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01 旅の始まり
コムギ村
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ホーンウルフは最速で時速80kmくらいのスピードで走れるらしい。
一般道路の制限速度よりも速く動く生き物の背中にしがみつくという状況は幼女じゃなくても身の危険を感じたのだけど、そんなに急いでいたのは森を抜けるまでだった。
それから村に到着するまでは、駆け足程度かのんびり歩くような速度で、悪く言えばダラダラしていた。
元車社会の現代っ子からすると感じにくいのだけど、ロイドさんが言うにはホーンウルフだって生き物なので、永遠に全力疾走させることはできない。
森の中は危ないので駆け抜けただけで、いつも最高速で走るわけではないそうだ。
「起きろ、スズネ。コムギ村が見えた」
ロイドさんがそう言ったときには、既に一度日が落ちて、再度昇った後だった。
彼らは夜通し歩いていたのだろうか。
私は眠い目を擦りながら頭を上げる。中途半端に浅い眠りを繰り返したせいで、余計に体が怠かった。
影は大きいが、空は既に明るく、空は青い。
背後から射す日差しに照らされて、村はキラキラ輝いて見えた。
「コムギ……村?」
村、というにはあまりにも広大な、視界いっぱいに広がる緑の混ざった金の絨毯。
さわさわと朝の風に揺れて、眠気も吹っ飛ぶくらいに綺麗だった。
「コムギって、あれ全部、植わってるの小麦ですか?」
「え? いやコムギは村の名前だよ。植えられてるのはスノウっていう植物だ。もうすぐ収穫時期らしい」
まあ異世界だし、小麦という植物がないというのは納得できるけども。
それならコムギ村なんて名前にしないでほしいとか身勝手なことを思っているうちに、ホーンウルフは村の入り口に到着した。
「降りるぞ」
わたしは滑るようにして鞍から降りた。ロイドさんは鞍の上に残っている。
他の冒険者は、わたしと同じようにホーンウルフから降りていた。
「じゃあまた後で。宿で待っててくれ」
「ああ、よろしくな」
「みんなお疲れ様ー!」
「お願いね」
ロイドさんは、ホーンウルフ5頭を連れて駆け足で去っていく。
「どこかに行くんですか?」
「獣舎に預けるんだよー! あたしたちは慣れてるけど、村の人たちがびっくりしちゃうからね!」
レイスさんが答えてくれた。
朝だというのに元気いっぱいだ。
逆にフェンネルさんが心なしかしんどそうな顔をしていた。
「フェンネルさん、その、大丈夫ですか?」
「えっ……あ、うん。眠い……だけだよ」
彼女は大きくあくびをした。
「疲れた……宿に戻る」
「私もそうさせてもらおうかしら。レイスちゃんとアリスはどうする?」
「俺はギルドに行く」
「じゃっ、あたしも行く!」
どうやら、フェンネルさんとシアトルさんは宿に戻り、アリスメードさんとレイスさんはギルドという場所に向かうらしい。
二人はわたしに手を振って、歩いて行った。
「あの、ギルドって?」
「この辺で活動してる人の管理をしてるところだよ。俺たちみたいな冒険者の他に、商人や魔導士、魔術師、商人や農民なんかも登録してる。本部は王都にあるけど、ここにも支部があるんだ。コムギ村支部だよ」
「ギルドから依頼を受けて、報酬をもらうんだよー!」
「スズネも、もしかしたらギルドに登録してるかもしれないから照会を頼んでみようと思ったんだ」
ギルドといえば冒険者というイメージがあったのだけど、この世界では冒険者に限らず、色々な人が集まっているようだ。
わたしが登録されていることはないと思うけど、行ってみる価値はあるだろう。
「はい、あの、わたしもついていきます!」
「いいね、いこー!」
レイスさんが急にわたしに手を伸ばした。そのまま抱き上げられて、高い高いされる。
「うわっ、重っ! 意外と重い!」
「レイス、デリカシー」
急なことに驚き声の出ないわたしに、NGなことを大声で言うレイスさんを、アリスメードさんが注意した。
わたしはすぐに降ろされて、手を繋がれる。
「いこいこ!」
なんていうか、レイスさんは悪い人ではないのだけど、ちょっと苦手だ。
わたしは曖昧に笑いながら、手を引かれて小走りになる。
朝露に濡れてきらきら光る若い小麦……いや、スノウに囲まれた道。
左手を引っ張られている。
規則的に揺れる尻尾を目の端に収めたまま、わたしは置いて行かれないように土を蹴る。
「おじさん、おはよー!」
「お、戻って来たのか。そんなに急いでどうしたんだ?」
「ギルドに行くの! またね!」
すれ違う人に挨拶しながらも、レイスさんは足を止めない。
別にいいんだけど、尻尾の毛並みはホーンウルフよりも悪いような気がする。手入れがなってない。
わたしが発言する前に先へ先へと進んでしまうので、私はずっと無言のままだ。
ありがたいやら迷惑やら。
そんな風にしていたら、レイスさんが急に立ち止まった。
「はい、ついたよ! コムギ村のギルド!」
言われて、わたしはその建物を見た。
周囲に大きな建物がないからか、それはすごく目立っている。
作りは木造に見えたけれど、綺麗に色が塗られていて可愛らしい建物だ。
「ちょっと小さいけどね。こんにちはー!」
入ってみると、ドアベルが鳴った。正面にはカウンターがあったけれど、今はまだ誰もいない。
壁には大きな掲示板があった。依頼が書いてあるのだと思う。
レイスさんがやっとわたしを離してくれたので、わたしはそちらの方へ歩いて行った。
「納品依頼、討伐依頼、調査依頼……色々あるんだ」
貼り出されたクエスト受注書には、依頼の概要、依頼者、起源、報酬、おおよその危険度など、その依頼についての情報が色々と書いてある。
たまに『詳細は受注後に』なんて文句もあった。
「お待たせしました、はい。あっ、アリスメード様方ですか? おかえりなさい!」
受付に出て来た人は、いつの間にか追いついていたアリスメードさんを見て、そう言った。
「あの、お二人しかおられないようなんですが、他の方は……」
「疲れたから、先に宿に戻って休んでるんだ。全員無事だよ」
「ああ! そうだったんですね、ああよかった、本当にお疲れ様でした」
ギルドの人の反応から、やはり白玉の森は相当危険なところだったのだろうと分かる。
「では、ご報告の手続きを始めさせていただきますね」
「あいや、ちょっと待ってくれ。先に調べてほしいことがあるんだ。スズネ、こっちに来てくれ」
呼ばれたので、わたしは受付の方へ近づく。
ギルドの人は不思議そうにしていた。
「その子は? この村の子ではないようですが……」
「詳細は後で報告するんだけど、重い記憶喪失みたいで、何もかも覚えてないらしいんだ。照会をかけてほしい」
「記憶喪失……分かりました」
彼は一枚の紙を取り出して、それをわたしに渡した。
折り紙くらいの、正方形のただの紙に見える。
「両方の手の平で、挟んでください」
言われた通り、わたしはその紙を両手の間に入れて、手の平を合わせる。
しばらくすると、だんだん紙の色が変わってきた。
すごい、魔法だ! とわたしは内心ちょっとテンションが上がっていたのだけど、彼はそうではないらしい。
「お預かりします」
そして、その紙を見て、首を傾げた。
「登録されていないみたいです」
「そうか……ごめんスズネ、見つからなかったみたいだ」
わたしとしては当然の結果だったけど、アリスメードさんは心底申し訳なさそうに、わたしにそう言った。
「わ、わたし大丈夫ですよ、別に……平気です! その、それじゃああの、登録とかできるんですか?」
「登録は可能ですよ。登録されますか?」
「あっ、はい、お願いします!」
ついでなので、頼むことにした。ギルドの人は「分かりました」と言って、奥に引っ込む。
しばらくすると、別に女の人が一緒に出て来た。
さっきの人よりも年上に見える。
先輩お姉さんかもしれない。
「あら可愛い! ギルドに登録したいの?」
「は、はい。お願いします」
「分かったわ、こっちに来て」
お姉さんは受付の中に入れてくれて、奥の部屋に通された。
さきほどの人は、アリスメードさんの対応をするようだ。
「まず、名前を教えてくれるかしら」
「スズネ、です。たぶん」
「たぶん?」
「ええと、記憶喪失で。あんまりよく、覚えてなくて」
「あらぁ、そうなの。大変ね。分かったわ、変更できるようにしておくから、思い出したら変えてね」
お姉さんは慣れたように紙に書きつけていく。
「職業はどうする? あなたくらいの子は、たいてい冒険者で登録してるけど」
「それなら、それで、お願いします」
「分かったわ。後で追加も変更もできるから、また言ってちょうだいね。あとは……そうね、受けたいお仕事とか、得意なことはあるかしら? もしあるなら、書いておくけど」
「ええと……特には」
そんなこんなで、あっさりと登録は完了した。
わたしがさっきのロビーに戻ると、そこにはもうアリスメードさんたちはいなかった。
先に宿というところに向かったのだろうか? わたしはギルドのお姉さんを振り返る。
「あの、聞きたいことがあるんですけど」
「何かしら。なんでも聞いてちょうだい」
お姉さんは親切にかがみ込んで尋ねる。
わたしは頷き、力強く言った。
「魔法を教えてください」
一般道路の制限速度よりも速く動く生き物の背中にしがみつくという状況は幼女じゃなくても身の危険を感じたのだけど、そんなに急いでいたのは森を抜けるまでだった。
それから村に到着するまでは、駆け足程度かのんびり歩くような速度で、悪く言えばダラダラしていた。
元車社会の現代っ子からすると感じにくいのだけど、ロイドさんが言うにはホーンウルフだって生き物なので、永遠に全力疾走させることはできない。
森の中は危ないので駆け抜けただけで、いつも最高速で走るわけではないそうだ。
「起きろ、スズネ。コムギ村が見えた」
ロイドさんがそう言ったときには、既に一度日が落ちて、再度昇った後だった。
彼らは夜通し歩いていたのだろうか。
私は眠い目を擦りながら頭を上げる。中途半端に浅い眠りを繰り返したせいで、余計に体が怠かった。
影は大きいが、空は既に明るく、空は青い。
背後から射す日差しに照らされて、村はキラキラ輝いて見えた。
「コムギ……村?」
村、というにはあまりにも広大な、視界いっぱいに広がる緑の混ざった金の絨毯。
さわさわと朝の風に揺れて、眠気も吹っ飛ぶくらいに綺麗だった。
「コムギって、あれ全部、植わってるの小麦ですか?」
「え? いやコムギは村の名前だよ。植えられてるのはスノウっていう植物だ。もうすぐ収穫時期らしい」
まあ異世界だし、小麦という植物がないというのは納得できるけども。
それならコムギ村なんて名前にしないでほしいとか身勝手なことを思っているうちに、ホーンウルフは村の入り口に到着した。
「降りるぞ」
わたしは滑るようにして鞍から降りた。ロイドさんは鞍の上に残っている。
他の冒険者は、わたしと同じようにホーンウルフから降りていた。
「じゃあまた後で。宿で待っててくれ」
「ああ、よろしくな」
「みんなお疲れ様ー!」
「お願いね」
ロイドさんは、ホーンウルフ5頭を連れて駆け足で去っていく。
「どこかに行くんですか?」
「獣舎に預けるんだよー! あたしたちは慣れてるけど、村の人たちがびっくりしちゃうからね!」
レイスさんが答えてくれた。
朝だというのに元気いっぱいだ。
逆にフェンネルさんが心なしかしんどそうな顔をしていた。
「フェンネルさん、その、大丈夫ですか?」
「えっ……あ、うん。眠い……だけだよ」
彼女は大きくあくびをした。
「疲れた……宿に戻る」
「私もそうさせてもらおうかしら。レイスちゃんとアリスはどうする?」
「俺はギルドに行く」
「じゃっ、あたしも行く!」
どうやら、フェンネルさんとシアトルさんは宿に戻り、アリスメードさんとレイスさんはギルドという場所に向かうらしい。
二人はわたしに手を振って、歩いて行った。
「あの、ギルドって?」
「この辺で活動してる人の管理をしてるところだよ。俺たちみたいな冒険者の他に、商人や魔導士、魔術師、商人や農民なんかも登録してる。本部は王都にあるけど、ここにも支部があるんだ。コムギ村支部だよ」
「ギルドから依頼を受けて、報酬をもらうんだよー!」
「スズネも、もしかしたらギルドに登録してるかもしれないから照会を頼んでみようと思ったんだ」
ギルドといえば冒険者というイメージがあったのだけど、この世界では冒険者に限らず、色々な人が集まっているようだ。
わたしが登録されていることはないと思うけど、行ってみる価値はあるだろう。
「はい、あの、わたしもついていきます!」
「いいね、いこー!」
レイスさんが急にわたしに手を伸ばした。そのまま抱き上げられて、高い高いされる。
「うわっ、重っ! 意外と重い!」
「レイス、デリカシー」
急なことに驚き声の出ないわたしに、NGなことを大声で言うレイスさんを、アリスメードさんが注意した。
わたしはすぐに降ろされて、手を繋がれる。
「いこいこ!」
なんていうか、レイスさんは悪い人ではないのだけど、ちょっと苦手だ。
わたしは曖昧に笑いながら、手を引かれて小走りになる。
朝露に濡れてきらきら光る若い小麦……いや、スノウに囲まれた道。
左手を引っ張られている。
規則的に揺れる尻尾を目の端に収めたまま、わたしは置いて行かれないように土を蹴る。
「おじさん、おはよー!」
「お、戻って来たのか。そんなに急いでどうしたんだ?」
「ギルドに行くの! またね!」
すれ違う人に挨拶しながらも、レイスさんは足を止めない。
別にいいんだけど、尻尾の毛並みはホーンウルフよりも悪いような気がする。手入れがなってない。
わたしが発言する前に先へ先へと進んでしまうので、私はずっと無言のままだ。
ありがたいやら迷惑やら。
そんな風にしていたら、レイスさんが急に立ち止まった。
「はい、ついたよ! コムギ村のギルド!」
言われて、わたしはその建物を見た。
周囲に大きな建物がないからか、それはすごく目立っている。
作りは木造に見えたけれど、綺麗に色が塗られていて可愛らしい建物だ。
「ちょっと小さいけどね。こんにちはー!」
入ってみると、ドアベルが鳴った。正面にはカウンターがあったけれど、今はまだ誰もいない。
壁には大きな掲示板があった。依頼が書いてあるのだと思う。
レイスさんがやっとわたしを離してくれたので、わたしはそちらの方へ歩いて行った。
「納品依頼、討伐依頼、調査依頼……色々あるんだ」
貼り出されたクエスト受注書には、依頼の概要、依頼者、起源、報酬、おおよその危険度など、その依頼についての情報が色々と書いてある。
たまに『詳細は受注後に』なんて文句もあった。
「お待たせしました、はい。あっ、アリスメード様方ですか? おかえりなさい!」
受付に出て来た人は、いつの間にか追いついていたアリスメードさんを見て、そう言った。
「あの、お二人しかおられないようなんですが、他の方は……」
「疲れたから、先に宿に戻って休んでるんだ。全員無事だよ」
「ああ! そうだったんですね、ああよかった、本当にお疲れ様でした」
ギルドの人の反応から、やはり白玉の森は相当危険なところだったのだろうと分かる。
「では、ご報告の手続きを始めさせていただきますね」
「あいや、ちょっと待ってくれ。先に調べてほしいことがあるんだ。スズネ、こっちに来てくれ」
呼ばれたので、わたしは受付の方へ近づく。
ギルドの人は不思議そうにしていた。
「その子は? この村の子ではないようですが……」
「詳細は後で報告するんだけど、重い記憶喪失みたいで、何もかも覚えてないらしいんだ。照会をかけてほしい」
「記憶喪失……分かりました」
彼は一枚の紙を取り出して、それをわたしに渡した。
折り紙くらいの、正方形のただの紙に見える。
「両方の手の平で、挟んでください」
言われた通り、わたしはその紙を両手の間に入れて、手の平を合わせる。
しばらくすると、だんだん紙の色が変わってきた。
すごい、魔法だ! とわたしは内心ちょっとテンションが上がっていたのだけど、彼はそうではないらしい。
「お預かりします」
そして、その紙を見て、首を傾げた。
「登録されていないみたいです」
「そうか……ごめんスズネ、見つからなかったみたいだ」
わたしとしては当然の結果だったけど、アリスメードさんは心底申し訳なさそうに、わたしにそう言った。
「わ、わたし大丈夫ですよ、別に……平気です! その、それじゃああの、登録とかできるんですか?」
「登録は可能ですよ。登録されますか?」
「あっ、はい、お願いします!」
ついでなので、頼むことにした。ギルドの人は「分かりました」と言って、奥に引っ込む。
しばらくすると、別に女の人が一緒に出て来た。
さっきの人よりも年上に見える。
先輩お姉さんかもしれない。
「あら可愛い! ギルドに登録したいの?」
「は、はい。お願いします」
「分かったわ、こっちに来て」
お姉さんは受付の中に入れてくれて、奥の部屋に通された。
さきほどの人は、アリスメードさんの対応をするようだ。
「まず、名前を教えてくれるかしら」
「スズネ、です。たぶん」
「たぶん?」
「ええと、記憶喪失で。あんまりよく、覚えてなくて」
「あらぁ、そうなの。大変ね。分かったわ、変更できるようにしておくから、思い出したら変えてね」
お姉さんは慣れたように紙に書きつけていく。
「職業はどうする? あなたくらいの子は、たいてい冒険者で登録してるけど」
「それなら、それで、お願いします」
「分かったわ。後で追加も変更もできるから、また言ってちょうだいね。あとは……そうね、受けたいお仕事とか、得意なことはあるかしら? もしあるなら、書いておくけど」
「ええと……特には」
そんなこんなで、あっさりと登録は完了した。
わたしがさっきのロビーに戻ると、そこにはもうアリスメードさんたちはいなかった。
先に宿というところに向かったのだろうか? わたしはギルドのお姉さんを振り返る。
「あの、聞きたいことがあるんですけど」
「何かしら。なんでも聞いてちょうだい」
お姉さんは親切にかがみ込んで尋ねる。
わたしは頷き、力強く言った。
「魔法を教えてください」
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