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竜の国
結界の達人(3)
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「それじゃあ私たちが結界の外に出たら、そうだな……水竜の結界だけを解いてもらってもいい?」
「あの青い体の竜の事かな?」
「そう。その竜」
「わかったよ。私は他2匹の動きだけを封じておけばいいんだね?」
「うん、お願い」
あとは、竜を攻撃するための戦力が必要だ。
実際に戦ってみて、個々の戦闘能力はこれまでに戦ってきた竜と比べるとさほど高くはないと感じた。かといって簡単に倒せる相手でもない。
竜相手に1人でというのは少々荷が重く感じた。下手に闇の魔力を使うわけにもいかない。
「エリアル。エリアルは自分の羽で飛んで、私が使う魔法を真似して一緒にあの水竜を攻撃してくれる?」
「けど、僕がここから離れたら、おじちゃんの水が割れちゃうよ?」
「あっ、そうか。じゃあ、フェンリル。誰か水の形を維持できそうな魔道具を……」
リーシャの言葉をスコッチが遮った。
「大丈夫だよぉ。形の維持くらいなら私にもできるから。水の周りに結界張ればいいだけだしさ。だからさ、エリアルくんはしっかりとリーシャちゃんのお手伝いをしてあげてくれるかい?」
スコッチの問いかけに、エリアルは力強く頷いた。
「じゃあ僕頑張る! で、ねぇちゃん。どんな魔法を使うの?」
「アクアディナが使ってたやつ。覚えてる?」
「アクアディナ……あっ、わかった! 冷たい魔法だね! できるかはわかんないけど、やってみる!」
わからないとは言いつつも自信あり気な声をしていた。
エリアルも魔力を見る事の出来る目を持っている。リーシャが使っているところをあと何度か見れば、それなりの形にはなるだろう。
「頑張るよ、エリアル!」
「うん!」
エリアルはこの場に似つかわしくない、嬉し気な声で返事をした。
戦闘に関してはこれで最善を尽くせるだろう。けれどそれ以外で、リーシャには1つだけ心配な事があった。
「あと、フェンリル」
「あ? なんだよ」
「フェンリルはスコッチさんを攻撃したりしないでよ? 騎士の人が手を出しそうになったらちゃんと止めてよね」
人間につくといっても、スコッチは魔物だ。フェンリルは王都に矛先を向けない限り手出しはしないと信じているけれど、他の騎士たちの事は信用していない。
フェンリルの手前、行動は起してはいないけれど、いまだにリーシャやノアたちの事を煙たがっているのは明らかだった。それに仕方ないとはいえ、今スコッチに向けている視線も、ただの魔物に向けるものと同じ。だから余計に信用できないのだ。
「……わかってるよ。味方してくれてるやつ攻撃させるほど馬鹿じゃねぇって。安心しろ」
「ならいいんだけど……それじゃあ、2人とも行くよ」
スコッチを残す事に不安を残しながらも、リーシャはルシアに飛び乗った。そして、3人は再び竜たちへと向かって飛び立った。
「あの青い体の竜の事かな?」
「そう。その竜」
「わかったよ。私は他2匹の動きだけを封じておけばいいんだね?」
「うん、お願い」
あとは、竜を攻撃するための戦力が必要だ。
実際に戦ってみて、個々の戦闘能力はこれまでに戦ってきた竜と比べるとさほど高くはないと感じた。かといって簡単に倒せる相手でもない。
竜相手に1人でというのは少々荷が重く感じた。下手に闇の魔力を使うわけにもいかない。
「エリアル。エリアルは自分の羽で飛んで、私が使う魔法を真似して一緒にあの水竜を攻撃してくれる?」
「けど、僕がここから離れたら、おじちゃんの水が割れちゃうよ?」
「あっ、そうか。じゃあ、フェンリル。誰か水の形を維持できそうな魔道具を……」
リーシャの言葉をスコッチが遮った。
「大丈夫だよぉ。形の維持くらいなら私にもできるから。水の周りに結界張ればいいだけだしさ。だからさ、エリアルくんはしっかりとリーシャちゃんのお手伝いをしてあげてくれるかい?」
スコッチの問いかけに、エリアルは力強く頷いた。
「じゃあ僕頑張る! で、ねぇちゃん。どんな魔法を使うの?」
「アクアディナが使ってたやつ。覚えてる?」
「アクアディナ……あっ、わかった! 冷たい魔法だね! できるかはわかんないけど、やってみる!」
わからないとは言いつつも自信あり気な声をしていた。
エリアルも魔力を見る事の出来る目を持っている。リーシャが使っているところをあと何度か見れば、それなりの形にはなるだろう。
「頑張るよ、エリアル!」
「うん!」
エリアルはこの場に似つかわしくない、嬉し気な声で返事をした。
戦闘に関してはこれで最善を尽くせるだろう。けれどそれ以外で、リーシャには1つだけ心配な事があった。
「あと、フェンリル」
「あ? なんだよ」
「フェンリルはスコッチさんを攻撃したりしないでよ? 騎士の人が手を出しそうになったらちゃんと止めてよね」
人間につくといっても、スコッチは魔物だ。フェンリルは王都に矛先を向けない限り手出しはしないと信じているけれど、他の騎士たちの事は信用していない。
フェンリルの手前、行動は起してはいないけれど、いまだにリーシャやノアたちの事を煙たがっているのは明らかだった。それに仕方ないとはいえ、今スコッチに向けている視線も、ただの魔物に向けるものと同じ。だから余計に信用できないのだ。
「……わかってるよ。味方してくれてるやつ攻撃させるほど馬鹿じゃねぇって。安心しろ」
「ならいいんだけど……それじゃあ、2人とも行くよ」
スコッチを残す事に不安を残しながらも、リーシャはルシアに飛び乗った。そして、3人は再び竜たちへと向かって飛び立った。
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