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突然の告白(1)
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「どうしたの?」
突然のハンズの落胆を不思議の思ったリーシャは、彼の顔を覗き込んだ。ハンズは複雑そうな表情をリーシャに向けた。
「まだってことは、あの兄弟のうちのどいつかの事が好きなのは確定なんだな」
「まあ、ね」
リーシャはノアたち3人の事が、他の人間の誰よりも特別であることは間違いないと思っている。それぞれがリーシャの事を思って尽くそうとしてくれる事は嬉しく思うし、直してほしいと思う事もそれぞれにある。ただ、現状まだ誰が1番好きだと言えるほどリーシャの中では3人に対する好感度に差は出来ていなかった。
しかしながら今はそんな事よりも、リーシャには気になる事があった。
ハンズがずっと肩を落としているのだ。こんな話を持ち出してきたのにも驚いたけれど、リーシャは何故ハンズがこんなにも落ち込んでいるのかが気になって仕方なかった。
「ねぇ、ほんとどうしたの? なんか変だよ」
ハンズは言いにくいことを言おうか迷っているかのように頬を掻いた。
そして覚悟を決めたのか、悲し気な瞳をリーシャに向けた。
「あのさ、この際だから言ってもいいか?」
「え? うん」
改まって切り出され、リーシャは何を言われるのだろうと思わず身構えてしまった。
ハンズは小さく笑い、そして大きく呼吸をすると重くなっていた口を開いた。
「俺さ、リーシャの事が好きなんだ」
「……え?」
ハンズの瞳は熱を帯びていて、嘘を言っているようには見えなかった。それに震えるような声で、とても緊張しているのがすぐにわかるほどだ。
突然の本気の告白にリーシャは言葉を失った。
「だから、俺はリーシャの事が……」
「きっ、聞こえてるよ! ただ、そうやって言ってくれるの、あの子たちとラディウスくらいだと思ってて……他の人からはそういうふうに見てもらえてると思ってたから、驚いて……」
「ほんとお前、わりと勘は鋭いはずなのに自分の事となると途端に鈍くなるよな。俺がリーシャの事好きなの、ギルドの連中ほぼ全員知ってんだけど。レインなんか、お前が目の前にいんのに、からかってくるしさ」
ハンズは困ったような笑顔をリーシャに向けた。
長年の付き合いのある相手からの突然の告白に驚いたリーシャは何と言って答えていいのかわからず、すぐには言葉が出せなかった。
とはいえ、率直な答えは初めからリーシャの中で出来上がっている。言葉を着飾らせはせず、そのままの言葉で返した。
「ごめん……」
リーシャは申し訳なさそうに、伏し目がちに言った。
するとハンズは何故か吹き出した。
「どっちの事に対する謝罪だよ。気づかなかった事? それとも告白への答え?」
その声があまりにも優しすぎて、たった一言の答えを言いたいだけなのに、リーシャの口からはなかなか言葉が出てこない。
ハンズはどちらに対する答えかなどわかりきっているはずだ。きっとハンズはもっと聞き返しにくかったに違いない。
リーシャは思い切ってハンズの問いに答えた。
「……どっちも、かな」
「……いーよ、そんな思いつめたような顔しなくても。リーシャが悪いわけじゃねぇし。そもそも言わないと気付いてもらえないってわかってたのに、言わずにいた俺が悪かったんだって、わかってるから。それにどういう答えが返ってくるか、わかった上で言ったんだ。玉砕覚悟ってやつ?」
傷ついた顔をするのではないかと思っていたけれど、ハンズの表情は明るかった。むしろ言えてすっきりしたと言わんばかりの顔をしていた。
ハンズは遠い空を見つめた。
突然のハンズの落胆を不思議の思ったリーシャは、彼の顔を覗き込んだ。ハンズは複雑そうな表情をリーシャに向けた。
「まだってことは、あの兄弟のうちのどいつかの事が好きなのは確定なんだな」
「まあ、ね」
リーシャはノアたち3人の事が、他の人間の誰よりも特別であることは間違いないと思っている。それぞれがリーシャの事を思って尽くそうとしてくれる事は嬉しく思うし、直してほしいと思う事もそれぞれにある。ただ、現状まだ誰が1番好きだと言えるほどリーシャの中では3人に対する好感度に差は出来ていなかった。
しかしながら今はそんな事よりも、リーシャには気になる事があった。
ハンズがずっと肩を落としているのだ。こんな話を持ち出してきたのにも驚いたけれど、リーシャは何故ハンズがこんなにも落ち込んでいるのかが気になって仕方なかった。
「ねぇ、ほんとどうしたの? なんか変だよ」
ハンズは言いにくいことを言おうか迷っているかのように頬を掻いた。
そして覚悟を決めたのか、悲し気な瞳をリーシャに向けた。
「あのさ、この際だから言ってもいいか?」
「え? うん」
改まって切り出され、リーシャは何を言われるのだろうと思わず身構えてしまった。
ハンズは小さく笑い、そして大きく呼吸をすると重くなっていた口を開いた。
「俺さ、リーシャの事が好きなんだ」
「……え?」
ハンズの瞳は熱を帯びていて、嘘を言っているようには見えなかった。それに震えるような声で、とても緊張しているのがすぐにわかるほどだ。
突然の本気の告白にリーシャは言葉を失った。
「だから、俺はリーシャの事が……」
「きっ、聞こえてるよ! ただ、そうやって言ってくれるの、あの子たちとラディウスくらいだと思ってて……他の人からはそういうふうに見てもらえてると思ってたから、驚いて……」
「ほんとお前、わりと勘は鋭いはずなのに自分の事となると途端に鈍くなるよな。俺がリーシャの事好きなの、ギルドの連中ほぼ全員知ってんだけど。レインなんか、お前が目の前にいんのに、からかってくるしさ」
ハンズは困ったような笑顔をリーシャに向けた。
長年の付き合いのある相手からの突然の告白に驚いたリーシャは何と言って答えていいのかわからず、すぐには言葉が出せなかった。
とはいえ、率直な答えは初めからリーシャの中で出来上がっている。言葉を着飾らせはせず、そのままの言葉で返した。
「ごめん……」
リーシャは申し訳なさそうに、伏し目がちに言った。
するとハンズは何故か吹き出した。
「どっちの事に対する謝罪だよ。気づかなかった事? それとも告白への答え?」
その声があまりにも優しすぎて、たった一言の答えを言いたいだけなのに、リーシャの口からはなかなか言葉が出てこない。
ハンズはどちらに対する答えかなどわかりきっているはずだ。きっとハンズはもっと聞き返しにくかったに違いない。
リーシャは思い切ってハンズの問いに答えた。
「……どっちも、かな」
「……いーよ、そんな思いつめたような顔しなくても。リーシャが悪いわけじゃねぇし。そもそも言わないと気付いてもらえないってわかってたのに、言わずにいた俺が悪かったんだって、わかってるから。それにどういう答えが返ってくるか、わかった上で言ったんだ。玉砕覚悟ってやつ?」
傷ついた顔をするのではないかと思っていたけれど、ハンズの表情は明るかった。むしろ言えてすっきりしたと言わんばかりの顔をしていた。
ハンズは遠い空を見つめた。
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