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終わりと始まり
微かな灯火(2)
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言葉で気を紛らわせる代わりのように、この場にいないもう1人の姿が瞼の裏に描き出される。
ノアたちと同じように老翁の姿となったルシアは、2日前にリーシャの死期を悟り、ある竜を呼び寄せるために慌てて旅立った。できればルシアが戻ってくるまで意識を保ち続けたいところだけれど、もしかすると本当に間に合わないかもしれない。
リーシャの魂は今、どうにかといったところで体にしがみついている状態だ。
今度は再びノアたち兄弟と出会った頃の事が思い出された。
あの時からリーシャの運命は大きく動き出したのだ。そしてまさか、何気なく拾った子供だった竜たちと番に、もとい夫婦になるとは思ってもみなかった。
それは歪な関係ではあったけれど、もともと竜と人間が夫婦になるという事自体歪なものだったのだ。4人とも納得し、それなりに楽しくやってこれたのだから、きっと間違いではなかったのだろう。
ただやはり、竜王の言ったように誰との間にも子供が生まれなかったのは心残りだった。
もしこれからの事が失敗しても、子供がいればもしかしたら彼らは生き続けてくれるのではと、リーシャは淡い期待を抱いていた。さらに言うと、自身と彼らが生きていた証を残せないという意味でも心残りだ。
そんな記憶や思いがリーシャの中を駆け巡った。
ふとノアの声が聞こえた気がした。
リーシャは返事をしようと口を開こうとした。けれどできなかった。ただ、ノアの声が聞こえてきたのはそれきりだったので気のせいかもしれない。
きっと横でじっと自分の事でも眺めているのだろうとリーシャは思うのだった。
ノアたちと同じように老翁の姿となったルシアは、2日前にリーシャの死期を悟り、ある竜を呼び寄せるために慌てて旅立った。できればルシアが戻ってくるまで意識を保ち続けたいところだけれど、もしかすると本当に間に合わないかもしれない。
リーシャの魂は今、どうにかといったところで体にしがみついている状態だ。
今度は再びノアたち兄弟と出会った頃の事が思い出された。
あの時からリーシャの運命は大きく動き出したのだ。そしてまさか、何気なく拾った子供だった竜たちと番に、もとい夫婦になるとは思ってもみなかった。
それは歪な関係ではあったけれど、もともと竜と人間が夫婦になるという事自体歪なものだったのだ。4人とも納得し、それなりに楽しくやってこれたのだから、きっと間違いではなかったのだろう。
ただやはり、竜王の言ったように誰との間にも子供が生まれなかったのは心残りだった。
もしこれからの事が失敗しても、子供がいればもしかしたら彼らは生き続けてくれるのではと、リーシャは淡い期待を抱いていた。さらに言うと、自身と彼らが生きていた証を残せないという意味でも心残りだ。
そんな記憶や思いがリーシャの中を駆け巡った。
ふとノアの声が聞こえた気がした。
リーシャは返事をしようと口を開こうとした。けれどできなかった。ただ、ノアの声が聞こえてきたのはそれきりだったので気のせいかもしれない。
きっと横でじっと自分の事でも眺めているのだろうとリーシャは思うのだった。
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