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#1 幼い子供
02 麻酔薬
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激痛で目が覚めた。
「うっ、うぅ、はぁ、はぁ、ぐっ、はぁ、はぁ、」
全身が痛い。
腹部は内臓を捩じられてるみたいで、頭はゴーンゴーンと何かに殴りつけられているように痛い。
腕と足の細胞一つ一つが悲鳴を上げているようにすら感じる。
「痛い、っ、いたいっ、」
思わず、譫言のようにそう呻く。
あまりの激痛に、動かすと痛いのにも関わらず、自然と体をくの字に折り曲げてしまって、更なる痛みに苦しみ悶える。
「っっ」
痛い、痛い、痛い、痛い。
強く指を握り込む。
砕けた爪が皮膚に食い込む痛みで、激痛を誤魔化そうと藻掻く。
全身に脂汗の脂汗が一瞬だけ一気に乾くその冷たさで、僕は身震いした。
「っ、う、痛い、」
数秒だって耐えられないような、全身を捥がれるような痛み。
ただ破壊されるだけじゃない、再生を伴う生きた痛み。
全身の細胞が悲鳴を上げているのが聞こえる。
脳の神経が焼き切れそうなほどに痛い。
僕は歯をギリギリと噛みしめて、爪が割れるほど手を握って、ボロボロと生理的な涙を流す。
しかし、痛みは増していく。
「あ、ああ、あ、あああ、はぁ、あ、ああ……」
もう体が言うことをきかない。
なんだか体が痙攣して、筋肉が勝手に動く。
何分かに一度気を失うけれど、またすぐに目覚めてしまう。
「アンタ、意外と根性あるんだね」
「あ、ああ……」
目の前が明るくなって、僕は、アインがランプを僕の枕元において、何かを差し出していることに気が付いた。
「飲む? そんだけ痛いなら、毒薬飲まされて死んだ方がマシでしょ?」
「やっ、だ、死にたく、ない……」
僕は、ボロボロ涙を流しながら言った。
とにかく怖かった。痛いのも苦しいし、死ぬのも怖かった。
僕が怯えているのを見て、アインは僕の頭を撫でた。
「死なないよ。ただの例え話。死にたくないなら猶更飲んだ方がいいんじゃない? このままじゃ、痛みで死んじゃうかもよ。アンタ」
「うっ、うぅ……」
「飲んでよ。そんな風に苦しそうに呻かれてたら、アタシが眠れない。そんなに痛かったら、考えるのもできないでしょ?」
ここには一つしか部屋がない、とアインは言った。
僕は拒否しようとしたけれど、アインは僕の口元に器を押し付ける。
「飲んで」
「っ、うっ、」
「飲め。じゃなきゃもっと酷くなる」
僕は目を閉じて、それを受け入れた。ボロボロと涙が流れる。
アインは「いい子」と言って、僕に全ての薬を飲ませた。
多分苦いのだろうけれど、痛みのせいで頭がぼうっとしていて、何も味は感じなかった。
「半日は効かないから、刺し薬を打とうか」
「刺し……薬?」
「大陸だと注射器って言うんだっけ。穴の開いた針を通して、直接血管とか肉に吸収させる。アンタが嫌がらないなら、打ってあげる。すぐに効くから」
「……でも、こわい……」
「すごく痛いでしょ。目を閉じてれば、気にならない」
「うん……」
迷ったけど、僕は痛みに耐えられなくて、小さく頷いた。
アインは僕を責めることも、嘲ることもなく、ただ淡々と処置を行った。
その薬は痛みを和らげて、そのまま僕を眠らせた。
「うっ、うぅ、はぁ、はぁ、ぐっ、はぁ、はぁ、」
全身が痛い。
腹部は内臓を捩じられてるみたいで、頭はゴーンゴーンと何かに殴りつけられているように痛い。
腕と足の細胞一つ一つが悲鳴を上げているようにすら感じる。
「痛い、っ、いたいっ、」
思わず、譫言のようにそう呻く。
あまりの激痛に、動かすと痛いのにも関わらず、自然と体をくの字に折り曲げてしまって、更なる痛みに苦しみ悶える。
「っっ」
痛い、痛い、痛い、痛い。
強く指を握り込む。
砕けた爪が皮膚に食い込む痛みで、激痛を誤魔化そうと藻掻く。
全身に脂汗の脂汗が一瞬だけ一気に乾くその冷たさで、僕は身震いした。
「っ、う、痛い、」
数秒だって耐えられないような、全身を捥がれるような痛み。
ただ破壊されるだけじゃない、再生を伴う生きた痛み。
全身の細胞が悲鳴を上げているのが聞こえる。
脳の神経が焼き切れそうなほどに痛い。
僕は歯をギリギリと噛みしめて、爪が割れるほど手を握って、ボロボロと生理的な涙を流す。
しかし、痛みは増していく。
「あ、ああ、あ、あああ、はぁ、あ、ああ……」
もう体が言うことをきかない。
なんだか体が痙攣して、筋肉が勝手に動く。
何分かに一度気を失うけれど、またすぐに目覚めてしまう。
「アンタ、意外と根性あるんだね」
「あ、ああ……」
目の前が明るくなって、僕は、アインがランプを僕の枕元において、何かを差し出していることに気が付いた。
「飲む? そんだけ痛いなら、毒薬飲まされて死んだ方がマシでしょ?」
「やっ、だ、死にたく、ない……」
僕は、ボロボロ涙を流しながら言った。
とにかく怖かった。痛いのも苦しいし、死ぬのも怖かった。
僕が怯えているのを見て、アインは僕の頭を撫でた。
「死なないよ。ただの例え話。死にたくないなら猶更飲んだ方がいいんじゃない? このままじゃ、痛みで死んじゃうかもよ。アンタ」
「うっ、うぅ……」
「飲んでよ。そんな風に苦しそうに呻かれてたら、アタシが眠れない。そんなに痛かったら、考えるのもできないでしょ?」
ここには一つしか部屋がない、とアインは言った。
僕は拒否しようとしたけれど、アインは僕の口元に器を押し付ける。
「飲んで」
「っ、うっ、」
「飲め。じゃなきゃもっと酷くなる」
僕は目を閉じて、それを受け入れた。ボロボロと涙が流れる。
アインは「いい子」と言って、僕に全ての薬を飲ませた。
多分苦いのだろうけれど、痛みのせいで頭がぼうっとしていて、何も味は感じなかった。
「半日は効かないから、刺し薬を打とうか」
「刺し……薬?」
「大陸だと注射器って言うんだっけ。穴の開いた針を通して、直接血管とか肉に吸収させる。アンタが嫌がらないなら、打ってあげる。すぐに効くから」
「……でも、こわい……」
「すごく痛いでしょ。目を閉じてれば、気にならない」
「うん……」
迷ったけど、僕は痛みに耐えられなくて、小さく頷いた。
アインは僕を責めることも、嘲ることもなく、ただ淡々と処置を行った。
その薬は痛みを和らげて、そのまま僕を眠らせた。
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