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#2 スケッチブック
09 子供の落書きだけど
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僕は、また絵を描くことにした。
アインは、自分のいないところでは描かないようにと僕にきつくそう言った。
「いい? アンタは、絵を描くことで記憶が戻ってる。その記憶の全部が全部衝撃的な内容ってわけじゃないだろうけど、少なくともその可能性はある。危ないから、アタシの前以外では描かないで。描いた絵も、ちゃんとアタシに見せて」
「アインに見せても分からないでしょ?」
「分かるのもあるよ。絵の具や鉛筆なら、触れて感じる」
そんなに得意じゃないけどね、とアインは言った。
それはもちろん、指先で触れてその感覚で想像するということで、つまりアインはスケッチブックのザラザラした表面の、そこで削られている黒鉛が、紙の溝を埋めているのを、触って分かるということだろう。
僕には到底真似できそうにない。やっぱりアインはすごい。
「今日は何を描くの?」
僕は泉のほとりの木に背中を預けていた。
アインにそう尋ねられて、住処からわざわざ持って来たものを掲げて見せる。
「今日はね、鉛筆と本」
この本も、この前アインが大陸の船から交換してきてくれたものだ。
内容は、子供向けの冒険小説だった。
「僕は知識が豊富だし、きっとたくさん本を読んだんだよ。楽しいお話を思い出すかもしれないでしょ? もし面白いのがあったら、アインにも教えてあげるからね!」
「……アンタ、あんなに死にそうな思いをしたのに、よくそんなケロッとしてられるよね」
アインは半分呆れたように、僕に言った。僕はうんと頷く。
「だって、僕にはアインがついててくれるもん。だから平気だよ」
僕はそう言って、笑った。
アインはそんな僕の頭を撫でて、「はいはい」と言った。
僕は黒鉛で紙の溝を埋めるように、擦りつけるようにして線を描いて、色を塗って、指先で影を広げる。
「上手いね」
とアインが言った。
「上手いって、どうして分かるの?」
「なんとなく」
上手い、かどうかは分からない。上手下手は相対的な評価だ。
この島に絵を描くのが僕一人しかいない以上、そして僕の記憶の中に絵を描く人がいない以上、僕はやっぱり自分の絵が上手いかどうか分からない。
そりゃもちろん、頭の中を少し探せば知識の中に、当たり前みたいに歴代の画家の名前とか作品とかが浮かんで来るけれど、そんなのと比べちゃったら僕の絵なんて、どうみたってただの子供の落書きだ。
「ありがとう」
それでも、僕はアインに褒められて嬉しくて、そう言った。
褒められるのが、すごくうれしかった。
そして僕は、また最後にサインを書き入れた。
……少年は城を脱出し、荒野を走っている。その腕に姫を抱きかかえ、馬に乗って。痩せた馬だ。少年と姫のどちらかでも大人だったなら、その馬は走ることはおろか、立ち上がることすらできなかっただろうというくらいに。しかしその馬は忠実に、軽快に駆けた。苦しさなんて微塵も見せないで。彼らを追う者が矢を射た。馬は目を射られても、決して止まらなかった。「忠誠」そう、忠誠。その美とは即ち忠誠なのだ。ランプに照らされた暗い部屋で立ち上がる。包帯が巻かれ、固定された右手を一瞥する。「ああ、あの方の苦悩に比べれば」と呟く。何故止まるのだろう、動かなければならないのに。走る、ただ走ろうじゃないか。あの老いてやせ細っても、主を守り三日三晩荒野を駆けた馬のように。そしてそのまま地に倒れ伏すのだ。そしてその血肉までも主に捧げよう。右手が使えないのなら、左手を使えばいい。左手が不便なら、訓練すればいい。「忠誠だ」幾度なく読んてボロボロになった聖典を、丁寧に棚に仕舞った。こんなに丁寧に扱っているのに、数年も経てばすぐにボロボロになってしまう。また新しいものを手に入れなければならない。「忠誠を」そう、忠誠を。「……忠誠を」それこそが幸せだ。それこそが幸福だ。倒れた馬の表情は穏やかだった。主人を守って死んだ、その馬は間違いなく幸せだった。ねえ、それなのに何故だろう。涙が止まらなくて、苦しくて仕方がない。
「……」
僕は沈黙して、アインを見つめた。アインは軽く首を傾げ、「どうしたの」と言う。
「そんなに衝撃的な記憶じゃなかったみだいだね」
「……うん」
そう言いながらも、僕の中にはうっすらとまた、他の記憶が流れ込む。
……少女は兄に尽くした。兄は少女を慈しんだ。二人は霧の谷を越え、月の空へと歩みを進める。しかし雲に差し掛かろうというとき、その険しく切り立った風のせいで、兄は足を怪我してしまった。「お兄様、私の腕を杖にしてください」少女は兄に、彼女の右腕を差し出した。二人は雲を越えた。二人が星を越えるとき、ついに水か尽きてしまった。少女は言った。「お兄様、私の水を飲んでください」少女は兄に、彼女の頭を差し出した。二人が月にたどり着くと、そこには母がいた。少女は言った。「お兄様、私の心臓を差し上げてください」少女は心臓を取り出し、兄に捧げた。そうだ、そう。迷いなく片腕を切り落とし、脳髄を絞り、心臓を取り出す。そんな奉仕の精神こそ、持つべきものなのだ。例えあの方が望まなくとも、「差し出さなければ」そう静かに呟いた。全てを捧げることこそ、私のなすべきことなのだ。そして願いが叶えば最後少女のように、その心臓すら捧げて消えてしまえばいい。これが海より深いあの方の、慈愛に報いる手段ではないか。拒まれようとも、それは試練なのだ。それは私の、忠誠を試すためのあの方の科した試練であるに仕方ない。「捧げなければ」全てを、そう何もかも全てを捧げるのだ。それでこそ私は、あの方に仕えることが許される。
やっぱり僕は本を読むのが好きだったようだ。
図書館かどこかの、とても大きい場所の書庫に一人きりで閉じ籠って、色々な本を、指先に触れたものからおもむろに取り出して読み続けている。
「すごくたくさんの……記憶がある。僕、本当に本が好きだったんだね」
「無理して喋らないで、座って目を閉じてた方がいい。アタシが側にいてあげるから」
うん、と僕はアインに言われた通りに深く座り直して、リラックスした。
記憶が流れ込んで来る。感情も流れ込んで来る。
言い様のない孤独、絶望。
物語はいつも、そんな辛い現実から目を背けさせてくれる。
ただ悪戯に、感情のままに、欲望のままに、ページを捲る。
つかの間の幸せだった。
でも少し読んでは、必ずまた机に向かう。
まるで命を削るように勉学に励む。
何故そんなに勉強するのか、僕には分からなかった。
ペンを握る手はマメが潰れて血が滲み、教科書にしている本のページの端は、茶色く汚れている。
あまりにも痛む指先と手首はもれなく腱鞘炎になっていて、少し動かすだけで痛みを伴い、指はカクンと弾かれたように引っ掛かる。
その痛みに手を止めて、またページを捲り、そしてまた机に戻る。
激痛なのに、僕は決して指を止めなかった。
止めることを許さなかった。何故?
外は真っ暗だった。
僕はそれ以上、何も思い出せなかった。
アインは、自分のいないところでは描かないようにと僕にきつくそう言った。
「いい? アンタは、絵を描くことで記憶が戻ってる。その記憶の全部が全部衝撃的な内容ってわけじゃないだろうけど、少なくともその可能性はある。危ないから、アタシの前以外では描かないで。描いた絵も、ちゃんとアタシに見せて」
「アインに見せても分からないでしょ?」
「分かるのもあるよ。絵の具や鉛筆なら、触れて感じる」
そんなに得意じゃないけどね、とアインは言った。
それはもちろん、指先で触れてその感覚で想像するということで、つまりアインはスケッチブックのザラザラした表面の、そこで削られている黒鉛が、紙の溝を埋めているのを、触って分かるということだろう。
僕には到底真似できそうにない。やっぱりアインはすごい。
「今日は何を描くの?」
僕は泉のほとりの木に背中を預けていた。
アインにそう尋ねられて、住処からわざわざ持って来たものを掲げて見せる。
「今日はね、鉛筆と本」
この本も、この前アインが大陸の船から交換してきてくれたものだ。
内容は、子供向けの冒険小説だった。
「僕は知識が豊富だし、きっとたくさん本を読んだんだよ。楽しいお話を思い出すかもしれないでしょ? もし面白いのがあったら、アインにも教えてあげるからね!」
「……アンタ、あんなに死にそうな思いをしたのに、よくそんなケロッとしてられるよね」
アインは半分呆れたように、僕に言った。僕はうんと頷く。
「だって、僕にはアインがついててくれるもん。だから平気だよ」
僕はそう言って、笑った。
アインはそんな僕の頭を撫でて、「はいはい」と言った。
僕は黒鉛で紙の溝を埋めるように、擦りつけるようにして線を描いて、色を塗って、指先で影を広げる。
「上手いね」
とアインが言った。
「上手いって、どうして分かるの?」
「なんとなく」
上手い、かどうかは分からない。上手下手は相対的な評価だ。
この島に絵を描くのが僕一人しかいない以上、そして僕の記憶の中に絵を描く人がいない以上、僕はやっぱり自分の絵が上手いかどうか分からない。
そりゃもちろん、頭の中を少し探せば知識の中に、当たり前みたいに歴代の画家の名前とか作品とかが浮かんで来るけれど、そんなのと比べちゃったら僕の絵なんて、どうみたってただの子供の落書きだ。
「ありがとう」
それでも、僕はアインに褒められて嬉しくて、そう言った。
褒められるのが、すごくうれしかった。
そして僕は、また最後にサインを書き入れた。
……少年は城を脱出し、荒野を走っている。その腕に姫を抱きかかえ、馬に乗って。痩せた馬だ。少年と姫のどちらかでも大人だったなら、その馬は走ることはおろか、立ち上がることすらできなかっただろうというくらいに。しかしその馬は忠実に、軽快に駆けた。苦しさなんて微塵も見せないで。彼らを追う者が矢を射た。馬は目を射られても、決して止まらなかった。「忠誠」そう、忠誠。その美とは即ち忠誠なのだ。ランプに照らされた暗い部屋で立ち上がる。包帯が巻かれ、固定された右手を一瞥する。「ああ、あの方の苦悩に比べれば」と呟く。何故止まるのだろう、動かなければならないのに。走る、ただ走ろうじゃないか。あの老いてやせ細っても、主を守り三日三晩荒野を駆けた馬のように。そしてそのまま地に倒れ伏すのだ。そしてその血肉までも主に捧げよう。右手が使えないのなら、左手を使えばいい。左手が不便なら、訓練すればいい。「忠誠だ」幾度なく読んてボロボロになった聖典を、丁寧に棚に仕舞った。こんなに丁寧に扱っているのに、数年も経てばすぐにボロボロになってしまう。また新しいものを手に入れなければならない。「忠誠を」そう、忠誠を。「……忠誠を」それこそが幸せだ。それこそが幸福だ。倒れた馬の表情は穏やかだった。主人を守って死んだ、その馬は間違いなく幸せだった。ねえ、それなのに何故だろう。涙が止まらなくて、苦しくて仕方がない。
「……」
僕は沈黙して、アインを見つめた。アインは軽く首を傾げ、「どうしたの」と言う。
「そんなに衝撃的な記憶じゃなかったみだいだね」
「……うん」
そう言いながらも、僕の中にはうっすらとまた、他の記憶が流れ込む。
……少女は兄に尽くした。兄は少女を慈しんだ。二人は霧の谷を越え、月の空へと歩みを進める。しかし雲に差し掛かろうというとき、その険しく切り立った風のせいで、兄は足を怪我してしまった。「お兄様、私の腕を杖にしてください」少女は兄に、彼女の右腕を差し出した。二人は雲を越えた。二人が星を越えるとき、ついに水か尽きてしまった。少女は言った。「お兄様、私の水を飲んでください」少女は兄に、彼女の頭を差し出した。二人が月にたどり着くと、そこには母がいた。少女は言った。「お兄様、私の心臓を差し上げてください」少女は心臓を取り出し、兄に捧げた。そうだ、そう。迷いなく片腕を切り落とし、脳髄を絞り、心臓を取り出す。そんな奉仕の精神こそ、持つべきものなのだ。例えあの方が望まなくとも、「差し出さなければ」そう静かに呟いた。全てを捧げることこそ、私のなすべきことなのだ。そして願いが叶えば最後少女のように、その心臓すら捧げて消えてしまえばいい。これが海より深いあの方の、慈愛に報いる手段ではないか。拒まれようとも、それは試練なのだ。それは私の、忠誠を試すためのあの方の科した試練であるに仕方ない。「捧げなければ」全てを、そう何もかも全てを捧げるのだ。それでこそ私は、あの方に仕えることが許される。
やっぱり僕は本を読むのが好きだったようだ。
図書館かどこかの、とても大きい場所の書庫に一人きりで閉じ籠って、色々な本を、指先に触れたものからおもむろに取り出して読み続けている。
「すごくたくさんの……記憶がある。僕、本当に本が好きだったんだね」
「無理して喋らないで、座って目を閉じてた方がいい。アタシが側にいてあげるから」
うん、と僕はアインに言われた通りに深く座り直して、リラックスした。
記憶が流れ込んで来る。感情も流れ込んで来る。
言い様のない孤独、絶望。
物語はいつも、そんな辛い現実から目を背けさせてくれる。
ただ悪戯に、感情のままに、欲望のままに、ページを捲る。
つかの間の幸せだった。
でも少し読んでは、必ずまた机に向かう。
まるで命を削るように勉学に励む。
何故そんなに勉強するのか、僕には分からなかった。
ペンを握る手はマメが潰れて血が滲み、教科書にしている本のページの端は、茶色く汚れている。
あまりにも痛む指先と手首はもれなく腱鞘炎になっていて、少し動かすだけで痛みを伴い、指はカクンと弾かれたように引っ掛かる。
その痛みに手を止めて、またページを捲り、そしてまた机に戻る。
激痛なのに、僕は決して指を止めなかった。
止めることを許さなかった。何故?
外は真っ暗だった。
僕はそれ以上、何も思い出せなかった。
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