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竜の国
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竜の国に戻ると、リーシャたちはそのまま竜王のねぐらへ向かった。妹竜とは入口で別れ、奥へと入っていく。竜王の寝床には我が物顔で眠るシャノウの姿がった。
「彼はこのまま放置していても大丈夫かな? それとも起こして君の話を聞かせた方がいいかな?」
「このまま大丈夫です。大半の話は知ってるはずなので」
「そう。ならいいね」
竜王は寝床の前に腰を下ろし、リーシャたちと向き合った。
「さて、どこまで聞いたかな? たしか彼が死竜になったのと、魔道具に封じられたのが君の先祖が原因だったってところで、妹失踪の報告がきたんだっけ?」
「たしかそうだったと思います」
「ふむ。それじゃあ、私の協力が必要だというあたりの話をしてくれるかい?」
「わかりました。実は……」
リーシャは召喚の魔道具に封じられた魔物の封印と解放についてわかった事を伝えた。
封じる時には魔物が得意とする魔力が必要となり、解放するためにはその魔力に対して優性な魔力が必要になるという事。そして、闇に対しては光が有効なのではないかと仮説を立てた事。
竜王は興味深そうにリーシャの話を聞き入っていた。
「それで、その考えが正解なのか試してみたいんですけど、生憎人間で光の魔力を扱える人がいなくて。そうしたらシャノウさんが竜王様が使えるからって教えてくれて」
「なるほど……」
「協力いただけないでしょうか」
「ふむ……」
竜王は悩む仕草を見せた。
シャノウの解放は竜王からの希望でもある。さすがに断られはしないはずだ。そう思いつつも、リーシャの心臓はせわしなく音を立てていた。
しばらくして竜王は口を開いた。
「うん、わかった。滞在を許可しよう」
「! ありがとうございます!」
竜王の優し気な声に、リーシャは顔を輝かせた。
「ただし、監視はつけさせてもらうよ。まあ、どちらかというと護衛みたいなものになるとは思うけど」
「護衛ですか?」
「そう。君たちが客人という事はだいたいの者には伝わってるとは思うけど、知っての通り血気盛んな若い子たちが多いから、何をしてくるかわからないんだ。だから私の指示を聞いてくれて、信頼できる古い子たちに君たちの監視名義の護衛を務めてもらおうと思う。そうすればそう簡単には手は出して来ないはずだから」
リーシャも竜たちの憎しみの標的にされる可能性は考えてはいた。妹竜を救う時に負った傷の事もあり、ノアたちの不安を減らすために自身に行動制限をかけなければと考えていたため、とてもありがたい申し出だった。完全に気を許すわけにはいかなけれど、竜王が信頼できるというのならば自分たちだけで行動するより危険度は多少マシになるだろう。
しかしながら、ふとリーシャの頭にある1つの不安要素が過ぎった。
「……けど、ファイさん古株なのに若い竜から罠にはめられて追い出されてますよね……?」
「…………まあ、そういう事だから」
やはり竜王はファイドラスが罠にはめられたことをわかった上で追放したらしい。辺りにシンとした冷たい空気が走る。
そんな空気の中、口を開いたのは竜王だった。
「彼はこのまま放置していても大丈夫かな? それとも起こして君の話を聞かせた方がいいかな?」
「このまま大丈夫です。大半の話は知ってるはずなので」
「そう。ならいいね」
竜王は寝床の前に腰を下ろし、リーシャたちと向き合った。
「さて、どこまで聞いたかな? たしか彼が死竜になったのと、魔道具に封じられたのが君の先祖が原因だったってところで、妹失踪の報告がきたんだっけ?」
「たしかそうだったと思います」
「ふむ。それじゃあ、私の協力が必要だというあたりの話をしてくれるかい?」
「わかりました。実は……」
リーシャは召喚の魔道具に封じられた魔物の封印と解放についてわかった事を伝えた。
封じる時には魔物が得意とする魔力が必要となり、解放するためにはその魔力に対して優性な魔力が必要になるという事。そして、闇に対しては光が有効なのではないかと仮説を立てた事。
竜王は興味深そうにリーシャの話を聞き入っていた。
「それで、その考えが正解なのか試してみたいんですけど、生憎人間で光の魔力を扱える人がいなくて。そうしたらシャノウさんが竜王様が使えるからって教えてくれて」
「なるほど……」
「協力いただけないでしょうか」
「ふむ……」
竜王は悩む仕草を見せた。
シャノウの解放は竜王からの希望でもある。さすがに断られはしないはずだ。そう思いつつも、リーシャの心臓はせわしなく音を立てていた。
しばらくして竜王は口を開いた。
「うん、わかった。滞在を許可しよう」
「! ありがとうございます!」
竜王の優し気な声に、リーシャは顔を輝かせた。
「ただし、監視はつけさせてもらうよ。まあ、どちらかというと護衛みたいなものになるとは思うけど」
「護衛ですか?」
「そう。君たちが客人という事はだいたいの者には伝わってるとは思うけど、知っての通り血気盛んな若い子たちが多いから、何をしてくるかわからないんだ。だから私の指示を聞いてくれて、信頼できる古い子たちに君たちの監視名義の護衛を務めてもらおうと思う。そうすればそう簡単には手は出して来ないはずだから」
リーシャも竜たちの憎しみの標的にされる可能性は考えてはいた。妹竜を救う時に負った傷の事もあり、ノアたちの不安を減らすために自身に行動制限をかけなければと考えていたため、とてもありがたい申し出だった。完全に気を許すわけにはいかなけれど、竜王が信頼できるというのならば自分たちだけで行動するより危険度は多少マシになるだろう。
しかしながら、ふとリーシャの頭にある1つの不安要素が過ぎった。
「……けど、ファイさん古株なのに若い竜から罠にはめられて追い出されてますよね……?」
「…………まあ、そういう事だから」
やはり竜王はファイドラスが罠にはめられたことをわかった上で追放したらしい。辺りにシンとした冷たい空気が走る。
そんな空気の中、口を開いたのは竜王だった。
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