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ネクロノーム家
後日談(2)
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「帰ってこれたんだ……」
リーシャは慣れた室内を見て安堵感に包まれた。
それに加えて長期間拘束されていたことによる疲労、帰路の間中相対固定の魔法を使い続けていた事による多量の魔力消費が影響したのだろう。突然足から力が抜け、リーシャの体はガクッと傾いた。
「おっと、大丈夫かリーシャ?」
「あ、ありがとう。大丈夫だよ」
ルシアに抱えられ、床に落ちる事はなかった。
胸の鼓動が早いような気がした。これは倒れそうになったからなのか、それともルシアに抱えられたからなのか。どちらなのだろう。
ルシアの手が緩むと、リーシャは自分の足で立ち直した。けれどその途端、今度は盛大に腹の虫が盛大に鳴きだした。あまりの大きさにリーシャは顔を真っ赤にした。
「うぅ~~……」
「ねぇちゃんお腹すいたの? 僕、簡単に何か作ろっか?」
「……お願いしてもいい?」
「うん! まかせて!」
リーシャにお願いをされたエリアルは、はりきってキッチンのある部屋へ駆けて行った。
空腹感もなかなかのものだけれど、魔力消費もかなりの量だったため、リーシャの頭はぼんやりとし始めていた。眠気を払いたくて首を左右に振った。
「リーシャ、眠いのか? もう寝るか?」
ルシアの気づかいの言葉に、リーシャは微笑んだ。
「ううん。エリアルがせっかく作ってくれるって言ってくれたし、食べてから寝るよ」
「食べてすぐ寝ると太っちまうぞ」
「1日くらい大丈夫よ。それに明日は掃除とか食料調達とか、いろいろとしないといけない事が多そうだしね。食べた分は明日消費します!」
リーシャはなかなか説得力のある言い訳だと誇らしげに言い放った。
するとルシアがとても何かを言いにくそうな表情をした。
「まぁ、リーシャがそれでいいんならいいんだけどさ。うーん、黙ってた方が良いと思ってたけど、やっぱ一応言っといた方が良いのかなぁ」
「何?」
「あのさリーシャ、前よりちょっと太ってねぇか?」
「……えっ、嘘⁉」
快適な誘拐生活を送っていたため、体重が増えていても何らおかしくはない。手を腹部に当てると、たしかに少しふくよかになっているような気がした。
「さっき抱えた時……」
「うわーわー‼ それ以上言わないでぇぇ! 明日からちゃんとするから!」
それより先を聞きたくないリーシャは両耳を掌で塞いだ。おそらくまだ服の上からはわからない程度。努力次第ではすぐに柔らかくなりかけている腹部をひっこめる事は可能だろう。
リーシャは体力づくりにいそしむことを決意した。
「別に気にするほどじゃないとは思うけどなぁ……」
品定めをするかのようなルシアの視線にリーシャは眉をひそめた。太ったと言われた直後のこの視線は余計に気になって仕方なかった。
「なっ、何よ。まだなんかあるわけ?」
「いや? ふっくらしたリーシャも可愛いんだろうなって……んん⁉」
言わせまいとリーシャはルシアの上下の唇を思いっきりつかみ上げた。一応ルシアの愛情表現なのだろうけれど、腹が立つ内容だったのだから仕方ない。
ノアが「バカが」と呆れた声で呟いていたのも聞こえていた。
リーシャは慣れた室内を見て安堵感に包まれた。
それに加えて長期間拘束されていたことによる疲労、帰路の間中相対固定の魔法を使い続けていた事による多量の魔力消費が影響したのだろう。突然足から力が抜け、リーシャの体はガクッと傾いた。
「おっと、大丈夫かリーシャ?」
「あ、ありがとう。大丈夫だよ」
ルシアに抱えられ、床に落ちる事はなかった。
胸の鼓動が早いような気がした。これは倒れそうになったからなのか、それともルシアに抱えられたからなのか。どちらなのだろう。
ルシアの手が緩むと、リーシャは自分の足で立ち直した。けれどその途端、今度は盛大に腹の虫が盛大に鳴きだした。あまりの大きさにリーシャは顔を真っ赤にした。
「うぅ~~……」
「ねぇちゃんお腹すいたの? 僕、簡単に何か作ろっか?」
「……お願いしてもいい?」
「うん! まかせて!」
リーシャにお願いをされたエリアルは、はりきってキッチンのある部屋へ駆けて行った。
空腹感もなかなかのものだけれど、魔力消費もかなりの量だったため、リーシャの頭はぼんやりとし始めていた。眠気を払いたくて首を左右に振った。
「リーシャ、眠いのか? もう寝るか?」
ルシアの気づかいの言葉に、リーシャは微笑んだ。
「ううん。エリアルがせっかく作ってくれるって言ってくれたし、食べてから寝るよ」
「食べてすぐ寝ると太っちまうぞ」
「1日くらい大丈夫よ。それに明日は掃除とか食料調達とか、いろいろとしないといけない事が多そうだしね。食べた分は明日消費します!」
リーシャはなかなか説得力のある言い訳だと誇らしげに言い放った。
するとルシアがとても何かを言いにくそうな表情をした。
「まぁ、リーシャがそれでいいんならいいんだけどさ。うーん、黙ってた方が良いと思ってたけど、やっぱ一応言っといた方が良いのかなぁ」
「何?」
「あのさリーシャ、前よりちょっと太ってねぇか?」
「……えっ、嘘⁉」
快適な誘拐生活を送っていたため、体重が増えていても何らおかしくはない。手を腹部に当てると、たしかに少しふくよかになっているような気がした。
「さっき抱えた時……」
「うわーわー‼ それ以上言わないでぇぇ! 明日からちゃんとするから!」
それより先を聞きたくないリーシャは両耳を掌で塞いだ。おそらくまだ服の上からはわからない程度。努力次第ではすぐに柔らかくなりかけている腹部をひっこめる事は可能だろう。
リーシャは体力づくりにいそしむことを決意した。
「別に気にするほどじゃないとは思うけどなぁ……」
品定めをするかのようなルシアの視線にリーシャは眉をひそめた。太ったと言われた直後のこの視線は余計に気になって仕方なかった。
「なっ、何よ。まだなんかあるわけ?」
「いや? ふっくらしたリーシャも可愛いんだろうなって……んん⁉」
言わせまいとリーシャはルシアの上下の唇を思いっきりつかみ上げた。一応ルシアの愛情表現なのだろうけれど、腹が立つ内容だったのだから仕方ない。
ノアが「バカが」と呆れた声で呟いていたのも聞こえていた。
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