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#3 試練
26 再会
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取引場所に来た男が言うには、彼女は捕らえられている地下牢から、動かせる状態ではないらしい。
つまり彼が言うには、まだなんとか息はあるそうだ。
本当かどうかは分からないが。
案内するという男の提案を快諾し、私は案内されるままに拠点に向かった。
男のことは信じている。
私も知っている程度の、それなりに立場のあるメンバーだ。
彼の両手は、針金で拘束してある。
少なくともアインに出会う前に、私が殺されないために。
「……おい、一つ教えろ」
「なんだ?」
「お前は手配書の男なのか?」
「そう思ったから、彼女を攫ったんじゃないのか」
「……俺は疑ってたんだよ。そんなわけがないってな」
この男はヨドという。
彼自身と、そして彼の周囲の言うには、彼は自ら志願してこの役目を引き受けた。
つまり責任を取るという名目で、危険な爆弾魔の人質になると言ったらしい。
なかなか豪胆な男だ。
傭兵などやっていないで、軍にでも入ればいいのに。
地下牢の長く続く廊下を歩きながら、私は「そうか」と適当に相槌を打つ。
その時だった。突然けたたましくサイレンが鳴り始めた。
「これはなんだ?」
「……これは軍の視察だ。俺達傭兵団は、教会から一定以上の武力を持つことを許可されている代わりに、直属の軍が視察に来る。事前連絡なしの抜き打ちだから、こうしてサイレンが鳴る……迎えなきゃいけないからな」
その制度は私も知っている。ただの確認だ。
「……チッ」
しかし、今の私にとっては少し都合が悪かった。
何しろ私は今現在、脅迫という罪を犯している。
そうでなくても昨晩軍に盗みに入ったし、さきほど建造物を激しく損害させたし、何より指名手配されている。
見つかったら問答無用で間違いなくハチの巣にされるだろう。
いや、ハチの巣で済めばいい方かもしれない。
ハチの餌にされかねない。
「何か嗅ぎつけたんだろうな」
「そうだな。今日ほど視察が嬉しかった日はないぜ。……怖い顔するなよ」
着いた、とヨドはそう言って立ち止まった。
私の足の傷は、既にほとんど腐り始めている。
「……騒がしいな」
ジャックめ、タイミング悪く余計なことをしてくれた。
ヨドはすぐに牢の鍵を開けた。
「この中にいる」
言われるが早いか、私は倒れこむようにして扉を開けて中に入る。
「アイン、遅くなってすまない、助けに……」
目を疑った。疑いようのない真実が目の前にあった。
信じたくない事実だった。
アインは気を失っていた。
その体からは、四肢が失われていた。
「アイン……?」
酷い淫臭、血、硫黄、カビ、糞尿の混ざった惨たらしい酷い悪臭。
片腕は肩から、もう片腕は手首から切断され、両足首は切断面もそのままに床に転がっている。
目からは血が流れ、耳は切り裂かれ、無理矢理開かされた口の歯は歪な形をしている。
乳房は潰されて引き千切られて、腹は引き裂かれて酷い火傷の跡もあり、わずかに骨が覗いている。
「あ、あ……」
痛い。
痛い、全身を切り裂かれるように痛い。
膝から崩れ落ちて、自然に涙が溢れた。
アインは無遠慮に突き刺さった鉄の楔と、その楔に繋がれた鎖によって自由を奪われている。
私は細心の注意を払って、鎖を断った。
崩れ落ちたアインの体は、当然のように動かない。
「嫌だ、アイン、アイン、起きて、アイン、お願い、お願いだから……」
「……」
無情にも返事はない。
気づけば酷く泣いていた。
こんなに涙を流したのは生まれて初めてかもしれないというくらい泣いた。
ぐちゃぐちゃになった体、傷を治さなければとは思ったが、一体どこから手を付ければいいのかすら分からない。息があるのかどうかなど考えたくもない。
「……一つ、頼みがある」
発した声は冷静だった。浮かべた表情は笑顔だった。
笑わずにはいられなかった。
「私を殺さないで、軍に引き渡してくれ。どうせ死ぬなら、法に裁かれて死ぬ」
「変わってんなお前、処刑される前に殺してくれってんならまだしも」
「そこに待機してる奴らも下がらせろ」
「なんだ、気づかれてたのか。随分聡い男だな、お前」
「そうしてくれるなら、爆弾の凍結法を教える」
私は珍しく、ジャックのことを考えていた。
ジャックは、私を殺したいだろうと思った。
そして何故か、できるだけ惨たらしく殺されたいという自滅願望もあった。
「ああ、分かった。……お前ら、聞いてただろ。下がれ」
アインを拷問された恨みよりは、失った喪失感と絶望と、後悔と自責が強かった。
私の敬愛するルシファーの法の下、嫉妬し羨望したジャックに殺されるなら、それはそれで悪くない。
むしろそうだ、いい終わりじゃないか。
「……濃度0.1%水溶液、常温。十秒も浸ければ十分だが、導線を空気に触れさせないように、注意するんだな」
ボロボロと涙が溢れて止まらない。
それなのに声は平坦だった。自分でも驚くほどに冷静だった。
「……俺に言ってんのか?」
「ああ、そうだ。火薬の側に瓶がある。それで水溶液を作れ。二つ、ロビーに設置してあるので全部だ」
冷酷無情な悪魔のようだと、いつだったか、そう言われた。
なるほど、確かにそうだ。
「……ば、爆弾の話か!」
「そうだ」
私はヨドに向かってペンチを投げつけ、「早く行け」と言った。
「一刻を争うぞ」
「っ、クソッ」
拘束された手を器用に使って、彼は自分の拘束を外してそのまま走った。
「……アイン、待たせて悪かったな」
彼女を抱き上げると、僅かに息があった。
私は持って来た治療薬を彼女に飲ませなかった。
それはただの数分の延命にしかならず、彼女を余計に苦しませるだけだと知っていた。
「本当に……悪かった」
彼女は意識を失っていて、私は安堵した。
痛いだろう、苦しいだろう。
意識を失っていた方がいい。私のように、眠っていた方がいい。
目を閉じて、安らかに、ああ、そうだ、そしてそのまま、眠ってくれ。
「……」
壊れた蛇口のように、ボロボロと大粒の涙が零れて落ちる。
泣き方が分からない。声を上げることができない。
ただ涙だけが落ちていく。
無言で、無表情で、無感動のまま、涙が流れる。
口元は笑っている。わけが分からない。
どうしてだろう。こんなにも心は穏やかなのに。
覚悟していたはずなのに。
「……すぐに、私も行くからな」
そうだ、むしろ私は安堵している。
大丈夫、ほんの少しだけだ。すぐに後を追う。
いつだってそうだった。
私はいつも、彼女の背中を追っていた。
彼女が前を歩いて、私が後ろを歩く。
そうだ、何もかもいつもと同じじゃないか。
森の中へ消えていく彼女の背中を見送るのだって、これが初めてというわけじゃない。
いつもと違うのはたった一つ、もう彼女が帰ってこないということだけ。
彼女は私を探さないで、私だけが彼女を追うということだけ。
……その時、不意に腕を掴まれた。
「聞こえないのか! 両手を頭の後ろで組めと言っている!」
聞こえなかった。
振り返ると、そこには大勢の軍人がいた。
ああ、そうか。お別れか。
それを察して、私はアインをそっと床に降ろした。
「すまないな、騒がしくて」
大丈夫、すぐに静かになる。
「撃て!」
「待て撃つな! いつもの癖で撃つな!」
私は動かなかった。
軍人の内の一人だろう、そいつが私の手首を掴み、そして首筋にスタンガンを当てた。
私は最後までアインを見つめていた。
最後に、一目会えて良かった。そう思った。
つまり彼が言うには、まだなんとか息はあるそうだ。
本当かどうかは分からないが。
案内するという男の提案を快諾し、私は案内されるままに拠点に向かった。
男のことは信じている。
私も知っている程度の、それなりに立場のあるメンバーだ。
彼の両手は、針金で拘束してある。
少なくともアインに出会う前に、私が殺されないために。
「……おい、一つ教えろ」
「なんだ?」
「お前は手配書の男なのか?」
「そう思ったから、彼女を攫ったんじゃないのか」
「……俺は疑ってたんだよ。そんなわけがないってな」
この男はヨドという。
彼自身と、そして彼の周囲の言うには、彼は自ら志願してこの役目を引き受けた。
つまり責任を取るという名目で、危険な爆弾魔の人質になると言ったらしい。
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地下牢の長く続く廊下を歩きながら、私は「そうか」と適当に相槌を打つ。
その時だった。突然けたたましくサイレンが鳴り始めた。
「これはなんだ?」
「……これは軍の視察だ。俺達傭兵団は、教会から一定以上の武力を持つことを許可されている代わりに、直属の軍が視察に来る。事前連絡なしの抜き打ちだから、こうしてサイレンが鳴る……迎えなきゃいけないからな」
その制度は私も知っている。ただの確認だ。
「……チッ」
しかし、今の私にとっては少し都合が悪かった。
何しろ私は今現在、脅迫という罪を犯している。
そうでなくても昨晩軍に盗みに入ったし、さきほど建造物を激しく損害させたし、何より指名手配されている。
見つかったら問答無用で間違いなくハチの巣にされるだろう。
いや、ハチの巣で済めばいい方かもしれない。
ハチの餌にされかねない。
「何か嗅ぎつけたんだろうな」
「そうだな。今日ほど視察が嬉しかった日はないぜ。……怖い顔するなよ」
着いた、とヨドはそう言って立ち止まった。
私の足の傷は、既にほとんど腐り始めている。
「……騒がしいな」
ジャックめ、タイミング悪く余計なことをしてくれた。
ヨドはすぐに牢の鍵を開けた。
「この中にいる」
言われるが早いか、私は倒れこむようにして扉を開けて中に入る。
「アイン、遅くなってすまない、助けに……」
目を疑った。疑いようのない真実が目の前にあった。
信じたくない事実だった。
アインは気を失っていた。
その体からは、四肢が失われていた。
「アイン……?」
酷い淫臭、血、硫黄、カビ、糞尿の混ざった惨たらしい酷い悪臭。
片腕は肩から、もう片腕は手首から切断され、両足首は切断面もそのままに床に転がっている。
目からは血が流れ、耳は切り裂かれ、無理矢理開かされた口の歯は歪な形をしている。
乳房は潰されて引き千切られて、腹は引き裂かれて酷い火傷の跡もあり、わずかに骨が覗いている。
「あ、あ……」
痛い。
痛い、全身を切り裂かれるように痛い。
膝から崩れ落ちて、自然に涙が溢れた。
アインは無遠慮に突き刺さった鉄の楔と、その楔に繋がれた鎖によって自由を奪われている。
私は細心の注意を払って、鎖を断った。
崩れ落ちたアインの体は、当然のように動かない。
「嫌だ、アイン、アイン、起きて、アイン、お願い、お願いだから……」
「……」
無情にも返事はない。
気づけば酷く泣いていた。
こんなに涙を流したのは生まれて初めてかもしれないというくらい泣いた。
ぐちゃぐちゃになった体、傷を治さなければとは思ったが、一体どこから手を付ければいいのかすら分からない。息があるのかどうかなど考えたくもない。
「……一つ、頼みがある」
発した声は冷静だった。浮かべた表情は笑顔だった。
笑わずにはいられなかった。
「私を殺さないで、軍に引き渡してくれ。どうせ死ぬなら、法に裁かれて死ぬ」
「変わってんなお前、処刑される前に殺してくれってんならまだしも」
「そこに待機してる奴らも下がらせろ」
「なんだ、気づかれてたのか。随分聡い男だな、お前」
「そうしてくれるなら、爆弾の凍結法を教える」
私は珍しく、ジャックのことを考えていた。
ジャックは、私を殺したいだろうと思った。
そして何故か、できるだけ惨たらしく殺されたいという自滅願望もあった。
「ああ、分かった。……お前ら、聞いてただろ。下がれ」
アインを拷問された恨みよりは、失った喪失感と絶望と、後悔と自責が強かった。
私の敬愛するルシファーの法の下、嫉妬し羨望したジャックに殺されるなら、それはそれで悪くない。
むしろそうだ、いい終わりじゃないか。
「……濃度0.1%水溶液、常温。十秒も浸ければ十分だが、導線を空気に触れさせないように、注意するんだな」
ボロボロと涙が溢れて止まらない。
それなのに声は平坦だった。自分でも驚くほどに冷静だった。
「……俺に言ってんのか?」
「ああ、そうだ。火薬の側に瓶がある。それで水溶液を作れ。二つ、ロビーに設置してあるので全部だ」
冷酷無情な悪魔のようだと、いつだったか、そう言われた。
なるほど、確かにそうだ。
「……ば、爆弾の話か!」
「そうだ」
私はヨドに向かってペンチを投げつけ、「早く行け」と言った。
「一刻を争うぞ」
「っ、クソッ」
拘束された手を器用に使って、彼は自分の拘束を外してそのまま走った。
「……アイン、待たせて悪かったな」
彼女を抱き上げると、僅かに息があった。
私は持って来た治療薬を彼女に飲ませなかった。
それはただの数分の延命にしかならず、彼女を余計に苦しませるだけだと知っていた。
「本当に……悪かった」
彼女は意識を失っていて、私は安堵した。
痛いだろう、苦しいだろう。
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目を閉じて、安らかに、ああ、そうだ、そしてそのまま、眠ってくれ。
「……」
壊れた蛇口のように、ボロボロと大粒の涙が零れて落ちる。
泣き方が分からない。声を上げることができない。
ただ涙だけが落ちていく。
無言で、無表情で、無感動のまま、涙が流れる。
口元は笑っている。わけが分からない。
どうしてだろう。こんなにも心は穏やかなのに。
覚悟していたはずなのに。
「……すぐに、私も行くからな」
そうだ、むしろ私は安堵している。
大丈夫、ほんの少しだけだ。すぐに後を追う。
いつだってそうだった。
私はいつも、彼女の背中を追っていた。
彼女が前を歩いて、私が後ろを歩く。
そうだ、何もかもいつもと同じじゃないか。
森の中へ消えていく彼女の背中を見送るのだって、これが初めてというわけじゃない。
いつもと違うのはたった一つ、もう彼女が帰ってこないということだけ。
彼女は私を探さないで、私だけが彼女を追うということだけ。
……その時、不意に腕を掴まれた。
「聞こえないのか! 両手を頭の後ろで組めと言っている!」
聞こえなかった。
振り返ると、そこには大勢の軍人がいた。
ああ、そうか。お別れか。
それを察して、私はアインをそっと床に降ろした。
「すまないな、騒がしくて」
大丈夫、すぐに静かになる。
「撃て!」
「待て撃つな! いつもの癖で撃つな!」
私は動かなかった。
軍人の内の一人だろう、そいつが私の手首を掴み、そして首筋にスタンガンを当てた。
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