
陽気な船乗りのおじさんは、どうやらもともと鉱夫をしていたらしい。
しかし街と同時に坑道もほとんどが水没し、無事な部分はダンジョンへと変貌し、彼らは職を失ってしまった。
「だが、こうして船渡しの仕事は残ってる。この水のせいで俺らは鉱山を奪われたが、新しい仕事をもらったってわけだ。ま、鉱夫ほど稼げるわけじゃねーが、鉱夫ほどキツい仕事でもない。こっちの方が安心だって、俺の娘は喜んでるくらいだよ」
「生活の拠点はどこなんですか? お家も沈んじゃってそうですけど……」
「高原の方に移った奴もいるが、街の周りに避難所がある。多分、嬢ちゃんの友達もそこにいるんじゃねーかな。ギルドが作った簡易キャンプがあって、場所によってはすっかり元の街みたいになってるらしい」
「そのキャンプはどこに?」
「ギルドの方で聞いてみてくれよ。街の周囲の、できるだけ平らなところを縫うように作ったから、色んなところにあるんだ」
水は不思議と透き通っていて、生活そのままに沈んでしまった街が見える。
まるで水中都市だ。
もし人魚さんなんかがこの世界にいたのなら、こういう街に住んでたりするんだろうか。
街を間近から見下ろすことなんて滅多にないので、不謹慎かもしれないけど、その光景には惹きつけられるような魅力があった。
「こんにちはー……」
やっつけというか突貫というか、とにかくそういう雑さがところどころに見受けられるエントランスを抜けて、わたしはカウンターに辿り着く。
何故かあんまり人がいない。ダンジョン近くのギルドだから、たくさん人がいると思ってたんだけど。
受付をやっていたのは、いつか、わたしにスポナーの説明とかをしてくれたお兄さんだ。
向こうはわたしのこと、覚えてないだろうけど……
「お、もしかして、嬢ちゃん、スズネじゃないか?」
「え、わたし、そうです……けど」
「嬢ちゃん、立派になったなぁ、見違えたよ。覚えてるか? この前、ここに来てくれたときに案内したんだけど」
お兄さんの方も、わたしのことを覚えていてくれたようだ。
ちょっと嬉しい。
「わたしのこと、覚えててくれたんですね」
「幻獣連れた女の子なんて、そんな珍しいもの、なかなか忘れないだろ」
そういえばわたしには、この白いもふもふがいたんだった。これは確かに目立つか。
「キー?」
「わたし、クルルさんっていうドワーフさんを探してるんです。知りませんか? 工房をしてたと思うんですけど」
「工房がどの辺りにあったか分かるか? 避難所は、もともと住んでた場所で分けられてるんだよ」
ちょっと記憶が曖昧だったけど、大体の場所は覚えていた。
わたしはお兄さんにキャンプの場所とか船の乗り場を教えてもらって、お礼を言う。
「あ、ちょっと待ってくれ。嬢ちゃん、ここのダンジョンの攻略には行かないのか?」
「わたし、ダンジョンの経験がないんです。だから一人では行かないかなって。……そういえば、アリスメードさんってここにいますか? もし、アリスメードさんに誘われたら、行こうと思うんですけど」
「アリスメード……って、Aランクパーティのワンダーランドか? そういえば、最近子供と仲良くなったとか、言ってたような。嬢ちゃんのことだったのか。帰還の予定、調べてみるよ」
「お願いします」
お兄さんは一旦裏に引っ込んで、それから何か書いてある紙束みたいなのを持って戻って来た。
「10日間の調査の予定だそうだ。ついこの間行ったらしくて、帰還は8日後」
「分かりました。ありがとうございます」
やっぱりアリスメードさんたちも、ダンジョンの攻略をしていたらしい。
どのくらい大きいか分からないけど、やっぱり一筋縄ではいかないんだろうか。
「……ところで、また話は変わるんですけど」
「なんだ、まだあるのか?」
「ここ、すごく人が少ないですけど……どうしてですか? ダンジョンもできたし、冒険者の人がいっぱいいるのかと思ってました」
「ああ、キャンプの方に、ダンジョン前支部が別にあるからな。ダンジョンの関係はそっちで請け負ってるんだ。船とか、街のこととか、そういう生活のことは今まで通りこっちでやってるんだけどな。ほら、あんまりたくさん入ったら、こっちのギルドじゃ沈みそうだろ?」
「あ、あー、確かに……そうかも、ですね」
そんな笑っていいのか分からないような冗談を聞き流しながら、わたしはふと依頼がたくさん貼ってある掲示板に目をやった。
いつも通りというか、そこにはたくさんの依頼があった。
いつも通りというか、いつも以上に。
「依頼もたくさんあるんですね。これ全部、ダンジョン以外の依頼なんですか?」
「そうだよ。なかなか片付かないんだ。難易度は高くないはずなんだけどな、冒険者が来ないから」
「どんな依頼ですか?」
「あぁ……何かを探してほしいって依頼がほとんどだよ。大切な思い出の品、形見を探してくれって依頼や、遺体を探してほしいってのもある」
「……遺体……」
「みんながみんな、避難が間に合ったわけじゃないからな。怪我人や病人の中には、動けないまま逃げ場を失ったって人も多い。何しろ水中だ。呼吸ができる冒険者は少ないし、今は海の方で魔獣が異常発生してて、騎士団も忙しい。守れなかった命より、守れる命が優先なんだ……仕方ないことだけどな」
突然街全体が沈んだわけだし、そりゃあ、犠牲者は多かったはずだ。
その日から長い時間が経ったはずなのに、まだ遺体が……
「……あの、わたし、依頼受けますよ。潜るのは得意なんです。久しぶりだけど」
「キー……?」
「受けてくれるのか? そりゃ、依頼者も喜ぶよ」
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「もちろんです」
キースはちょっと嫌そうだった。けど、わたしはその抗議を無視することにした。
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