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09 交流の成果
動物相手のリーダーシップ
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荷造りが一通り終わったころ、エヌさんが来た。
「あの、荷造りは終わりましたか?」
「もう少しですよ! エヌさんも手伝ってくれるんですか?」
エヌさんは「そうですね」とか言って少し笑った。
「もしよければ、私に荷物を預けてほしいんです。スズネちゃんは知ってると思うけど……私の能力。荷物を運ぶなら、任せて下さい」
「能力?」
「エヌさんは異空間に荷物を詰め込んで運べるんです。エヌさんに頼めば、置いていく必要もないです!」
全然思いつかなかったけど、エヌさんはこの遠征の荷物も一人で持っている。
その容量がどのくらいかは知らないけど、相当多いことは確かだ。
「……いくらなんでも、正体不明のお前に預けるのは」
「えー、いいじゃん別に。どうせ、もっていかないつもりだったんでしょ? だったら頼もうよ」
「そうですよ! せっかく力を貸してくれるっていうんだから、いいじゃないですか。スズネの仲間なんだから、悪い人なわけ、ないですよ」
ロイドさんは乗り気でないみたいだったけれど、レイスさんとスードルに説得されて渋々頷いた。
エヌさんは「ありがとうございます」と言って、空中に扉を作り、次々と荷物を放り込んでいく。
「わぁ、すごい! どんな魔術なの?」
「魔術というものを、私たちは使いません。私は空間性接続のミューティです」
「接続? ミューティって何?」
「ミューティは、遺伝子異常による突然変異により、一般常識から著しく乖離する能力を有する人類のことですよ」
エヌさんは置いていくはずだった荷物を全て詰め込み終えたので、扉を消した。
説明されたレイスさんは「ふーん」とか分かった風だったけど、たぶん何も分かってないと思う。
「準備ができたなら早く行こう。乗せるのは、全部で……6人か?」
「キー、キー!」
「ん?」
「スズ、ノセル! イッショ!」
どうやらキースはわたしのことを乗せて飛んでくれるみたいだ。
「みたいです。なのでロイドさん、わたしたちは一緒に行くので大丈夫ですよ」
「そうか。なら……」
ロイドさんは、ホーンウルフたちと誰が誰を乗せるかを話し合い始めた。
「ウォンッ!」
「そうだな、そうするか」
「クゥン」
「分かった」
「ワンッ!」
「ウォン」
「ウゥゥ……」
「いや、それはいい」
「ワンッ!」
「本当に? ありがとう」
……ある意味、エーチさんより狂気を感じる。
エヌさんはホーンウルフと話し合いを行うロイドさんを、不安そうに見ていた。
「あの……大丈夫なんですか?」
「大丈夫だよー! みんなとってもいい子だもん!」
「いえ、その、そちらではなく……ええと……やっぱりいいです。ちなみになんですが、あなたは……その、ミューティではないんですよね?」
「そうだよー! あたしは魔術師だけどね!」
レイスさんがにっこり笑うと、鋭い牙が剥き出しになる。
声は明るい女の子の声だけど、見た目はちょっとというかかなり怖い。
案の定、エヌさんは「そ、そうですか」と言ってちょっと距離を取っていた。
「ロイド、急いで」
そうこうしていると、部屋の方からフェンネルさんが歩いてきた。
アリスさんやディーさん、他の人たちも全員揃っている。
「魔獣に嗅ぎつけられた。今、一匹殺したから、匂いで寄って来る」
「あぁ、分かった」
フェンネルさんは、無表情のまま返り血を拭っている。
それを見ているディーさんとエフさんの顔色が優れない。
目の前で魔獣に襲われかけただろうから、ちょっと怖かったみたいだ。
何故かアイさんはめっちゃ元気だし、エーチさんはいつも通り明後日の方を向いてブツブツ言っている。
「ロイド、アイとエーチは二人で一緒に乗りたいそうなんだ。できるか?」
「誰と誰だ?」
「我とエーチ、この青年だ。すまんな、エーチは我と共でないと、パニックになって落馬するのだ。ハハハ!」
笑い事じゃないことを大笑いしながら、アイさんは仁王立ちで胸を張る。
「……3人は危険なんだがな、分かった。俺と乗れ。スードル、こっちの荷物を全部乗せる。レイス、その女と乗れ。シアトルはその男と。フェンネルはその女だ。アリスは、こっちに魔獣を近づけさせるなよ。スズネはキースと一緒でいいなら、それで行こう」
ロイドさんはてきぱきと指示を出す。
キースはいつの間にか大きくなって、わたしの頭を突いた。
わたしは「分かったよ」と言って、キースの背中に乗る。
「エヌちゃん、よろしくね!」
「は、はい……」
「うふふ、ちゃんと捕まってた方がいいわよ」
「あ、あぁ……」
「フェンネルさんっていうんだよね? よろしくねー!」
「…………レイスが、増えた……?」
「行くぞみんな、駆け抜けろ! 絶対に油断するなよ!」
ロイドさんの掛け声と共に、ホーンウルフが走り出す。
キースも彼らを追って、すごいスピードで森の中を飛ぶ。
凄まじいスピードだ。
向かい風がすごくて、目を開けるのも大変。
頭を低くしてないと、木の枝に当たりそうだ。
もちろん当たったらただでは済まない。
鈴の音が風切り音に紛れて薄い。遠くや近くで聞こえる魔獣の唸り声や叫び声。
乗っているときは気が付かないけれど、ロイドさんはホーンウルフたちの通りやすい道を選んだり、体の大きさや乗っている人によって指示を分け、揺れが少ないルートや道幅が広いルートに誘導している。
正確にはロイドさんが、自分の乗っているホーンウルフに指示を出し、それを周囲のホーンウルフに伝えさせているみたいだ。
あんまりロイドさんのすごさって理解してなかったけども、こういうところで活躍しているのかもしれない。こんなにたくさんのホーンウルフに指示を出すなんて、相当大変そうだし。
一方、キースは自分の飛びやすいところを自分で選んで飛んでいるみたいだけど、枝が多くて飛びにくそうにしている。
「森の上に出たらダメなの?」
「ミエナクナル、ダメ! テキ、トブ、ツヨイ!」
はぐれたところを狙われてしまうみたいだ。
この世界の空って、無駄に危険すぎるような気がする。
キースの飛行速度もすごく上がったみたいだし、これからはわたしが歩いて移動することも少なくなったりするんだろうか。
やがてわたしたちは、森を抜けた。
押しつぶされそうなくらいに巨大な空は、すっかり朱色に染まっている。
「ウォーン!」
ホーンウルフの遠吠えが、夕暮れ空に響いている。
「キー!」
「うわっ!?」
調子に乗ったキースが宙返りしたので、わたしは危うく振り落とされるところだった。
「あの、荷造りは終わりましたか?」
「もう少しですよ! エヌさんも手伝ってくれるんですか?」
エヌさんは「そうですね」とか言って少し笑った。
「もしよければ、私に荷物を預けてほしいんです。スズネちゃんは知ってると思うけど……私の能力。荷物を運ぶなら、任せて下さい」
「能力?」
「エヌさんは異空間に荷物を詰め込んで運べるんです。エヌさんに頼めば、置いていく必要もないです!」
全然思いつかなかったけど、エヌさんはこの遠征の荷物も一人で持っている。
その容量がどのくらいかは知らないけど、相当多いことは確かだ。
「……いくらなんでも、正体不明のお前に預けるのは」
「えー、いいじゃん別に。どうせ、もっていかないつもりだったんでしょ? だったら頼もうよ」
「そうですよ! せっかく力を貸してくれるっていうんだから、いいじゃないですか。スズネの仲間なんだから、悪い人なわけ、ないですよ」
ロイドさんは乗り気でないみたいだったけれど、レイスさんとスードルに説得されて渋々頷いた。
エヌさんは「ありがとうございます」と言って、空中に扉を作り、次々と荷物を放り込んでいく。
「わぁ、すごい! どんな魔術なの?」
「魔術というものを、私たちは使いません。私は空間性接続のミューティです」
「接続? ミューティって何?」
「ミューティは、遺伝子異常による突然変異により、一般常識から著しく乖離する能力を有する人類のことですよ」
エヌさんは置いていくはずだった荷物を全て詰め込み終えたので、扉を消した。
説明されたレイスさんは「ふーん」とか分かった風だったけど、たぶん何も分かってないと思う。
「準備ができたなら早く行こう。乗せるのは、全部で……6人か?」
「キー、キー!」
「ん?」
「スズ、ノセル! イッショ!」
どうやらキースはわたしのことを乗せて飛んでくれるみたいだ。
「みたいです。なのでロイドさん、わたしたちは一緒に行くので大丈夫ですよ」
「そうか。なら……」
ロイドさんは、ホーンウルフたちと誰が誰を乗せるかを話し合い始めた。
「ウォンッ!」
「そうだな、そうするか」
「クゥン」
「分かった」
「ワンッ!」
「ウォン」
「ウゥゥ……」
「いや、それはいい」
「ワンッ!」
「本当に? ありがとう」
……ある意味、エーチさんより狂気を感じる。
エヌさんはホーンウルフと話し合いを行うロイドさんを、不安そうに見ていた。
「あの……大丈夫なんですか?」
「大丈夫だよー! みんなとってもいい子だもん!」
「いえ、その、そちらではなく……ええと……やっぱりいいです。ちなみになんですが、あなたは……その、ミューティではないんですよね?」
「そうだよー! あたしは魔術師だけどね!」
レイスさんがにっこり笑うと、鋭い牙が剥き出しになる。
声は明るい女の子の声だけど、見た目はちょっとというかかなり怖い。
案の定、エヌさんは「そ、そうですか」と言ってちょっと距離を取っていた。
「ロイド、急いで」
そうこうしていると、部屋の方からフェンネルさんが歩いてきた。
アリスさんやディーさん、他の人たちも全員揃っている。
「魔獣に嗅ぎつけられた。今、一匹殺したから、匂いで寄って来る」
「あぁ、分かった」
フェンネルさんは、無表情のまま返り血を拭っている。
それを見ているディーさんとエフさんの顔色が優れない。
目の前で魔獣に襲われかけただろうから、ちょっと怖かったみたいだ。
何故かアイさんはめっちゃ元気だし、エーチさんはいつも通り明後日の方を向いてブツブツ言っている。
「ロイド、アイとエーチは二人で一緒に乗りたいそうなんだ。できるか?」
「誰と誰だ?」
「我とエーチ、この青年だ。すまんな、エーチは我と共でないと、パニックになって落馬するのだ。ハハハ!」
笑い事じゃないことを大笑いしながら、アイさんは仁王立ちで胸を張る。
「……3人は危険なんだがな、分かった。俺と乗れ。スードル、こっちの荷物を全部乗せる。レイス、その女と乗れ。シアトルはその男と。フェンネルはその女だ。アリスは、こっちに魔獣を近づけさせるなよ。スズネはキースと一緒でいいなら、それで行こう」
ロイドさんはてきぱきと指示を出す。
キースはいつの間にか大きくなって、わたしの頭を突いた。
わたしは「分かったよ」と言って、キースの背中に乗る。
「エヌちゃん、よろしくね!」
「は、はい……」
「うふふ、ちゃんと捕まってた方がいいわよ」
「あ、あぁ……」
「フェンネルさんっていうんだよね? よろしくねー!」
「…………レイスが、増えた……?」
「行くぞみんな、駆け抜けろ! 絶対に油断するなよ!」
ロイドさんの掛け声と共に、ホーンウルフが走り出す。
キースも彼らを追って、すごいスピードで森の中を飛ぶ。
凄まじいスピードだ。
向かい風がすごくて、目を開けるのも大変。
頭を低くしてないと、木の枝に当たりそうだ。
もちろん当たったらただでは済まない。
鈴の音が風切り音に紛れて薄い。遠くや近くで聞こえる魔獣の唸り声や叫び声。
乗っているときは気が付かないけれど、ロイドさんはホーンウルフたちの通りやすい道を選んだり、体の大きさや乗っている人によって指示を分け、揺れが少ないルートや道幅が広いルートに誘導している。
正確にはロイドさんが、自分の乗っているホーンウルフに指示を出し、それを周囲のホーンウルフに伝えさせているみたいだ。
あんまりロイドさんのすごさって理解してなかったけども、こういうところで活躍しているのかもしれない。こんなにたくさんのホーンウルフに指示を出すなんて、相当大変そうだし。
一方、キースは自分の飛びやすいところを自分で選んで飛んでいるみたいだけど、枝が多くて飛びにくそうにしている。
「森の上に出たらダメなの?」
「ミエナクナル、ダメ! テキ、トブ、ツヨイ!」
はぐれたところを狙われてしまうみたいだ。
この世界の空って、無駄に危険すぎるような気がする。
キースの飛行速度もすごく上がったみたいだし、これからはわたしが歩いて移動することも少なくなったりするんだろうか。
やがてわたしたちは、森を抜けた。
押しつぶされそうなくらいに巨大な空は、すっかり朱色に染まっている。
「ウォーン!」
ホーンウルフの遠吠えが、夕暮れ空に響いている。
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