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こういうときの予感はだいたい当たるもので―
「雛、頼みがあるの。凖の浮気の証拠写真撮ってきて」
「...は?」
開いた口が塞がらないとは、まさにこの瞬間の私の状態を指すのだと思う。
後から聞いた話によると、この日お泊まりをしていた私以外の友達はみんな彼氏に顔が覚えられているらしい。
バレたらまずいので、顔を覚えられていない私に行かせるということだ。
ちょっと勝手だと思いながらも、彼氏の高校の前にいる私もどうかと思うけどね...。
季節は冬。
雪は降っていないけど、寒いこんな日に私はカーディガンとマフラーだけで防寒をし、夏帆の彼氏が出てくるのを待っている。
夏帆の彼氏の名前は木下凖(きのしたしゅん)といって、1ヶ月ぐらい前にあった合コンで2人は知り合ったのだ。
ちなみに私もその合コンに数合わせで参加していたが、お察しの通り、彼氏はできなかった。
無愛想な私に寄ってくる物好きな男の人はそういないだろうから。
あのときのことを思い出している内に、校門に近づいてくる木下を見つけた。
ありゃ、女の子連れてますよ。
これも写真を撮っておくか...とこっそり携帯を構えて、1枚撮っておいた。
というか、尾行しなくては。
でも尾行とはいっても、どう彼を尾行すればいいのか分からない。
刑事ドラマは大好きで毎週欠かさずに見てるけど、それとこれとは違うのだ。
こっそりと怪しまれないように後をつけますか、と一歩足を踏み出した瞬間、携帯が着信を知らせてきた。
ビックリするじゃないか...。
そう思いながら携帯を開くと、夏帆からのメールだった。
「凖大丈夫?...って、まだ始めたばかりだよ」
そんなに心配なら、自分で見に来ればよかろうに。
夏帆からのメールを閉じてから、数メートル先を歩く彼らを追おうとした瞬間。
「ねぇ君、雛ちゃんだよね!」
次は誰かに引っ張られた。
「雛、頼みがあるの。凖の浮気の証拠写真撮ってきて」
「...は?」
開いた口が塞がらないとは、まさにこの瞬間の私の状態を指すのだと思う。
後から聞いた話によると、この日お泊まりをしていた私以外の友達はみんな彼氏に顔が覚えられているらしい。
バレたらまずいので、顔を覚えられていない私に行かせるということだ。
ちょっと勝手だと思いながらも、彼氏の高校の前にいる私もどうかと思うけどね...。
季節は冬。
雪は降っていないけど、寒いこんな日に私はカーディガンとマフラーだけで防寒をし、夏帆の彼氏が出てくるのを待っている。
夏帆の彼氏の名前は木下凖(きのしたしゅん)といって、1ヶ月ぐらい前にあった合コンで2人は知り合ったのだ。
ちなみに私もその合コンに数合わせで参加していたが、お察しの通り、彼氏はできなかった。
無愛想な私に寄ってくる物好きな男の人はそういないだろうから。
あのときのことを思い出している内に、校門に近づいてくる木下を見つけた。
ありゃ、女の子連れてますよ。
これも写真を撮っておくか...とこっそり携帯を構えて、1枚撮っておいた。
というか、尾行しなくては。
でも尾行とはいっても、どう彼を尾行すればいいのか分からない。
刑事ドラマは大好きで毎週欠かさずに見てるけど、それとこれとは違うのだ。
こっそりと怪しまれないように後をつけますか、と一歩足を踏み出した瞬間、携帯が着信を知らせてきた。
ビックリするじゃないか...。
そう思いながら携帯を開くと、夏帆からのメールだった。
「凖大丈夫?...って、まだ始めたばかりだよ」
そんなに心配なら、自分で見に来ればよかろうに。
夏帆からのメールを閉じてから、数メートル先を歩く彼らを追おうとした瞬間。
「ねぇ君、雛ちゃんだよね!」
次は誰かに引っ張られた。
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