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04 行商人と目的地
人でなし
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こんな時にも、魔法は大活躍だ。
「パイプ・エレメント・ウィンド」
リンさんは水面へ向かって、海底から風の筒を作る。浅い場所なら、これだけで休憩する場所ができる。
「わぁ……!」
キラキラと降り注ぐ光、海底に花のように咲く珊瑚や海藻。
色とりどりの宝石みたいに転がるシーグラス。
複雑に削られたゴツゴツした岩肌とか、表面だけが流れる砂とか。
遠くの方に見える小さな魚、小さな裂け目からポコポコ湧いて来る空気の泡。
そういう全部が綺麗だ。
「それじゃ、にゃいごににゃらにゃいように息継ぎの練習してみて」
真昼の光が水中に差し込む。ゴーグルをつけると、水中の全部がはっきり見える。
もちろん息はできないのだけど、わたしは対処法を聞いていた。
ある程度は息を止め、苦しくなったら頭のあたりに大きな空気の泡を作り、それを吸い込んで息を継ぐ。
慣れたら、ゴーグルもなしでできるようになるらしい。
わたしは言われた通りにやってみた。
「っ!?」
肺に思いっきり水が入って、わたしは慌てて戻ってきて、ゲホゲホ激しく咳き込む。
「大丈夫?」
「は、はい……にゃんとか、いや、なんとか……」
空気だと思って吸い込んだのに、水なのがすごいつらい。
肺の奥の奥まで水が入り込んでいる気がする。
「最初は、バブルの発生位置を確認するために、口に手を添えるといいんじゃにゃいかにゃ。頭を包み込むより、はにゃと口の前に作ることを意識するんだ」
リンさんは、やまびこをするときみたいに、両手を筒の形にして口元に添えた。
「息を吸うと、バブルは一気に小さくにゃる。無駄をにゃくすために小さくするのも大事だけど、最初は余裕を持って大きく、にゃ」
アドバイスを経て、わたしは再び水の中に入り、口に手を添えて大きくする。
全力で膨らませるけど、なかなか大きくならない。慎重に吸い込むけど、思った以上の速度で空気は減ってしまう。
「もっと早く膨らにゃせにゃいと。魔獣に襲われたら、悠長に呼吸してる場合じゃにゃいんだから」
魔力強度が足りない。無詠唱のせいもある。
呪文を言わないと力が入りづらいのだ。
握力測定を無言でやってるみたいな、全力が出せない感じ。
「たはは、大変そうですね」
醤油さんは呑気に言って笑っている。
彼女は酸素ボンベみたいなものを担いで行くと言っていた。
重くて素早く動けないので、護衛はそんなのつけてられないらしい。
キースは全く泳げないようで、円筒の底面の岩にこびりついて不貞腐れている。
「他人事みたいに……」
ムッとしてわたしがそう言うと、醤油さんは「たはは」と言った。
「すみません。面白くて、つい。魔力量はかなりのものなのに、魔力強度はからっきしなんですね、スズネさんは」
「そうなんですよ、困ってるんです」
「でも、いいものをお持ちじゃありませんか。その、腰に下げた剣。それは使わないんですか?」
ヒントを出してくれるNPCみたいな雰囲気を感じつつ、わたしは剣を抜いた。
チャージにちょっと時間はかかるけど、普通にやるより早く溜まる。
掃除機に紙屑を入れていくようなもので、多少なり吸い込んでくれる。
ただ、場所を指定するのが難しい。
無詠唱はただでさえ不安定になってしまう。ちゃんと意識したつもりでも、微妙にズレている。
剣はそれ自体が導線みたいになっていて、自然にすれば剣先で生じるはずの魔法を、意識して無理矢理自分の頭に持って来ないといけない。
「筋は悪くにゃい。にゃれるのには時間がかかりそうだけどにゃ」
リンさんは、見た目こそ人間離れしていて怖いけれど、良い人だ。
微妙に聞き取りにくいのと、ちょっとぶっきらぼうな喋り方だけど、意外と世話好きで悪い人ではない。
上手くいかないわたしのことを、優しく慰めてくれたりする。
しかし一方で、我関せずでキースと喋っている醤油さんにはやや厳しい。
「筋が悪くないなら、何よりですね」
呑気にそう言う醤油さんに、リンさんはイライラしているみたいに小突いた。
「息継ぎは教えられるけど、それ以上は無理にゃんだよ。ケチらずに護衛を雇ってくれにゃいと困る」
「いいじゃあありませんか。素直でいい子でしょう?」
「いい子だからこそ、背負わせるべきじゃにゃい。パーティですらにゃい子供を一人護衛にするにゃんて。いざとにゃったらどうする? この子を残して逃げる? この子のために犠牲ににゃる? いずれにしろ、それがどれだけ残酷にゃことか、どうして分からにゃい?」
リンさんは醤油さんに憤慨しているようだったけど、醤油さんは飄々としている。
「なるほど、盲点でした。ご指摘痛み入りますよ。たはは」
わたしはかなり苦戦してしまって、リンさんに色々教えてもらったけれど、結局その日のうちに完璧にできるようにはならなかった。
でも、しばらく練習したら、十分な大きさの泡を作って、上手く息を吸うということができるようになった。
ただ、あまりに安定しなかった。
「また明日にでも明後日にでも、練習すればいいんですよ。時間はたっぷりありますから」
船で岸に戻りながら、醤油さんはのんびりしている。
「また明日もやらせる気にゃの? この鬼……ロクな人間じゃにゃいにゃ。スズちゃん、こういうおとにゃは信じちゃダメだからにゃ」
「たははは!」
醤油さんは心底愉快そうに笑って、リンさんにぶっ叩かれていた。
やっぱり仲良いよな、この人たち。
「キースは何を話してたの?」
「……」
「えっ、ちょっとキース? まだ怒ってるの? ごめんねってば、謝るから」
「キー……」
心なしか、キースの元気がない。
わたしはキースを撫でて「水かけてごめんね」と謝ったけど、キースは力なく「キー」と鳴くだけで、飛び上がることすらしない。
「醤油さん、キースの元気がないんですけど……」
「ご主人様が一人でダイビングを楽しんでましたから、元気がなくなってしまったんじゃありませんか? 寂しがり屋さんですね」
「キー」
「そうなの? ごめんね、抱っこしてあげる」
可愛いところもあるじゃないかと、わたしはキースを抱っこしてなでなでする。
キースはキーキー言いながら、わたしの腕の中で大人しくしていた。
醤油さんはにっこり笑いながら、わたしの方を眺めている。
「キー……キー……」
その視線から隠れるように、キースはか細い声を上げてわたしに擦り寄った。
……なんか怯えてるような気がするんだけど。
「醤油さん、キースに何かしたんじゃないですか?」
「何もしてませんよ。色々とお話をしていましたが、それだけです」
「お話って……醤油さん、やっぱりキースと喋れるんですか?」
「昔から、人ならざる者と心を交わすのは得意なんですよ。たははは」
「人ならざる者って、オバケとかと喋れるんですか?」
「たははは、オバケとは言い得て妙ですねぇ。専門は神様ですが、まあ喋れなくはないです」
この世界にはそんなことができる人もいるんだなあと私は考えていたのだけど、リンさんは苦虫を噛んだみたいな顔をする。
「気にしにゃい方がいい。昔からちょっと変にゃんだ」
「本当なんですけどね」
神様と話せるのは変なのか……なるほど。
「醤油さんを昔から知ってるんですか?」
リンさんは帆を操作しながら、うんと頷く。
「行きずりの行商人が、遭難しかけてるのを助けたってだけにゃんだけどにゃ」
「だから大した仲ではないんですよ」
「そっちから言われると、にゃっとくできにゃいにゃ」
リンさんはムッとしていたけれど、醤油さんは全然反省する様子もなく笑っている。
キースはいつの間にか大人しくなっていた。
よく見ると、すやすや眠っていた。
「パイプ・エレメント・ウィンド」
リンさんは水面へ向かって、海底から風の筒を作る。浅い場所なら、これだけで休憩する場所ができる。
「わぁ……!」
キラキラと降り注ぐ光、海底に花のように咲く珊瑚や海藻。
色とりどりの宝石みたいに転がるシーグラス。
複雑に削られたゴツゴツした岩肌とか、表面だけが流れる砂とか。
遠くの方に見える小さな魚、小さな裂け目からポコポコ湧いて来る空気の泡。
そういう全部が綺麗だ。
「それじゃ、にゃいごににゃらにゃいように息継ぎの練習してみて」
真昼の光が水中に差し込む。ゴーグルをつけると、水中の全部がはっきり見える。
もちろん息はできないのだけど、わたしは対処法を聞いていた。
ある程度は息を止め、苦しくなったら頭のあたりに大きな空気の泡を作り、それを吸い込んで息を継ぐ。
慣れたら、ゴーグルもなしでできるようになるらしい。
わたしは言われた通りにやってみた。
「っ!?」
肺に思いっきり水が入って、わたしは慌てて戻ってきて、ゲホゲホ激しく咳き込む。
「大丈夫?」
「は、はい……にゃんとか、いや、なんとか……」
空気だと思って吸い込んだのに、水なのがすごいつらい。
肺の奥の奥まで水が入り込んでいる気がする。
「最初は、バブルの発生位置を確認するために、口に手を添えるといいんじゃにゃいかにゃ。頭を包み込むより、はにゃと口の前に作ることを意識するんだ」
リンさんは、やまびこをするときみたいに、両手を筒の形にして口元に添えた。
「息を吸うと、バブルは一気に小さくにゃる。無駄をにゃくすために小さくするのも大事だけど、最初は余裕を持って大きく、にゃ」
アドバイスを経て、わたしは再び水の中に入り、口に手を添えて大きくする。
全力で膨らませるけど、なかなか大きくならない。慎重に吸い込むけど、思った以上の速度で空気は減ってしまう。
「もっと早く膨らにゃせにゃいと。魔獣に襲われたら、悠長に呼吸してる場合じゃにゃいんだから」
魔力強度が足りない。無詠唱のせいもある。
呪文を言わないと力が入りづらいのだ。
握力測定を無言でやってるみたいな、全力が出せない感じ。
「たはは、大変そうですね」
醤油さんは呑気に言って笑っている。
彼女は酸素ボンベみたいなものを担いで行くと言っていた。
重くて素早く動けないので、護衛はそんなのつけてられないらしい。
キースは全く泳げないようで、円筒の底面の岩にこびりついて不貞腐れている。
「他人事みたいに……」
ムッとしてわたしがそう言うと、醤油さんは「たはは」と言った。
「すみません。面白くて、つい。魔力量はかなりのものなのに、魔力強度はからっきしなんですね、スズネさんは」
「そうなんですよ、困ってるんです」
「でも、いいものをお持ちじゃありませんか。その、腰に下げた剣。それは使わないんですか?」
ヒントを出してくれるNPCみたいな雰囲気を感じつつ、わたしは剣を抜いた。
チャージにちょっと時間はかかるけど、普通にやるより早く溜まる。
掃除機に紙屑を入れていくようなもので、多少なり吸い込んでくれる。
ただ、場所を指定するのが難しい。
無詠唱はただでさえ不安定になってしまう。ちゃんと意識したつもりでも、微妙にズレている。
剣はそれ自体が導線みたいになっていて、自然にすれば剣先で生じるはずの魔法を、意識して無理矢理自分の頭に持って来ないといけない。
「筋は悪くにゃい。にゃれるのには時間がかかりそうだけどにゃ」
リンさんは、見た目こそ人間離れしていて怖いけれど、良い人だ。
微妙に聞き取りにくいのと、ちょっとぶっきらぼうな喋り方だけど、意外と世話好きで悪い人ではない。
上手くいかないわたしのことを、優しく慰めてくれたりする。
しかし一方で、我関せずでキースと喋っている醤油さんにはやや厳しい。
「筋が悪くないなら、何よりですね」
呑気にそう言う醤油さんに、リンさんはイライラしているみたいに小突いた。
「息継ぎは教えられるけど、それ以上は無理にゃんだよ。ケチらずに護衛を雇ってくれにゃいと困る」
「いいじゃあありませんか。素直でいい子でしょう?」
「いい子だからこそ、背負わせるべきじゃにゃい。パーティですらにゃい子供を一人護衛にするにゃんて。いざとにゃったらどうする? この子を残して逃げる? この子のために犠牲ににゃる? いずれにしろ、それがどれだけ残酷にゃことか、どうして分からにゃい?」
リンさんは醤油さんに憤慨しているようだったけど、醤油さんは飄々としている。
「なるほど、盲点でした。ご指摘痛み入りますよ。たはは」
わたしはかなり苦戦してしまって、リンさんに色々教えてもらったけれど、結局その日のうちに完璧にできるようにはならなかった。
でも、しばらく練習したら、十分な大きさの泡を作って、上手く息を吸うということができるようになった。
ただ、あまりに安定しなかった。
「また明日にでも明後日にでも、練習すればいいんですよ。時間はたっぷりありますから」
船で岸に戻りながら、醤油さんはのんびりしている。
「また明日もやらせる気にゃの? この鬼……ロクな人間じゃにゃいにゃ。スズちゃん、こういうおとにゃは信じちゃダメだからにゃ」
「たははは!」
醤油さんは心底愉快そうに笑って、リンさんにぶっ叩かれていた。
やっぱり仲良いよな、この人たち。
「キースは何を話してたの?」
「……」
「えっ、ちょっとキース? まだ怒ってるの? ごめんねってば、謝るから」
「キー……」
心なしか、キースの元気がない。
わたしはキースを撫でて「水かけてごめんね」と謝ったけど、キースは力なく「キー」と鳴くだけで、飛び上がることすらしない。
「醤油さん、キースの元気がないんですけど……」
「ご主人様が一人でダイビングを楽しんでましたから、元気がなくなってしまったんじゃありませんか? 寂しがり屋さんですね」
「キー」
「そうなの? ごめんね、抱っこしてあげる」
可愛いところもあるじゃないかと、わたしはキースを抱っこしてなでなでする。
キースはキーキー言いながら、わたしの腕の中で大人しくしていた。
醤油さんはにっこり笑いながら、わたしの方を眺めている。
「キー……キー……」
その視線から隠れるように、キースはか細い声を上げてわたしに擦り寄った。
……なんか怯えてるような気がするんだけど。
「醤油さん、キースに何かしたんじゃないですか?」
「何もしてませんよ。色々とお話をしていましたが、それだけです」
「お話って……醤油さん、やっぱりキースと喋れるんですか?」
「昔から、人ならざる者と心を交わすのは得意なんですよ。たははは」
「人ならざる者って、オバケとかと喋れるんですか?」
「たははは、オバケとは言い得て妙ですねぇ。専門は神様ですが、まあ喋れなくはないです」
この世界にはそんなことができる人もいるんだなあと私は考えていたのだけど、リンさんは苦虫を噛んだみたいな顔をする。
「気にしにゃい方がいい。昔からちょっと変にゃんだ」
「本当なんですけどね」
神様と話せるのは変なのか……なるほど。
「醤油さんを昔から知ってるんですか?」
リンさんは帆を操作しながら、うんと頷く。
「行きずりの行商人が、遭難しかけてるのを助けたってだけにゃんだけどにゃ」
「だから大した仲ではないんですよ」
「そっちから言われると、にゃっとくできにゃいにゃ」
リンさんはムッとしていたけれど、醤油さんは全然反省する様子もなく笑っている。
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