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08 異世界
諸悪の根源
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「ところで、その『マナ』っていうの、魔力とは違うんですか?」
「……ん? 魔力? 魔力って何のこと?」
エナさんは、魔力のことを知らないらしい。
「魔力は……万能のエネルギー。魔法の源。魔術を使うために必要なもの……です」
わたしがそう言うと、3人ともがきょとんとして首を傾げた。
「上には魔術なんてあるの? へー、面白いね。魔女とかいるんだ?」
エナさんは完全に面白がってからかうみたいに弾んで言った。
「わたしもそんなに詳しいわけじゃないですけど……魔女はいないと思いますよ。だいたい使える人ばかりです。わたしでも使えます」
「えっ、本当!? 見せて見せて! 私見たい!」
エフさんが、好奇心を剥き出しにして身を乗り出す。
わたしは思わずびっくりして身を引いたけど、前世のわたしだって魔法と聞いたら、こういう反応をすると思う。
「えと……バブル・エレメント・アクア」
わたしは水の泡を発生させた。
水晶玉くらいの大きさになって、弾けて消える。
最近剣を握って魔術を使うことが多かったからか、直接使うと違和感がある。ような気がする。
でもそういえば穴から落ちたときに使ったっけ。
「すごい! 総督、見ましたか!?」
「見たよ。何もないところから水を発生させるって感じ? それとも、転送したってこと?」
「えっと……発生だと思います。わたしはそんなにだけど、上手な人はなんでもできるんですよ」
「へー、面白い。制限のないミュータント能力みたいなものなのかな?」
「そのミュータント能力って……超能力、でしたっけ」
「そうだよ。テレポート、超加速、なんでもできるって点では魔術に似てるね。ただ、人によってその能力は違うけど。っていうか、ミュータント能力って体内のマナを消費するんだよね、エフ」
「そうですよ。ミューティは体内にマナを蓄える器官があります。そのせいで大虐殺されましたけど」
エフさんは明るい口調でそう言った。
「まあ虐殺のことは今はおいておくとして、そう聞くとどうやら魔力とマナって似てるよね。万能のエネルギーで、人が使うと物理法則を捻じ曲げられる。世界を隔ててるから呼び方が違うだけで、本質的に同じものなのかも」
「だったら、この世界に魔獣とか魔物とかいないんですか?」
「動物はさっき言ったように、絶滅しちゃったからいないよ。基本人間以外の生物は、植物しかないと考えてもらっていいよ。細菌類もほとんど死滅しちゃってるしね。人類の技術を使って、ほぼすべての動植物及び細菌類の活動を再現できるようになったから、保護する必要がなくなっちゃったって言えばいいかな? とはいえ一部の植物は生きてるから、少ないながらに昆虫はいるんだろうけどね」
「じゃあ、魔獣の脅威とかもないんですね。……今、上の世界は魔獣や魔物の襲撃ですごく大変なんです。冒険者さんたちが一生懸命に倒してくれてるんですよ」
「冒険者!? あはは、冒険者って、どこを冒険するの? 上の世界って、そんな未開人みたいな生活してるの?」
「未開人って……そんな風じゃないですよ。魔獣の脅威が高いから、冒険者さんたちは魔獣や魔物を倒してくれてるんです。魔獣の素材とか、魔石を売って生活してるんですよ。あとは、ダンジョンに潜ったりとかする人もいるのかな……わたしは行ったことないですけど」
「ダンジョン? こっちにもダンジョンはあるよ」
「え、そうなんですか?」
「うん。もう踏破されてるっていうか、行き止まりまで行ったけどね。僕の忠実なデコイ……じゃなくて、仲間が見てきてくれたよ。生き物が出てくることは、なかったと思うけど。危険といえば、鉱山の方が危険じゃない? マナが暴走してるのか何なのか、変な風になってるんだよね。あれで水没してなければ、研究して利用できそうなのに。下の方はまだ無事だけど、上部のほとんどが、完全に水の中だから手が出せないんだ。ほら、僕って水が苦手でしょ?」
と、エナさんは当然のように言う。
「水のことは知らないですけど……水没って、普通下からするんじゃないですか? どうして上部が……」
「え? 普通上でしょ。海も上じゃん」
「……海? 海が上向きってどういうことですか?」
「え? 海って下から入って上に潜ってくでしょ、違うの?」
エナさんはやっぱり当たり前のように言う。
「……水が、空中に浮かんでるんですか?」
「水ってそういうもんでしょ。雲だって浮かんでるじゃん」
確かに、と納得してしまいそうなくらい当たり前のように言われた。
「雲は、確かにそうですけど……でも雨は落ちてきますよね?」
「雨は小さいから落ちて来るんだよ。海は雲より大きいんだから、落ちて来ない。圧力の問題だよ。大気圧って知らないの?」
「……?」
大気圧はもちろん知ってるけど、わたしの知ってる大気圧は海を空に持ち上げるほどの力はないはずだ。
でも、そういうことならそれでもいい、のかもしれない。
わたしは、とりあえず受け入れることにした。前世と雰囲気が似ているだけで、この世界だって十分に異世界なわけで、わたしは学者じゃなく、ただの旅人で、冒険者なのだから。
「ま、話のついでに言うけどさ、その件のダンジョンが、大きな問題なんだよねー。前からマナを吸収してたんだけど、なんか、5年くらい前から突然吸収量が増えちゃってさ。どうにかしようとしたんだけど、どうにもならなくて。原因がダンジョンの行き止まりの向こう側にあるらしきことは把握したんだけど、それってどうしようもないじゃん? あ、もしかしてスズネちゃん、心当たりあったりしない?」
「……5年前?」
心当たり。なら、ある。
めちゃくちゃある。
魔獣の大発生。
それを抑えるため、王子様が、人類に授けたという神具だか宝具だか。
それを設置することで、魔獣の出現が一気に減ったとかいう不思議な形をした機械。
世界観にそぐわない、謎の機械。
「えと……たぶん、あります」
そういえば、王子様は何て言ってたっけ。
確かそう、わたしに向かって、「神様に言われた通りにしただけだ」と言っていた。
つまりあれを置かせたのは神様で、つまり王子様とお話している神様もまた、この世界の破滅を望んでいるということで。
「エナさん。あの、聞きたいんですけど」
「何? 僕に答えられることだといいけどな。ほら僕って、なんでも知ってるけど、何もかも知ってるわけじゃないじゃん」
「どうして神様は、この世界を滅ぼそうとしているんですか?」
エナさんは困ったように首を傾げて、にっこり笑った。
「はぐらかしてもいいけど、あえて答えよう。そう、君の考えてる通りだよ。この世界は滅ぶんじゃない。滅ぼされるんだ。他ならぬ神の手によって。この世界を統治せし、天上の民によって。彼らはただ、僕を殺すためだけにこの世界を滅ぼそうとしている。つまりこれは壮大な天罰というわけだよ。神に弓引く僕に天誅を下すために行われる、雑な大虐殺」
「え、じゃあ、それってつまり」
「そう。君らが滅亡から逃れる方法は2つあるってことだ。神の意志を凌ぐか、僕を殺すか。念のために言っておくけど、みんなは僕と共に戦うことを選択してくれた。正体不明の神様よりも、少なくとも今、ここにいる僕を信じてくれた。または、神様がそうまでしてぶち殺したいにも関わらず、元気で生きてる上に、少なくとも決して短くない間、全人類から命を狙われ続けたにも関わらず未だに生きてる僕を殺すことを諦めた。君にも、そして君らにももちろん選択肢はあるわけだけど、そこのところをちゃんと考えてね。僕自身はそんなに強いわけじゃないけど、殺されない自信はある。僕は死なないことしかできないけど、絶対死なないってことは、絶対相手を殺せるってことなんだから」
ディーさんとエフさんは、驚いた様子を見せなかった。
たぶん彼らは、すでに知っていたのだと思う。
そしてそんな彼らは何も言わず、何も動かない。
「私は、エナさんのことも、誰のことも、殺すつもりとかないです。わたしはただ、楽しい旅がしたいだけです」
だからわたしも、それ以上は何も言わないことにした。
「……ん? 魔力? 魔力って何のこと?」
エナさんは、魔力のことを知らないらしい。
「魔力は……万能のエネルギー。魔法の源。魔術を使うために必要なもの……です」
わたしがそう言うと、3人ともがきょとんとして首を傾げた。
「上には魔術なんてあるの? へー、面白いね。魔女とかいるんだ?」
エナさんは完全に面白がってからかうみたいに弾んで言った。
「わたしもそんなに詳しいわけじゃないですけど……魔女はいないと思いますよ。だいたい使える人ばかりです。わたしでも使えます」
「えっ、本当!? 見せて見せて! 私見たい!」
エフさんが、好奇心を剥き出しにして身を乗り出す。
わたしは思わずびっくりして身を引いたけど、前世のわたしだって魔法と聞いたら、こういう反応をすると思う。
「えと……バブル・エレメント・アクア」
わたしは水の泡を発生させた。
水晶玉くらいの大きさになって、弾けて消える。
最近剣を握って魔術を使うことが多かったからか、直接使うと違和感がある。ような気がする。
でもそういえば穴から落ちたときに使ったっけ。
「すごい! 総督、見ましたか!?」
「見たよ。何もないところから水を発生させるって感じ? それとも、転送したってこと?」
「えっと……発生だと思います。わたしはそんなにだけど、上手な人はなんでもできるんですよ」
「へー、面白い。制限のないミュータント能力みたいなものなのかな?」
「そのミュータント能力って……超能力、でしたっけ」
「そうだよ。テレポート、超加速、なんでもできるって点では魔術に似てるね。ただ、人によってその能力は違うけど。っていうか、ミュータント能力って体内のマナを消費するんだよね、エフ」
「そうですよ。ミューティは体内にマナを蓄える器官があります。そのせいで大虐殺されましたけど」
エフさんは明るい口調でそう言った。
「まあ虐殺のことは今はおいておくとして、そう聞くとどうやら魔力とマナって似てるよね。万能のエネルギーで、人が使うと物理法則を捻じ曲げられる。世界を隔ててるから呼び方が違うだけで、本質的に同じものなのかも」
「だったら、この世界に魔獣とか魔物とかいないんですか?」
「動物はさっき言ったように、絶滅しちゃったからいないよ。基本人間以外の生物は、植物しかないと考えてもらっていいよ。細菌類もほとんど死滅しちゃってるしね。人類の技術を使って、ほぼすべての動植物及び細菌類の活動を再現できるようになったから、保護する必要がなくなっちゃったって言えばいいかな? とはいえ一部の植物は生きてるから、少ないながらに昆虫はいるんだろうけどね」
「じゃあ、魔獣の脅威とかもないんですね。……今、上の世界は魔獣や魔物の襲撃ですごく大変なんです。冒険者さんたちが一生懸命に倒してくれてるんですよ」
「冒険者!? あはは、冒険者って、どこを冒険するの? 上の世界って、そんな未開人みたいな生活してるの?」
「未開人って……そんな風じゃないですよ。魔獣の脅威が高いから、冒険者さんたちは魔獣や魔物を倒してくれてるんです。魔獣の素材とか、魔石を売って生活してるんですよ。あとは、ダンジョンに潜ったりとかする人もいるのかな……わたしは行ったことないですけど」
「ダンジョン? こっちにもダンジョンはあるよ」
「え、そうなんですか?」
「うん。もう踏破されてるっていうか、行き止まりまで行ったけどね。僕の忠実なデコイ……じゃなくて、仲間が見てきてくれたよ。生き物が出てくることは、なかったと思うけど。危険といえば、鉱山の方が危険じゃない? マナが暴走してるのか何なのか、変な風になってるんだよね。あれで水没してなければ、研究して利用できそうなのに。下の方はまだ無事だけど、上部のほとんどが、完全に水の中だから手が出せないんだ。ほら、僕って水が苦手でしょ?」
と、エナさんは当然のように言う。
「水のことは知らないですけど……水没って、普通下からするんじゃないですか? どうして上部が……」
「え? 普通上でしょ。海も上じゃん」
「……海? 海が上向きってどういうことですか?」
「え? 海って下から入って上に潜ってくでしょ、違うの?」
エナさんはやっぱり当たり前のように言う。
「……水が、空中に浮かんでるんですか?」
「水ってそういうもんでしょ。雲だって浮かんでるじゃん」
確かに、と納得してしまいそうなくらい当たり前のように言われた。
「雲は、確かにそうですけど……でも雨は落ちてきますよね?」
「雨は小さいから落ちて来るんだよ。海は雲より大きいんだから、落ちて来ない。圧力の問題だよ。大気圧って知らないの?」
「……?」
大気圧はもちろん知ってるけど、わたしの知ってる大気圧は海を空に持ち上げるほどの力はないはずだ。
でも、そういうことならそれでもいい、のかもしれない。
わたしは、とりあえず受け入れることにした。前世と雰囲気が似ているだけで、この世界だって十分に異世界なわけで、わたしは学者じゃなく、ただの旅人で、冒険者なのだから。
「ま、話のついでに言うけどさ、その件のダンジョンが、大きな問題なんだよねー。前からマナを吸収してたんだけど、なんか、5年くらい前から突然吸収量が増えちゃってさ。どうにかしようとしたんだけど、どうにもならなくて。原因がダンジョンの行き止まりの向こう側にあるらしきことは把握したんだけど、それってどうしようもないじゃん? あ、もしかしてスズネちゃん、心当たりあったりしない?」
「……5年前?」
心当たり。なら、ある。
めちゃくちゃある。
魔獣の大発生。
それを抑えるため、王子様が、人類に授けたという神具だか宝具だか。
それを設置することで、魔獣の出現が一気に減ったとかいう不思議な形をした機械。
世界観にそぐわない、謎の機械。
「えと……たぶん、あります」
そういえば、王子様は何て言ってたっけ。
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つまりあれを置かせたのは神様で、つまり王子様とお話している神様もまた、この世界の破滅を望んでいるということで。
「エナさん。あの、聞きたいんですけど」
「何? 僕に答えられることだといいけどな。ほら僕って、なんでも知ってるけど、何もかも知ってるわけじゃないじゃん」
「どうして神様は、この世界を滅ぼそうとしているんですか?」
エナさんは困ったように首を傾げて、にっこり笑った。
「はぐらかしてもいいけど、あえて答えよう。そう、君の考えてる通りだよ。この世界は滅ぶんじゃない。滅ぼされるんだ。他ならぬ神の手によって。この世界を統治せし、天上の民によって。彼らはただ、僕を殺すためだけにこの世界を滅ぼそうとしている。つまりこれは壮大な天罰というわけだよ。神に弓引く僕に天誅を下すために行われる、雑な大虐殺」
「え、じゃあ、それってつまり」
「そう。君らが滅亡から逃れる方法は2つあるってことだ。神の意志を凌ぐか、僕を殺すか。念のために言っておくけど、みんなは僕と共に戦うことを選択してくれた。正体不明の神様よりも、少なくとも今、ここにいる僕を信じてくれた。または、神様がそうまでしてぶち殺したいにも関わらず、元気で生きてる上に、少なくとも決して短くない間、全人類から命を狙われ続けたにも関わらず未だに生きてる僕を殺すことを諦めた。君にも、そして君らにももちろん選択肢はあるわけだけど、そこのところをちゃんと考えてね。僕自身はそんなに強いわけじゃないけど、殺されない自信はある。僕は死なないことしかできないけど、絶対死なないってことは、絶対相手を殺せるってことなんだから」
ディーさんとエフさんは、驚いた様子を見せなかった。
たぶん彼らは、すでに知っていたのだと思う。
そしてそんな彼らは何も言わず、何も動かない。
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